介護で困った時に

介護保険サービスも医療費控除ができる?!

確定申告は終わりましたか。
在宅でヘルパーやデイサービスなどの介護保険サービスを使っている方、使っているサービスによってはその費用を医療費控除に入れられることをご存じでしたか。

じつは、家で両親の介護をしている友人から、
「訪問看護や訪問リハビリなどの医療系サービスを使っていると、ほかの介護保険の費用も医療費控除できるって聞いたんだけど、知ってる?」
と、聞かれたことがきっかけで、調べてみました。

で、わかったこと!

訪問看護や訪問リハビリ、通所リハビリ(デイケア)、居宅療養管理指導を、1ヶ月に1回でも利用すれば、訪問介護やデイサービス、訪問入浴などの利用負担額が医療費控除の対象になり、確定申告の時に戻ってきます。

医療費控除は、かかった医療費から10万円(所得が200万円以下の場合、所得の5%)を差し引いた残りの1割が税金から還元されます。
この10万円以上という金額は、生計を一緒にしている家族全員の医療費を合わせたものです。

医療費控除というと、病院にかかった金額だけと思いこみやすいので、年間10万円を超えないから関係ないと思っている人も多いのではないでしょうか。
介護が必要な家族がいる場合、病院での費用のほかに、介護保険で負担した費用も、この10万円に入れて計算できるかもしれません。月々の介護保険の自己負担分を入れたら、年間10万円を超えて、税金が戻る形で金銭的な負担軽減がはかれるかも…。

くわしくは、下記の国税庁のホームーページで紹介しています。
医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

ちなみに、医療費控除ができない介護保険サービスだけ、以下に記しておきますね。

医療費控除の対象外となる介護保険の居宅サービス等
認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】
介護予防認知症対応型共同生活介護
特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム等】
地域密着型特定施設入居者生活介護
介護予防特定施設入居者生活介護
福祉用具貸与
介護予防福祉用具貸与

上記以外の介護保険サービスは、医療費控除ができるかもしれませんので、検討してみてくださいね。

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特別養護老人ホームの利用料を軽くするには

全室個室のユニット型特別養護老人ホームは、利用料が高くて、お金がないと入れない。
こうした話が、あちこちで聞こえてきます。

でも
お金がなくても、公的に負担を軽減して、個室特養に入ることができる手段があるんです。

それは、境界層措置 という制度。
年金など、月々の所得が少なくて、食費やホテルコスト(部屋代)に介護保険の自己負担分などを支払うことができない場合に、高額介護サービス費や負担限度額の段階を引き下げることができる制度です。
(特養の食費や部屋代は、所得に応じて4段階に分かれています。この段階のどこに該当するかで、支払う金額が決まるのですが、支払える段階まで引き下げるということですね)

この境界層措置という制度は、介護保険の利用者負担の軽減をすることで、生活保護をうけずにすむようにしようという制度。
ですから、相談先は生活保護担当の部署で、そこから「境界層該当証明書」を発行してもらい、介護保険の部署が、この証明書を確認して手続きするという流れになります。

あまり知られている制度ではないのですが、市町村民税の課税状況にかかわりなく、生活状況にあわせて適用できるという利点があります。
市町村によっては、インターネットでこの制度を知らせているところもあったので、公的機関による説明を以下に転載しますねね。

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介護サービスを利用する際に、居住費や食費等の自己負担額等が規定どおりに適用されると生活保護の最低生活費を下回るが、利用者負担段階を下げることによって自己負担額が下がれば、生活保護を受けなくてすむ場合は、その利用者負担段階を下げる制度があります。(境界層措置といいます)

自己負担が軽減されるものの順番は、次のとおりです。
①保険料滞納者に対する給付額減額措置の免除
②居住費(滞在費)の負担限度額の減額又は免除
③食費の負担限度額の減額
④高額介護サービス費等の上限額の減額
⑤保険料負担額の減額

境界層の適用については、お住まいの区の区役所生活保護担当が調査します。そこで食費・居住費等の自己負担額を(さらに)減額すれば生活保護該当とならないと判定された場合は、証明となる「境界層該当証明書」が交付されます。
「境界層該当証明書」をお住まいの区の区役所保険年金課窓口で、負担限度額認定申請とともに提示していただければければ、負担限度額認定の対象となる、又は利用者負担段階を下げることができます。
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石川県で、特別養護老人ホームの利用料が年収によって差が出る関係で、本来受け取ることができる年金の一部をあえて返上しようとする事例が報道されましたが、上記の制度を使えば、年金をあえて受け取らないという裏技を使う必要はなくなります。

※特養の利用料軽減のために、年金受け取りを一部やめるという件については、以下の記事を参照ください。
 ↓
----------------------(ここから引用です)---------------------
年金返上、逆にお得 特養利用料を軽減へ

 特別養護老人ホームの利用料が年収によって差が出る関係で、本来受け取ることができる年金の一部をあえて返上しようとする事例が22日までに、石川県内で初めて確認された。2007(平成19)年創設の「公的年金支給停止制度」に基づき、金沢市内の無職 男性(80)の家族が金沢北年金事務所に申請する。返上により、利用負担額が年50万 円以上軽減される計算。老後の生活を考え、同様のケースが今後増える可能性もある。
 男性は認知症で要介護4と判定され、今月上旬から金沢市南部の特別養護老人ホーム( ユニット型個室)に入居している。

 本来、男性は国民年金79万2千円と厚生年金8万4千円の計87万6千円を1年間に受け取ることができる。このうち、国民年金11、12月分の受給を辞退。さらに来年1月から厚生年金を受け取らない手続きを取る予定だという。

 辞退する理由は、ホーム利用料の負担が、年金とその他の収入の総額が年80万円を超えるか超えないかで、大きく違うため。県長寿社会課によると、80万円以下の場合、ユ ニット型個室の負担額は「高額介護サービス費」が支給されて月5万1300円(月30 日で計算)で済む一方、超えた場合は9万5130円となり、月4万3830円の差が出 る。

 男性の家族から相談を受けた金沢市内のケアマネジャーは、「男性の場合、利用料だけで年金を使い切ってしまう。制度を活用した方が有利と分かり助言した」と説明する。

 特別養護老人ホームについては、厚生労働省が「全室個室(ユニット型個室)化」を推進しているが、多床室(相部屋)と比べて利用者負担が大きい。このケアマネジャーは「 年金を多くもらっても、日々の生活をトータルで考えると逆に生活が厳しくなるケースが ある」と指摘する。

 金沢北、金沢南、小松、七尾の県内四つの年金事務所はいずれも「これまで同様の例はない」としている。

 日本年金機構の担当者は「男性のケースは全国的にも珍しいのではないか。制度の本来の趣旨からは外れているが、活用しないでとは言えない」としている。

●公的年金支給停止制度 年金改革に基づいて創設された。以前は公的年金を1回でも受 給すれば、受給を停止することができなかったが、月単位で受給を拒否することができる ようになった。日本年金機構によると、制度利用数は年間100件程度という。

http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20100923101.htm
北國・富山新聞【9月23日04時26分更新】
----------------------(引用ここまでです)---------------------

高齢者のセーフティネットである特別養護老人ホーム。
お金がないから入れない、などという事態が起こらぬよう、さまざまな制度がつくられています。

お金があるなしにかかわらず、自らの尊厳を守るために、個室に入る選択肢は、あらゆる人に保障されるべきだし、そのための方法はある。
問題は、それを積極的に周知しようとしない行政にありそうです。

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愛知県内の住宅型有料老人ホーム情報を会のホームページで掲載しました

ボランティアで昨年からずっと行っていた、愛知県内の住宅型有料老人ホーム調査。
今週の火曜日に、報告用の調査まとめ冊子の印刷が無事に終わり、今週の土曜日、5/29日午後1時半から予定している公開報告会の準備が整いました。

愛知県内に、現在、有料老人ホームは210施設以上にまで増えているのですが、今回の調査は、なかなか情報が表に出てこない住宅型有料老人ホームに対して行いました。

昨年8月に、その時点で県内でオープンしていた68施設にアンケートを送付し、そのうち、アンケート調査には29施設(42.6%)、施設訪問には18施設(26.5%)にご協力いただくことができました。

くわしい報告は、今週の土曜日に予定している公開学習会
「有料老人ホームは終の棲家となるか〜どう選ぶ?!安心して暮らせる老後の住まい」
で行います。

それに先立ち
アンケートに協力していただいた各施設のアンケート回答と、訪問調査に行った調査員の感想を、「介護施設と地域を結ぶ市民の会」のホームページに掲載しました。

調査員の感想は、実際に施設を訪ねて感じた率直な思いがつづられていて、参考になると思います。
ぜひご覧下さい。
(紙に印刷して読みたい方のために、A4用紙で4枚に印刷できるpdf版もアップしていますので、ご自由にお使い下さい)

「介護施設と地域を結ぶ市民の会」ホームページ
http://kaigo-shimin.her.jp/index.html

ひとつだけ。
注意していただきたいのですが。
各施設のアンケート回答は、施設に書き込みいただいたままのものを掲載しています。
訪問に行ってみると、アンケートに書かれた回答と違う状態(たとえば、個室でなく雑居部屋だった。居室内にあると書かれていたものがない、など)に出会うこともありました。
ですが、アンケートをお願いするときに、「ご回答いただいたものを、そのままホームページで公開させていただきます」と明記して、回答の依頼をしています。
そのため、こちらの判断で一方的に回答内容を変えることはできず、施設側が回答したままが掲載されています。
また、調査員の感想も、それぞれの調査員の個人的な思いであって、違う人が訪れれば、違う感想が出てくることと思います。

だからこそ

ホームページで公開している各施設の情報を絶対的なものとは思わないでください。

あくまで、ひとつの情報として、参考にしていただければと思います。

有料老人ホームを選ぶには、自分で直接、施設を訪れて、自分の目で見て、話を聞いて。
1つの施設だけでなく、なるべく複数の施設を訪れて比較した上で、選んで欲しいと願っています。

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要介護なら障害者控除の申請を忘れずに

介護や医療でお金がかかった場合、所得税が戻ってくることがあります。

医療費の所得税還付申告はよく知られていますが、介護保険を利用している場合も対象になることも。
また、本人や家族が要介護の認定を受けていれば、障害者控除で税金が戻ってくる場合があります。

所得税の還付申告について、新聞記事から転記しますね。

---------------------(ここから引用です)----------------------

対象者の条件 確認を
所得税の還付申告

昨年納めすぎた所得税を戻してもらう還付申告の受付が、各地の税務署やインターネット上の納税システム「eタックス」で1日から始まっている。
医療費は内容によって控除対象の有無がある。
本人や家族が要介護の認定を受けていれば、自治体への申請によって税法上の障害者と認められ、税金が戻ってくるケースもある。

要介護者 障害者控除認める例も
障害者控除は、障害者手帳を持つ人に限らず、市町村長などが「障害者に準ずる」と認めた65歳以上の人でも受けられる。
要介護認定を受けている人は、これに当たる可能性がある。

愛知県豊明市の男性(76)は要介護1の認定を受けている。
昨年2月、障害者控除について書かれた本紙の記事を、男性の妻(70)が読み「夫も当てはまるのでは」と市に申請したところ、すんなり障害者控除認定書が発行され、27万円の障害者控除が受けられた。
「前の年から要介護1の認定を受けていたが、障害者控除なんて、思いもしなかった」と妻は話す。

要介護を理由に、税法上の障害者と認めてもらうには原則、申請が必要。
どこまでを障害者と認めるかは自治体によってばらばらだ。
申請すれば、要支援2でも税法上の障害者とする市がある一方、申請しても、要介護4、5でないと、障害者と認めないところも。

該当する可能性のある人に申告書などを送り、申請を促す自治体や、要介護1以上のすべてを障害者と認め、申請がなくても対象者に認定書を送っている市や町もあるが、何の告知もしない自治体も依然としてある。

介護度が重い人なら、40万円の特別障害者控除が受けられることも。
障害者手帳を取得できる可能性があり、住んでいる自治体と障害の程度によっては、医療費の助成を受けられる場合もある。

(中日新聞 2010年1月14日朝刊)
---------------------------(引用ここまでです)----------------------

先日、両親の介護をしている人から、
「要介護5で寝たきりなのに、障害者控除について役場から何の案内もなく、税金の控除が受けられるとつい最近知った。なぜ一言教えてくれないのか」
という話を聞きました。

役所の窓口が縦割りで、要介護の申請をする介護保険課と障害の窓口が異なることで、いろいろ不便さを感じている方が多いのだと、改めて実感しました。

新聞記事によると、要介護1以上なら、全員に自動的に障害者控除認定書を送っている市町村もあるそうです。

東郷町の実態については、調査してからまた報告します。

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65歳以上でもOKが正しい運用〜介護保険と障害給付の併用

65歳以上の高齢者は、「障害給付より介護保険を優先する」ことになっているため、障害者自立支援法での支援サービスは受けられないという誤解があります。

こうした誤った運用を行政がしているケースは多いのですが、そんな現状に一石を投じる記事が新聞に掲載されました。以下に転載します。

--------------------------(ここから引用です)------------------------

新宿区 65歳以上 障害給付認めず 介護保険を一律適用

東京都新宿区が、新たに障害者手帳を取得した六十五歳以上の区民について、訪問ヘルパー派遣など介護保険と障害給付が同種サービスを定めている場合、介護保険を一律適用するとした独自のルールを作っていたことが分かった。
介護保険より障害給付の方が手厚いサービスを定めている場合も、障害給付を認めていなかった。

テレビのクイズ番組などでも知られ、難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)で闘病する篠沢秀夫・学習院大名誉教授(76)が、障害給付を申請したのに受け入れられず、「本来受けられるはずの障害給付による在宅介護が、新宿区のみ受けられないのはおかしい」と指摘。
独自ルールの存在が判明した。
区は二日、「不適切かつ誤った運用で、ただちに改めた」と謝罪した。

区障害者福祉課によると、国の障害者自立支援法は介護保険を優先的に適用するとした上で、障害者が障害給付を利用したサービスの上乗せを求めた場合は、自治体担当者が個別面談し、上乗せが必要か調査することになっている。
しかし、区は昨年十月、「介護保険から障害給付への上乗せは行わない」とした運用ルールを内部で作っていた。

同課は「財政への影響や調査にかかる人手を考慮した。実際にサービスが受けられなかった例は篠沢名誉教授以外はない」と説明している。

(東京新聞 2010年2月3日 朝刊) ※太字は山下がつけました
------------------------(引用ここまでです)---------------------------

そもそも、介護保険で要介護認定されているということは、なんらかの障がいを持っているということ。
それなのに、市町村が行う障がい者サービスを受けるための、障害者手帳を取得していないという高齢者はけっこういます。
ケアマネジャーにも「65歳以上になれば、介護保険を使うことになるから、障がい者サービスは使えなくなる」と誤解している人は多いようです。
障害者自立支援法の理解はケアマネジャーに求められていないので、こうした誤解が生じるのでしょう。

知らずに公的に使える支援サービスを受けられない、という悲劇を防ぐためには、介護保険窓口と障害窓口との密接な連携が早急に必要です。

記事では、「介護保険から障害給付への上乗せは行わない」という間違った運用ルールを適用していた問題が指摘され、区が改めたということが報じられていましたが、誤解からではなく、わかって間違った運用をしてきたことは、もっと責められてもいい話。
行政の仕事は、困っている人を助けることなのに、お金がかかるからとか自分たちの仕事量が増えることを理由に問答無用で切り捨てるやり方は許されません。

困っている住民ひとりひとりに丁寧に向き合い、どうしたら助けられるのか、担当課の枠をこえて連携しあって考えることが求められています。

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介護に疲れた家族の力になりたい!〜「キャンナス名古屋」発足

介護保険だけでは埋められない、介護のすきま。
経管栄養や気管切開をしている重度障がい児や高齢者の介護や、旅行の付き添い、長時間の見守りなど、必要なのに介護保険では対応できないことは、いろいろあります。

公的な制度では足りない部分を少しでもカバーしようと、昨年の末、「キャンナス名古屋」が発足しました。
「キャンナス」とは、在宅介護を支援する「訪問ボランティアナースの会」。
ナースでデキルこと、つまり“キャン(Can)”から、「キャンナス」と名付けられたそうです。
第1号のキャンナスは、1997年に神奈川県でスタート。
それからも東京、千葉、広島など、全国に支部が続々と立ち上がり、名古屋支部は38番目に発足しました。
(※全国訪問ボランティアナースの会 キャンナス

代表の冨士恵美子さんは、2月に開設する予定の訪問看護ステーションの立ち上げで忙しい中、愛知県で訪問ボランティアナースを1人でも増やそうと走り回っています。

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)をはじめ、気管切開をしたり人工呼吸器をつけた医療支援を必要とする重度の方が、たくさん在宅で暮らしています。そんな方たちを支えているのは家族ですが、家族だけではつぶれてしまいます。公的なサービスでは足りない部分を、キャンナスの活動で少しでも埋め、家族の手助けができればという思いで、キャンナスを立ち上げました」
と、冨士さん。

現在、愛知県で仲間となった訪問ボランティアナースは、10人。
名古屋市を中心に、依頼があれば高齢者や障がい者の自宅を訪れ、たんの吸引などの医療的ケアを含めた在宅介護の支援を行います。

キャンナスは有償ボランティアなので、利用には「利用協力金」が必要です。
清拭や洗髪、経管栄養、インシュリン注射などの訪問看護サービスは、1時間1600円。
食事介助や外出介助などの訪問介護サービスは、1時間1200円。
時間制限はないので、一晩付き添いで泊まったり、一泊旅行の付き添いなどもできるとか。

名古屋での活動はこれからですが、ぜひ応援していきたいと思います。

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おとこの介護を支えるネットワーク

男の介護者が、じわじわと増えています。

少し前まで、介護は女性(嫁、妻、娘)がするものだと思われていました。
しかし、3世代世帯が減り、夫婦とも高齢世帯や独居世帯が全体の半数以上にまで増加。
それに伴い、親と未婚の子も18%と増加し、独身の「むすこ介護」も急増しています。

いまや、全介護者の3人に1人が男性。
むすこ介護は、全介護者の12.2%。夫介護は、13.2%。
(逆に、よめ介護は、50%から26%まで下がっています)

増え続ける男性介護者を支えようと、2009年4月、京都市で「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」が発足しました。

この男性介護者ネットワークを提唱した、立命館大学の津止正敏教授によれば
男性介護者の平均年齢は、69.3歳。
多くは健康上の問題を抱え、仕事を持ちながらの介護も多い。
介護を理由にした離職、転職者14万5000人のうち、男性は2万5000人。
その大部分が40代、50代の働き盛りの男性
とのこと。

高齢者虐待の加害者は、男性割合が高くなっており、介護殺人の加害者も、むすこ37.4%、夫34.3%と男性の比重が多くなっています。

とりわけ、独身のむすこが親の介護を行う「むすこ介護」は、これから大きな問題になってくるのではないかと危惧しています。
親の介護のために、30代、40代で仕事をやめ、親の年金のみで介護生活を続ける。
一見、親孝行息子の美談のようにみえますが、親の介護が終わった後に、仕事を失い、結婚もできず、1人老いてしまった息子は、残りの人生をどう生きていくのでしょうか。

少し前の記事になるのですが、むすこ介護の問題を取り上げた読売新聞の記事を紹介します。

------------------------(ここから引用)------------------------

(4)「ご近所さん」に支えられ
 川崎市の寺口昭吉さん(42)は、今年1月下旬、突然の父の死で降りかかってきた母の介護に戸惑った。
 高校を卒業し、大阪市の金型工場で働いていた昭吉さん。母が脳こうそくで倒れたため、31歳で自宅に呼び戻された。しかし、継ぐはずだった父の工場の経営が悪化し、父子の対立が増えた。工場の規模を大幅に縮小した3年前、失意から両親との会話も避けるようになり、自室にこもるようになっていた。
 その後、父は、工場の仕事も、家事も、左半身にマヒが残る母の介護も1人でやっていた。その父が末期がんになっていたとは、昭吉さんは知らなかった。
 未明にトイレへ起き出して倒れた父は、運び込まれた病院で数日後に息を引き取った。
 「今度はおれがお袋の介護をせねば」「仕事を見つけて生計を立てないと」「お袋が老人ホームに入るには自宅を売るしかないか」——。目をそむけてきた母の介護や仕事の問題が一気に襲ってきた。
 母親は物忘れが進み、戸締まりも1人ではできなくなっていた。家事と母の世話で自由に外出もできず、「何でこんな人生になった」「大阪で働いていたら今ごろは結婚していたはず」という思いが頭の中をグルグル駆けめぐった。
 母が手をやかせると怒りがこみ上げた。「お袋のせいでおれの人生はメチャメチャだっ」「暴力息子は出ていけっ」。言い合いになって、手を上げてしまうこともあった。
 川崎市で介護の助け合い活動を行ってきた住民グループ「すずの会」の代表の鈴木恵子さんは、「息子さんのどなり声がする」という近隣の情報を耳にして訪ねた。混乱して疲れ切った昭吉さんの悩みをゆっくり聞いて、介護保険などの使い方を教えてあげた。
 何度も足を運び、心配してくれる「ご近所さん」に支えられ、母と息子は少しずつ落ち着きを取り戻した。
 多くの介護する家族を見てきた鈴木さんが、今、最も気がかりなのは「息子介護」だという。
 「すずの会」が始まった13年程前、介護者の会員のほとんどは嫁や娘だった。今、会員68人のうち息子は8人に上る。そのうち2人は離婚して実家に戻り、介護することになった男性だ。
 介護保険制度のサービスは、家事能力があり、時間の余裕もある主婦が高齢者を支えることを事実上、前提にしている。
 「男性が介護しようとすると、介護のために仕事も結婚もできない状況になり、葛藤(かっとう)が深くなる。そうした息子を支える仕組みがどこにもない」と鈴木さんはいう。
 勤め人の男性は、地域社会との付き合いを持たず、職場を離れると相談できる仲間もいないことが多い。「男たちと地域社会がつながることが必要だ」と鈴木さんはいう。
 昭吉さんは今、「すずの会」の活動も手伝いつつ、母の世話と両立できる介護サービスの起業を考え始めた。「男性も家事ができることや、地域のつながりを持つことが大事だと知った。仕事も介護も普通にできる働き方がもっと増えたらと思う」
(生活ドキュメント取材班)
(2008年4月26日 読売新聞)
----------------------(引用ここまで)--------------------

男性介護者が増えることで、見えるようになってきた介護の問題は、介護の社会化と家族のあり方にまつわる問題を突きつけてきます。
お金のあるなし、家族のあるなしに左右されない介護(社会保障)の仕組みを作っていくのが、これからの政治課題だと考えています。

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介護サービスを選ぶ「めやす」は?

介護が必要になった時、どこのどんな介護サービスを選べばいいか、悩みます。

そんな時に、選ぶ時の材料(めやす)となるようにと、国が始めた制度があります。
「介護情報の公表」制度 です。

県ごとに介護サービスの事業者情報をホームページで公表しており、いま見ることができるのは以下のサービスです。

【自宅で使える介護サービス】
○訪問介護(ヘルパー派遣)、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ、ショートステイ
○通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)
○福祉用具サービス(レンタル、販売)、居宅介護支援(ケアマネジャーの事務所)
【施設でのサービス】
○介護付きの有料老人ホーム、介護付きケアハウス
○介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
○介護老人保健施設(老健)
○介護療養型医療施設

※愛知県の介護サービス情報は、以下のホームページに掲載されています。
 愛知県 介護サービス情報公表システム
  http://www.kaigo-kouhyou-aichi.jp/kaigosip/Top.do

かなり詳細で多くの情報を見ることができるのですが、あまりに情報が多いため、何をどう見て選べばいいかがわかりにくいのが欠点。
この「介護サービス情報の公表」制度を、上手に使って、自分にあったサービスを選ぶためのシンポジウムが、東京で開かれました。
その内容を紹介します。
(もと記事は、医療・介護情報を発信している「キャリアブレイン」にあります)
  「介護サービス情報の公表」制度でシンポ
  https://www.cabrain.net/news/article/newsId/20543.html

----------------------(ここから抜粋引用です)---------------------
「介護サービス情報の公表」制度でシンポ

世田谷区(東京都)は、利用者の視点から「介護サービス情報の公表」制度の読み解き方を紹介するシンポジウム「これなら選べる!福祉・介護サービス情報!」を2月9日に開催した。
サービスの質や手厚さ、安定性を判断する指標などが具体的に示された。

シンポジウムでは、「介護サービス情報の公表」を基に同区内の事業者を中心に調査・分析を行った元国民生活センター調査室長で「高齢社会をよくする女性の会」理事の木間昭子氏が、介護サービス事業所を選ぶポイントとして、▽誰が(どのような実績のある事業者が)▽いくらで(特に介護保険外の費用)▽どのような質の介護を提供するのか(スタッフの情報)▽利用者の意見を把握する取り組みの有無▽利用できる時間や第三者の評価の実施など-の5点を挙げた。

各サービスに共通する確認項目としては、サービスの手厚さを判断する「利用者1人当たりの職員数」や、サービスの質の指標となる「職員の経験年数」「資格保有者の割合」を挙げたほか、「職員の退職率」は運営の安定性などの基準になるとしている。

また訪問介護では、サービス提供責任者1人当たりの利用者数が事業所によっては2倍の開きがあるとしたほか、訪問介護業務に従事した経験年数が5年以上の職員比率を比較することが参考になるとしている。

福祉用具では、相談員が利用者に事前説明を怠っていたり、利用者を十分納得させていなかったり、安全性や使い勝手の面から福祉用具の使用状況を確認していなかったりする問題などがあるため、「用具の選定前に相談しているか」「相談、苦情対応の結果を説明しているか」「搬入日から10日以内に使用状況を確認しているか」の項目に注目すべきとしている。

有料老人ホームでは、退去者数と退去後の行き先の確認が必要となり、「退去者が多い施設は、世話に手がかかると判断された場合に退去させられる可能性がある」と説明した。
入居一時金や初期償却はホームによって設定が大きく異なるため、事前確認を徹底するよう求めた。
また、職員に毎年退職者が出ている場合、労働環境に問題があることも考えられるという。
 
特養と老健については、職員の質やサービスの手厚さのほか、食費、居住費、理美容代など介護給付費以外の費用についての苦情が寄せられることから、確認をしっかりするよう求めている。

コーディネーターの高橋紘士・立教大大学院教授は、「『介護サービス情報の公表』は『ミシュラン』ではなく、主観を介在させず素材として示すもの。生きた情報にするのは利用者」と解説した。

----------------------(引用ここまで)------------------------

介護保険は、介護サービスに民間の事業者が自由に参入できる一方で、利用者の選択によって、質のよくない事業者が淘汰されるという考え方で運用されています。
ですが、選び方がわからなかったりして、なかなか選ぶことが難しいのが現状。
利用する側が賢くなって、「介護サービス情報の公表」制度をうまく使い、自分にあった質の良い事業者を選択することが必要だと思います。

まずは、愛知県の「介護サービス情報」を、自分の目で見てみませんか。
良い介護を受けるために、みんなが関心を持つことから、始めてみましょう!

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「介護なんでも相談ねっと」を立ち上げました

困った時にいつでも気軽に相談できる窓口として
「介護なんでも相談ねっと」を立ち上げました。

 介護なんでも相談ねっと 電話相談窓口
  090ー1274ー1590

介護サービスを使いたいけど、どこに相談したらいいかわからない。
利用している介護サービスで、納得できないことがある。
介護施設に入りたいけど、どうやって探せばいいかわからない。
など。
困りごとがあれば、なんでも受け付けます。

年中無休。何時でもOK。
どうぞお気軽に、上の番号に電話してください。
(いつお電話くださってもかまいませんが、電話に出られない時もあります。
 留守電に伝言を残してくだされば、折り返し、ご連絡します)

医療がすすみ、長生きがあたりまえになった現代で
介護は、ある日、突然にやってきます。

介護保険という言葉は知っていても、どこに申し込めば使えるのか。
どんなサービスがあり、どう選べばいいのか。
あらかじめ知っている人は少なく、
自分の目の前に“介護"が迫ってきて、
初めて介護保険について考えるという人が大半です。

困りごとがあっても、だれにも相談できずにいる人も多いようです。
相談窓口は、行政や地域包括支援センターをはじめ、いろいろあるのですが
役場の職員に「どこのデイサービスがいい?」とか「おすすめの特養ホームはどこ?」と聞いても、公務員が特定の事業者をすすめることはできないという理由で、答えてもらえません。
認知症などの症状から、通っているデイサービスから「うちではみれません。来ないでください」といわれて役場に相談したのに、「事業所にきちんと問題点を指摘してくれなかった」と聞いたこともあります。

だれもが気軽に相談できて、問題解決に向けて、第三者として介護事業所と利用者の間に入り、きちん協議できる機関が必要だ。どこにもないのなら、作るしかない。
というのが、「介護なんでも相談ねっと」立ち上げの理由です。

介護に関する困りごと相談のほかに、成年後見やマイケアプランについても支援していきたいと思っています。

まだ、立ち上げたばかりで、思いだけが先行していますが。
少しずつ進んで行ければと思っています。
一緒に歩いてくれる仲間も募集中!
興味がある方は、右上にある「メール送信」から、ご連絡ください。

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