「東郷診療所廃止」の答申を受け、いこまい館の見直しも白紙に?
昨日、第10回東郷診療所運営委員会が開かれ、町長の諮問事項に対する答申が決議されました。
町長の諮問事項とは
①診療所の今後のあり方
②いこまい館への移設の可能性
の2項目です。
(これまでの経緯についてはこちらをご覧ください)
答申は、委員会の冒頭で職員により朗読されました。
が、傍聴人には答申(案)は配られず、委員長より「正式な答申が出るまで、傍聴に来ている人には見せないように」という注意がありましたので、文書で見てはいません。
耳で聞いたものをメモし、それを元に、ここで報告していますので。
おおまかな内容ということで、ご理解ください。
以下、町長の諮問に対する答申(案)の概要です。
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①診療所の今後のあり方 について
【結論】
東郷診療所は廃止の道を選択せざるを得ないと判断する。
国の指針によれば、公設病院は、民間医療ができない部分を担い、地域包括支援システムの中核として機能することが求められている。
東郷診療所ができた昭和36年は、無医村に近い状況であった。
その後、まわりの環境が大きく変化した。
現在の診療所は、具体的な理念・目的が明示されておらず、民間と同じ内科医療を行っているだけであり、漫然と経営している状態が続いている。
一方で経常経費が大きく、患者数の減少の歯止めがかからない状態。
1㎞以内に内科はないが、1日の平均患者数から見て、診療所周辺の患者は、よそへ流出していると思われる。
新規の患者は少なく、患者はおもに高齢者であり、この状態は将来の収入源を明示している。
このままの状態では、税金を使う公営の医療機関として存続する必要性が感じられず、
公的機関としては、今のまま継続するのは困難である。
存続するとすれば、
・増収の努力(新規の患者を含めた大幅な患者数の増加)
・診療時間と曜日の変更(町内の民間病院が閉まっている時間帯にあける)
・地域連携クリティカルパスに参加し、地域包括支援システムの中核となる
・人件費の削減
・将来的に、民間譲渡などを視野に入れる
などの条件をクリアしなければいけない。
であるが、固定費(人件費)が高く、公設のために民間では必要のない人件費が必要となり、黒字になるだけの収益を上げる見込みがあるとは考えられない。
建物の老朽化も進み、立て替えなど、近い将来、多額な費用が必要となる。
以上により、
東郷診療所の継続は困難であると判断せざるを得ない。
②いこまい館への移設の可能性 について
【結論】
いこまい館への移転を考えるまでもなく、診療所を存続させることは困難である。
町内に健診・人間ドックの施設が多い中、いこまい館に移設し、健診やドック機能を強化することは、民間医療機関からの反発も激しく、きわめて困難である。
いこまい館に診療所(医療と健診を行う)を移転するには
500〜830㎡の面積が必要となり、一般入館者との出入り口を完全に分ける必要がある。
出入り口を裏手に設けるとすると、駐車場からのアクセスが難しくなる。
また移設費用には、平均的な一般単価で計算して、3〜6億かかると予想される。
(必要な医療機器を揃えるのに1億2000万円はかかる)
以上のように、いこまい館への移設には、多額な事業投資が必要になり、アクセス面の問題解決が難しいなど、いくつもの問題がある。
経営的に見て、いこまい館に診療所は移設すべきではない。
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答申案は、運営委員全員が賛成しました。
(原案どおり、全員賛成)
答申案が決まった運営委員会には、中日新聞の記者も取材に来ていました。
今日の新聞に掲載されていたので、以下に転記しておきますね。
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「東郷診療所廃止」答申へ
運営委 民営化、移設など困難
東郷町の東郷診療所運営委員会(近藤秀樹委員長)は19日、10回目の会合を開き、診療所の廃止を提言する内容の答申をまとめた。月内に川瀬雅喜町長へ提出する。
答申では、経営改善の可能性を「人件費削減に限界があり黒字化は期待できない」と否定し、民間譲渡も「近い将来に建物の改修など膨大な経費がかかるため困難」と判断。「町の財政力を考えると、廃止はやむを得ない」と結論付けた。
また、検討されたイーストプラザいこまい館への移設についても「アクセス面などの課題で採算性に疑問があり、改修費や設備投資が3億〜6億もかかる」と否定した。
同委員会は川瀬町長の諮問機関。民間コンサルタントに診療所の経営診断を委託し、そのデータを元に議論してきた。近藤委員長は「厳しい結論になったが、答申であって決定ではない。今後、町側にじっくり判断してもらいたい」と語った。
川瀬町長は「答申はまだ受け取っていないが、今のままの存続は困難だと認識している。2009年度中には方針を出したい」と話した。
中日新聞(2009年3月20日 朝刊) 遠藤康訓
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それにしても、専門のコンサルタントも入れた委員会での答申で
「いこまい館への移設」の可能性をきっぱり否定されてしまった今
いこまい館の見直し案自体が白紙になってしまったのだと、思わざるを得ません。
順序として、診療所を本当にいこまい館に移設できるのか、費用やさまざまな問題をクリアできるのかを精査した上で、いこまい館の見直し案に入れるかどうかを決めるべきだった。
今回、「東郷診療所の移転はできない。廃止せざるをえない」と答申が出たことで、
これに基づいて町長が東郷診療所の廃止を決めてしまえば、
なんのために、全戸配布のいこまい館見直しアンケートをとったのか、わかりません。
問題はこれからだと、つくづく考え込んでいます。
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