図書館について考える

図書館協議会を傍聴〜指定管理者制度は導入の結論には至らず

今日の午後、東郷町町民会館の会議室で行われた「第3回図書館協議会」に、傍聴者として出席しました。

議題は、
①開館開始延長アンケートの実施報告について
②県下の指定管理制度導入経緯調査報告について
の2つ。

東郷町の町立図書館は、図書館協議会委員からの要望に応えて、昨年の11月〜今年の3月まで、毎週金曜日に1時間の開館時間延長を試行しました。
(通常は夕方5時閉館のところ、金曜のみ6時までに延長)
延長実施による来館者数と、来館者へのアンケート結果の報告が、最初の議題でした。

夕方5時以降に来館した数は、だいたい平均して、1日12人くらい。
多い日で、24人(3月第2週)。少ない日で、5人(11月第1週)
アンケートの集計結果を見ると、開館時間の試行延長のことを知っていた人が19人、知らなかった人が33人ですから、まだ住民への周知が少なく、金曜日だけは夕方6時まで図書館が開いていると知らない人が多いようです。
開館時間の延長を希望する声は多く、「夕方5時まででは、働いている人は利用できない。週1でいいので、開館時間を午後7時か8時までくらい延長してほしい」という意見がありました。

試行期間は冬場だったため、夏の状況も見るために、試行期間を延長し、今年度も金曜日の夕方6時まで開館されます。

協議会委員からは、「住民が少しでも利用しやすい図書館になってほしい」という意見が出され、開館時間の延長は、働いている人が図書館で本を探すために必要という委員会の考え方が、傍聴していてよくわかりました。
今後は、家から外出することが難しい障がいのある人や高齢者向けに、本を宅配で届けるサービスも検討してもらえたらと思いました。

さて、2番目の議題。
「指定管理者制度の導入」についてです。
事務局からの報告内容を簡単に以下に紹介します。

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【愛知県で指定管理者制度を導入している市町】
○新城市(新城総合サービスセンターが受託)
 行政改革として導入。導入で特に変わったことはない。

○幸田町(幸田町文化振興協会が受託)
 低コストで質の高い行政サービス推進のため導入。導入後、役所の縛りがなくなり対応が早くなった。

○江南市(大成株式会社、大新東株式会社が受託)
行財政構造改革の一環で導入。経費削減、サービス向上のため。導入後は良くなったとか。

○津島市(NPO法人「まちづくり津島」が受託)
市の方針として、市の施設運営は可能な限り民間委託を行うことから、指定管理者制度の導入を積極的にすすめた。質の低下に繋がらないよう、仕様書を作成した。

○美和町(大成株式会社グループが受託)
行政の効率化による財政健全化のために導入。議会では、委託についての不安、財政の削減効果、個人情報問題について指摘された。導入後は時間延長、開館日数の増加を行い、利用者の利便はあがった。

○常滑市(図書館流通センターが受託)
 前市長は反対だったが、現市長は賛成だったので、導入に踏み切れた。導入後は人件費削減と接客マナーの向上ができた。

○知多市(大新東株式会社が受託)
集中改革プランの一環で導入。導入後は飲食コーナーの設置、老人・身体障がい者に図書の宅配サービス、学校図書館との連携などを行っている。

○高浜市(図書館流通センターが受託)
 予算の削減は考えておらず、市民の利便性向上を第一に考えて導入(予算の削減はされていない)。導入後は利用者から良くなったとの声があった。

○蒲郡市(NPO法人ブックパートナーが受託)
 行財政改革の一環で導入。導入後は、開館時間の延長、職員数の増加があり、利用者から直営だった時より良くなったとの評価を得た。

県内で、指定管理者制度の導入を予定していた
尾張旭市と豊明市は、「導入した場合に、利用者サービスの継続性が見込めないことから、指定管理者は図書館にはなじない」とのことで、導入は見送られた。

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報告に対して、委員から「導入する場合の不安点をもう少し詳しく教えて欲しい」という質問があり、
①指定管理は3年間などの期限があり、切り替え時に混乱したり、館長が変わったりする可能性がある。
②民間に委託した場合、最悪、採算が取れずに途中で撤退する可能性もある
などのデメリットが教育部長から説明されました。

また、近隣の尾張旭市、豊明市がどちらも「指定管理制度は図書館にはなじまない」との理由で導入が見送られたという説明に対して、
「指定管理制度が図書館になじまないとは、どんな不安点を指摘しているのか」
という質問がでました。
それに対し、図書館長から「経費削減に走り、住民サービスがおろそかになる」などの危険性が述べられたことから、
「かなりいろいろな問題がある」と委員長が発言。

そもそも、指定管理者制度の導入の理由として
「経費削減のため」という事務局からの説明があったことで
「人件費が高いのは、館長の人件費(現在、年間に約1000万円)。館長は、役所の人事異動で毎年のように変わっており、専門性も高いとはいえないのに、こんなに高い館長はいらないのでは」
「役場の退職間際の職員が館長をするのではなく、図書館長は公募して嘱託として外から雇ってはどうか」
など、指定管理ではなく、図書館長の人事を見直すことで人件費を下げてはどうかという意見が相次ぎました。
(図書館長の専門性継続のために、外部から一般公募することは、わたしも3月議会の一般質問の中で提案していたので、図書館協議会の委員からも同様の意見が出たことは、我が意を得た思いでした)

委員からは
「経費削減も大事だが、東郷町のゆったりとアットホームな図書館の良さをこれからも守っていって欲しい」などの意見も出て、指定管理制度については、今回は報告のみ(結論はださない)ということで、協議会は閉会となりました。

長久手町も日進市も、図書館長は役場職員でなく、外部の人(長久手町は大学教授を退職した人、日進は岐阜県図書館で勤めていた人)です。
館長の人件費や、役所の人事異動で毎年のように変わることは、現在の問題ですが、指定管理制度の導入以外にも方法はあるはず。
(むしろ、指定管理者は数年で交代するので継続性は難しい)
これからも、東郷町の図書館のあり方について、真剣に考えていきたいと思います。

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