認知症になっても安心して暮らせるまちづくり

福祉のまちづくりへの第一歩〜東郷町の和合ヶ丘で、支え合いマップづくりがスタート

福祉のまちづくりへの第一歩〜東郷町の和合ヶ丘で、支え合いマップづくりがスタート
東郷町でも、もっとも高齢化が進んでいる和合ヶ丘で、自治会による「支え合いマップづくり」への取り組みが始まりました。

今日は、支え合いマップのイメージをつかみ、何のために行うかを地域のみんなで勉強するために、支え合いマップづくりをすでに行っている安城市から、社会福祉協議会の担当者と、城南町内会・城南長福祉委員会の会長さんを招いての講演会が行われました。

会場となった和合ヶ丘集会場には、50人近い住民が集ました。
また東郷町社協の松下さんと、東郷町役場のくらし協働課の職員も参加。
地域で困っている人をどうやって見つけ、どう地域の人々で支援していくのかについて、安城市の城南町内会の取り組みを聞きました。

支え合いマップとは、50世帯までくらいの小さい単位ごとに、気のなる人がいる家や、周囲との交流状況などを住宅地図に書き込み、高齢者の支援に生かそうというものです。
城南町内会の場合は、町内を20〜25世帯のブロックに分けて、支え合いマップづくりを行ったそうです。

資料として配布された新聞記事に、支え合いマップづくりの概要が載っていたので、以下に転載します。

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地域で支え合いマップ
町内会など作成

 町内会などで「支え合いマップ」を作るケースが目立ってきた。近所づきあいなどの情報を書き込んで作る地図だ。地域のネットワークを再確認し、1人暮らしの高齢者のサポートなど福祉に役立てるのが狙いという。

 2月中旬の午後。愛知県安城市城南町の公民館に、町内会や子ども会の役員ら地域の世話役が集まった。「支え合いマップ」に新たな情報を加えるためだ。年代は三十代から七十代まで幅広い。
 「この1人暮らしのAさんは、よく見かける?」「朝日を拝みに自転車をこいでるのを毎朝、見かけるわ」城南町内会の藤野千秋会長(67)ら参加者同士で、お互いの情報を交換し、マジックで色分けしながら地図に書き込んでいく。住民の状況によっては、町内のイベントの際に声をかけようかなどとも話し合う。

 地域の見守りや支援活動を担うキーマンらの間で、サポートが必要そうな人の情報を確認、共有するのに役立つのがマップ作りだ。支援が届いていない人の有無なども確認でき、地域の課題が実感できる。
 作り方は様々だが、長年マップ作りを提唱し、この日も進行役を務めた住民流福祉総合研究所所長、木原孝久しさんによると、コツは五十世帯程度の単位で作ること。「どの地域にも世話好きの人がいるが、その人の目が届くのは五十世帯程度が限界」だからだ。
 具体的なイメージを図に示した。気になる人がいる家に印をつけ、周囲との交流状況などを書き込んでいく。あくまで関係者限定の情報。外部に出ないよう管理は徹底する必要がある。
 城南町内会の場合、安城市社会福祉協議会の呼びかけで2007年からマップ作りに取り組んできた。例えば、認知症のお年寄りへの対応で成果が出ている。地域の世話役の間で情報が共有でき、1人で外を歩いていたら付き添うようになった。家族の了解が得られた場合には、近隣の商店などにチラシを配り、世話役や家族に連絡してもらえるようにもした。

 子どものために活用する例もある。愛知県安城市内の「マンションママの会」は、小中学生の子どもを持つ30〜40代の母親たちが2008年、立ち上げた交流組織だ。
 子どもだけで家にいるときに東海地震が起きても、すぐ顔見知りに助けを求められるようにという防災の観点からスタート。約50戸のマンションでマップを作った。
 災害時の要援護者の避難支援マップ作りにも応用できるなど、可能性は広がりそうだ。

(日本経済新聞 2009年2月20日 夕刊)
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城南町内会の会長さんの話は、具体的でとても学ぶところが多かったのですが、くわしい報告は明日にしますね。

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若年性認知症の方への就労支援〜「要介護」という存在から、働く「職員」へ

65歳未満で発症する認知症(若年性認知症)の問題は、このブログでも何度か取り上げていますが、今日の朝日新聞に就労に関する注目記事が載っていました。

大分市のデイサービス「なでしこ横丁」に、「要介護1」で通っていた若年性認知症の足立さんが、職員として雇用されるという記事。
この足立さんの挑戦について、「なでしこ横町」の施設長が報告する講演を昨年12月に聞いていたので、とうとう職員として働けるようになったんだと、胸が熱くなる思いです。

認知症を患いながらも、仕事がしたいとデイサービスに通いながら、懸命に就労のための訓練に励んだ足立さんも素晴らしいですが、足立さんの「仕事をしたい」という思いをかなえようと、デイサービスの枠を飛び越えて就労支援した施設長もすごい!
「介護される存在」から「働く職員」になる。
こうした試みを、日本全国でできるように応援したいです。

以下、記事を転載します。(ホームページに掲載されていなかったので、手入力しました)

----------------------(ここから引用です)--------------------

若年性認知症 施設で訓練中の足立さん
「要介護」から職員へ

 「毎日、仕事が楽しい」。2007年に「患者を生きる・認知症編」で登場した、大分市の若年性認知症の足立昭一さん(61)が近く、介護施設のデイサービス職員として働き始める。働き盛りで発症することが多い若年性認知症の人は、仕事をしたいと切実に望んでいるが、支援する制度はまだ整っていない。

「失敗経験よくわかる」

 「はーい、バンザイして。マンザイじゃないよ」
 足立さんはジョークを飛ばしながら、車いすの男性が服を脱ぐのを手伝い。大分市の介護施設「なでしこ横丁」。足立さんは週2回、デイサービス利用者として通う。働くという目標に向けた機能訓練のメニューとして、施設職員と2人1組で入浴介助などの仕事に携わっている。
 「体をふいて」と職員からタオルを差し出されても認識できず、ドライヤーを渡されてまごつく場面もある。ふとわからなくなる、忘れるといった病気の特性から、お茶入れや掃除などは苦手だ。
 半面、人との対話能力が高く、面倒見がいいので、うつむいているお年寄りがいれば「どうしたの」と声をかけ、話し相手になる。「認知症だとたくさんの失敗をするから、お年寄りだって落ち込む。その気持ちは、自分も認知症だからよくわかる」と足立さんは言う。
 施設長の吉川浩之さんは、「職員は、その人のできない面ばかり見てしまい、必要な支援を忘れているのではないか。足立さんの存在で、利用者本位のケアを考える力が職員についた」と話す。
 市職員だった足立さんは2006年、57歳でアルツハイマー型認知症と診断され退職。事務は難しく、車も運転できないが、体力はあり、働きたい意欲が強かった。再就職先を探しに障害者職業センターに行ったが、職業能力評価の段階で「働くのは無理」と言われた。農作業を手伝った時期もあるが、そばに指示する人がついていないと作業は難しいことがわかった。
 「なでしこ」に通い始めたのは昨年11月から。月曜と火曜にやってきて、他の利用者の入浴介助や送迎、ゴミ捨てなどをする。職員が常に見守る必要があるが、月曜日にできたことは火曜日もできることが多く、訓練効果もある。
 「私にはフリーの日がないんですよ」と足立さんは苦笑いする。「でも、よかった、ありがとう、と喜ばれるのがうれしいし、やりがいを感じる」。妻の由美子さん(51)は「本人が生き生きすることで家族も気持ちがいい。うちは子どもがいないが、経済的に困る家族も多いはずで、認知症でも働ける可能性を切り開きたい」と話す。
 足立さんは要介護1で、これまでは「仕事」をしていても、デイサービス利用者として利用料を払っていた。吉川さんは、足立さんの仕事ぶりから十分働けると考え、今月中にも雇用契約を結ぶことにした。
 ただし、病気は進行する可能性があるため、独自の評価項目で足立さんの仕事を毎回評価し、作業が難しくなれば、再びデイサービス利用者に戻ってもらう。そのうえで、どう援助すれば仕事ができるようになるか、職員と一緒に模索する予定だという。
 吉川さんは「認知症の症状は人によって違うし、慣れた環境で、慣れた支援者がそばにいることが大事。でも今の就労支援の制度はどれもぴたりとはまらない。だから、介護事業所で雇用するモデルを示したい」と話す。

就労支援 手探り段階

 65歳未満で発症する認知症を若年性認知症といい、厚生労働省は全国に約3万8千人いると推計する。現役の50代で発症することが多く、就労支援は大きな課題だ。
 認知症は障害認定の対象で、障害福祉サービスの中には、職業訓練や、職場に支援者(ジョブコーチ)を派遣するなどの就労支援メニューがある。認知症の症状や進行は人それぞれで、個別対応が必要だが、適切な支援があれば一定の仕事ができる可能性がある。そこで国は昨年、若年性認知症の人の就労支援に医療や福祉、ハローワークなどでネットワークを作り、障害福祉サービスを活用するよう求める通知を出している。
 だが、実際には障害福祉分野に認知症ケアのノウハウは乏しく、介護分野で試行錯誤しているのが現実だ。
 東京日野市の「グループホームきずな」は、2007、2008年度、東京都の認知症支援拠点モデル事業として、「就労型デイ」を試行した。公募した12人それぞれの人生を聞き、主婦には和裁、元菓子職人には包丁とぎ、元大工には木工製品の修理といった「仕事」を担ってもらった。報酬は昼食の提供。
 本村雄一所長は「病状が進行する人もいて、真の就労は難しい。でもニーズはあり、生きがいにもつながり、手ごたえを感じている」と話す。今春からボランティアらが支援する形で再開した。
 東京都新宿区のNPO法人若年性認知症社会参加支援センター「ジョイント」では、2007年から、若年性認知症の人が週2回「出勤」してきて、近くの公園の掃除や、手工芸品の制作などの「仕事」に携わっている。
 所長で作業療法士の比留間ちづ子さんは、「仕事というチャレンジできる場の確保が大事。病状にのみ込まれることを阻止し、本人の自立支援につながる」と話す。結果として対価を得るに越したことはないが、稼ぐことが目的ではない。また、そばで支える人の存在が欠かせない。
 「介護サービスでも障害福祉でも就労支援でもない。若年性認知症に特化した個別対応が必要だが、抜け落ちてしまっている」と比留間さんは言う。

(朝日新聞/2010年4月15日朝刊)
---------------------(引用ここまでです)-----------------------

だれにとっても、働くことは権利です。
なんらかの障がいがあっても、認知症を患っていても、年を取っても、
働きたいという思いのある人には、仕事ができるように寄り添って支援していく仕組みがほしいと思います。

記事は若年性認知症の方の就労支援でしたが、若年性認知症でなくても、たとえば介護施設に入っているお年寄りで、ちょっとした仕事(内職など)がしたいと望んでいる人はいるのではないでしょうか。

与えられるだけの存在から、与えることができる存在へ。
就労支援がそのキーワードになるのかもしれません。
介護される存在から働く人に
介護の場でも、就労支援について考えていきたいと思います。

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認知症になっても自由に外出するために〜見守りネットワークの試み

認知症の介護で問題になるのが、ひとりで外に出て行って帰って来れないという状態です。

認知症の症状として、今いる場所がわからなくなるために、家に戻れなくなってしまうのですが、認知症の方が外出して行方不明になった場合に、少しでも早く見つける仕組み作りが求められています。

大府市では、認知症で行方が分からなくなった高齢者情報をインターネットのメールマガジンで配信する「おおぶ・あったか見守りネット」を始めています。
メルマガで認知症の方の行方不明情報を流し、その捜索を市民に依頼するという取り組み。
メルマガでは、その他に、高齢者への悪質商法などの情報なども流しているということです。

おおぶ・あったか見守りネット
http://www.city.obu.aichi.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=7690

------------------------(ここから引用です)-----------------

おおぶ・あったか見守りネットとは
「おおぶ・あったか見守りネット」は、認知症の方やひとり暮らし高齢者など、地域で困っている方を支援するため、様々な情報を配信するメールマガジンです。
認知症サポーターの方、福祉・介護・医療等の事業所に勤務している方、地域福祉に興味のある方など、誰でも会員登録をすることができます。

配信する情報
主に次の情報を配信します。できる範囲で結構ですので、ご協力をお願いします。
認知症関連研修会案内/保健・介護・福祉関係の講座案内/詐欺・悪質商法情報/徘徊者捜索の協力依頼/ボランティア募集

--------------------------(引用ここまでです)--------------------------

明日、大府市役所に行って、詳しい内容を聞き取りしてくる予定です。
戻り次第、ブログで報告しますね。

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本人の自己決定をどう尊重するか〜権利擁護について考える

本人の自己決定をどう尊重するか〜権利擁護について考える
今日の午後、東郷町民会館で、権利擁護セミナーが行われました。
(写真は、第1部の新信聡弁護士の講演のようす)

権利擁護という固いテーマで、どれだけ人が集まるか、ちょっと心配だったのですが。
会場が満員になる盛況となりました。
長生きをする社会となり、老いてのちの権利擁護について関心の高い人が多かったのだろうと思います。

第1部では、愛知県社会福祉協議会の横山明泰氏による基調説明と、弁護士の新信聡氏による「法律家から見た権利擁護の10年」というテーマでの講演が。
第2部では、「今後の地域での安心した暮らしについて〜それぞれの福祉サービスの現場からの報告を通して」と題したシンポジウムが行われました。

とりわけ興味深かったのは、シンポジウムで語られた現場からの具体的な問題提起。
老人保健施設の相談員を行い、いままでに1000人以上の家族からの相談にのってきた川端さんは、家族による年金搾取による問題を語りました。

具体例として2例あげられたので、以下に紹介しますね。
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(例1)要介護5でまったく意思表示できないAさんの場合
Aさんの年金は、息子が管理し、施設の利用料を支払ってきていた。
ところが息子が失業し、利用料の支払いがストップ。
世帯分離で月10万だった利用料を7万に減額できたが、それでも支払いは滞る。
息子は再就職したものの、現在100万円弱の未収金が発生している。
契約書には「3ヶ月以上滞納したら、契約を解除する」と記されているが、介護力のない家庭に寝たきりのAさんを返して、命が維持できるかと考えると、心情的に退所してもらえない。
親の年金をあてにする家族が増えてきたら、施設は未収金をかかえてどうなるのだろうか。

(例2)要介護2で認知症のBさんの場合
夫が年金を担保に借金をしたということで、施設の利用料の支払いがストップした。
その後、夫も息子も亡くなり、収入がなくなったために、行政に相談。
遺族年金の手続きをして、滞納金はなくなり、利用料の支払いもできるようになった。
Bさんは特別養護老人ホームへの入所を希望していたが、夫も息子もなくなり、身元保証人がいなくなったために、特養に入所できない。
現在、金銭管理は施設が行っているが、成年後見の申し立てをして、後見人による金銭管理に切り替える必要があるのだろうか。
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また、ケアマネジャーの野中さんからは、1人暮らしの認知症の方の問題について話がありました。
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○1人暮らしで認知症のOさんの場合
過去の家族関係からか、娘は行方不明、息子は連絡を拒否しており、家族の援助も相談もできない状況。ケアマネジャーとして支援してきたが、本人が認知症で意思決定できないのに、家族も意思決定する状況になく、だれが決定すべきか疑問。
また持病があり病院に通うが、医師の説明を本人が理解できず、服薬や日常の健康管理もままならない。必要のないものを売りつけられるなど、消費者被害もあり、病院に入院するのも、デイサービスも、身元保証人を求められて困っている。
ケアマネとしてほっておけずに、手助けしているが、どこまでがケアマネの仕事の範囲なのか、よくわからなくなる。
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現場からの問題提起から明らかになったのは
○家族による年金の搾取
○成年後見が必要な1人暮らしの認知症高齢者が増加しているのに、家族が成年後見の申立人にならず、行政も町長申し立てしてをして支援しようという姿勢がない(行政の役割が後退している)
という点です。

地域のネットワーク化が大切という漠然とした方向性は示されましたが、今、困っている人を具体的にどう助けたらいいのか。
まったなしの状況が明らかになったと思います。

コーディネーターの新信弁護士からは、「社会福祉協議会による法人後見を検討すべきではないか」という示唆がありましたが、東郷町社協も、行政も、今すぐに行動に移すべきだと思います。
一部の良心的な施設や、親切なケアマネジャーに頼っていては、対処できない現状がある。
大きな宿題をいただいたセミナーでした。

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認知症の人には「笑顔(えがお)」を

毎日新聞社と(財)認知症予防財団など主催のシンポジウム「認知症にどう対応するか」が、広島と奈良で行われました。
このシンポジウムについて、毎日新聞のホームページに掲載されていた記事の中に、若年性認知症の家族からの発言が載っていました。

以下に、抜粋します。

----------------------(ここから引用です)-----------------------

広島会場・パネルディスカッション発言
 ◆若年性アルツハイマー病との闘い

◇「笑顔で一緒」支えに-
-社団法人認知症の人と家族の会広島県支部・松本恭子氏

今から8年前のことです。
私の夫は「若年性アルツハイマー病の疑いがある」と診断されました。
52歳の働き盛りでした。
当初は単なる物忘れ程度と軽く考え治療にもかからず、本人も医師の診断を嫌がっていたので、放ったらかしにしていました。

忘れもしません。
その4年前のお盆も過ぎた8月下旬、私が会社から呼び出され辞職勧告を受けたのです。
大手通信社に勤務していた夫の職場では、パスワードをいつも忘れる人、パソコンを開けない人、仕事を監視していないといけない人、といったレッテルを張られていたようです。

そのうち、買い物を頼んでも計算ができず、何を買うのかも忘れて店内をうろつく。
そんなことは近所にも知られたくないし、見られるのが嫌でした。
本人が一番つらかったと思います。
シャンプーの容器に「髪を洗うもの」と書いたり、家から出ると行き先を間違える。
「分からないこと」や「できないこと」をごまかし、隠そうとしていました。
夫が仕事を辞めて家でじっとしていることを隣の人にも隠し続けていました。

この時期、私の75歳になる母が夫の病気を知り、慌てふためいて電話をかけてきました。
「照道さんがこんな病気にかかってかわいそうだが、あんたもかわいそう。4年間もよう黙っていたね。まだ勤めているとばっかり思うとった。あんたが頑張らんといかん」と、涙声で励ましてくれました。

確定診断から2年後に認知症の権威である専門医と出会い、生き方が変わりました。
認知症は治る見通しがありません。
今できることを見つけて喜びを分かち合おうと思い立ち、私は「認知症の家族」との公表を決意しました。
症状が日々進行、毎日が真剣勝負でした。

それをきっかけに、みんなが見守ってくれ、近所の人は釣りや山登りにも誘ってくれるようになりました。
地域のつながりの大切さを学んだ瞬間です。

目の不自由な人には点字があります。
耳の聞こえない人には手話があります。
では皆さん、認知症の人には何が必要か分かりますか。
答えは「笑顔」です。

「心配ないよ」と笑顔でサポートすることが大切です。
認知症の人は笑顔を通し心と触れ合っているのです。

あいさつをする、話を聞いてあげる。
うなずいてあげる、時には新しい発見や感動があります。
食事をするのも、出かけるのも、特別なことではありません。
「何かを一緒にする」、そんなことが大きな支えになるのです。
夫が要介護4の今、この病気の理解を社会と教育現場に広めたいと考えています。

(※太字は山下がつけました)
------------------------(引用ここまでです)------------------

東郷町と三好町の2町合同で、認知症の理解をまちに広めるための講師役を育てる「認知症キャラバンメイト養成講座」がありました。
先日、その卒業生の有志で結成したのが、「認知症を地域で支える応援団〜えがお」です。

認知症の方と接する時に、一番大切なのは「えがお」。
えがおが町中にあふれ、認知症になってもえがおで暮らせる。
そんなまちにしていきたいという思いから、会の名前を「えがお」としました。

えがおを通じて、心と心が触れ合える。
そんな活動をしていきたいと思っています。

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なぜ認知症はみんなにわかってもらえないのか

なぜ認知症はみんなにわかってもらえないのか
若年性認知症を知るセミナーに、参加しました。
(写真は、国立長寿医療センターの鷲見幸彦先生の講演の様子)

このセミナーは、認知症介護研究・研修大府センターが開催したもの。
大府センターは、厚生労働省から「若年性認知症」の研究施設に指定され、先月から若年性認知症専用の無料電話相談も行っています。

セミナーでは、最初に、国立長寿医療センター外来診療部長の鷲見幸彦先生から、「若年性認知症の医学的理解」と題した講演がありました。
講演の中で一番印象に残ったのが、「なぜ認知症はみんなにわかってもらえないのだろうか」という話。

認知症は、もの忘れのほかに、実行・遂行障害が起こってきます。
実行・遂行障害とは、ものごとを計画をたてて適切に行うことが難しくなることをいいます。
たとえば、
 1. 買い物ができない
 2. 料理ができない
 3. 入浴ができない
 4. 小銭がうまく使えない
 5. どこへ行くかはわかるが、どのようにしていくかがわからない

買い物や料理は、計画→実行 という手順が複雑で、認知症になるといろいろ支障がおきてきます。
入浴はちょっと意外だったのですが、風呂に入って、どういう順序で体や頭を洗うかは、けっこう複雑な手順のようで、最初は頭が洗えないなどという形で、表れるようです。
(認知症の人が入浴拒否を行うという話はよく聞きますが、鷲見先生によると、入浴ができないということから、拒否につながるのではないかというお話でした)

で、なぜ認知症はみんなにわかってもらいにくいのかというと
能力の落差が激しく、できることとできないことが傍目で見ていて理解しにくいという説明でした。
認知症になっても 、これまで学習・勉強してきたことの記憶は残り、言語の能力も落ちません。
たとえば、15分前のことを忘れるほど物忘れが激しいのに、非常に難しい外国語の論文を読めたりもするそうです。
わたしたちは、通常、これができれば同程度のことはできるはずと判断するため、その落差が理解しにくいのです。
また言語能力は衰えないので、普通に会話をしている分には、認知症だとはなかなか気づかれないことは多いそうです。

しかも、やっかいなのは
認知症の症状は、より身近な人に対して一番強くでる
という特徴とか。
認知症の症状の出方は、相手によって変わります。
ですから、親しい家族や、普段めんどうをみてもらっている家族には、認知症の症状が強くでるのに、他人に対しては症状がでにくいのです。
離れて暮らしている家族が、「認知症だとは思えない」と主張することが多いのは、そのため。
逆にいえば、
だからこそ、家族だけでなく、他人と接した方がいい! のです。
「他人と接する方が、認知症の症状がおさえられ、本人が能力を発揮する。だから、家に閉じこもって家族とだけ過ごしていてはよくない。デイサービスなどを利用する方がいい効果を生む」と、鷲見先生は強調していました。

「認知症は医療だけではどうにもなりません。介護の専門家だけでなく、地域の力も必要です。みんなで連携して支えていきましょう」
という結びの言葉が、心に響きました。

その後、若年性認知症の企業での実態と支援や、医療現場における就労支援、若年性認知症デイケアの試みなどの報告がありました。

50代での再就職が一般に非常に厳しい今、若年性認知症の方が退職して、新たに再就職先を見つけることは困難です。
障害者の授産施設などで働くという選択肢もないわけではありませんが、賃金は月に1〜2万円。
障害者年金と併せても、月10万円がせいぜいという話でした。
働き盛りで、住宅ローンが残っていたり、子どもの養育費がかかるような場合は、経済的には仕事を辞めないという選択しかできないこともあるのだと実感しました。

職場での支援は、精神障がいに対する支援制度を使うことになるため、若年性認知症と診断されたら、精神障害者保健福祉手帳を申請することが重要だという話でした。

若年性認知症への支援体制は、まだ十分に整っていません。
わたしたちも、「若くても認知症になる」ということをきちんと理解し、地域で支えていけるように考えていかなくてはと思います。

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若年性認知症をどう支えたらいいのか

映画『明日の記憶』で、渡辺謙が演じた、若年性認知症の主人公の苦悩と希望。
子育て真っ盛りだったり、働き盛りでなる若年性認知症の問題は、決してひとごとではないと思います。

11/18の朝日新聞の天声人語に、若年性認知症が取り上げられていました。
以下に転記します。

-------------------------(ここから引用です)----------------------
【天声人語】2009年11月18日

私鉄駅のエスカレーターに親子連れがいた。
母の尻ポケットからのぞく異物を男児は見逃さなかった。
「なんでチャンネル持ってきたの?」。
お母さんは「もうやだ。なんでなの」と、リモコンを同伴した己を責めた。
誰にでもある「うっかり」の多くは笑い話で済む。

だがそれは、不注意ではなく長い闘いの兆しかもしれない。
冷蔵庫に何度も空の食器が入っているーーー。
群馬県議会議員の大沢幸一さん(66)は6年前、妻正子さん(60)の異変を確信した。
若年性アルツハイマー病だった。

過日、横浜市であった認知症ケアのシンポジウムで、大沢さんにお会いした。
生命倫理学会の公開行事だ。
「共倒れにならないよう、妻には笑い薬を与えています」という壇上の発言が心に残った。

寝る前、おどける夫に笑ってくれれば、妻も自分も安眠できる。
反応で症状の進行もわかる。
そして、怒らない、ダメと言わない、押しつけないの三原則を自らに課す。
最愛の人の尊厳、誰が傷つけられようか。

認知症は人格が崩れ、やがては抜け殻となると思われがちだ。
しかし、シンポを企画した内科医の箕岡真子さんは語る。
「抜け殻論を乗り越え、患者ではなく一人の生活者として接したい。以前とは違うけれど、その人は感じ、欲し、つながっていたいのです」

人格は失われず、隠されていくと考えたい。
情緒はむしろ研ぎ澄まされるとも聞いた。
介護の技術に倫理や共感の視点を採り入れることで、本人と家族の「人生の質」を少しでも保てないか。
高齢化が問う、重い宿題である。

----------------------------(引用はここまでです)------------------------

明日、あさっての二日間。
若年性認知症を知るセミナーが、名駅の愛知県産業労働センターで開催されます。
わたしも参加して、学んできたいと思っています。
内容については、明日、報告しますね。

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若年性認知症を知るセミナー

日時/平成21年11月27日(金)、28日(土)
会場/愛知県産業労働センター

プログラム(各日共通)
 13:30〜14:30 若年性認知症の医学的理解
         講師 鷲見幸彦(国立長寿医療センター外来診療部長)

 14:40〜15:10 企業内での若年性認知症の実態と支援
         講師 鈴木亮子(認知症介護研究・研修大府センター研究員)

 15:40〜16:10 若年性認知症デイケアの試み
         講師 長屋政博(介護老人保健施設ルミナス大府施設長)

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若年性認知症を支える愛知県での取り組み〜本人交流会「元気かい」

若年性認知症への支援のヒントをもらおうと、10月1日から始まった「若年性認知症無料電話相談」を実施している、認知症介護研究・研修大府センターに行ってきました。
(「若年性認知症の無料相談電話がスタート」もご参照ください)

無料電話相談には、全国から相談が寄せられ、今月の1日に始まってから今日(10/23)までに、約300件の相談があったそうです。
驚いたのは、若年性認知症(かもしれない)本人からの相談が、3分の1を占めていたということ。
もちろん、その全員が若年性認知症というわけではなく、過剰に心配して電話をしてきた人も入っているのですが、大府センターのスタッフも「予想以上に本人からの相談件数が多かった」と話していました。

若年性認知症への支援の取り組みは、まだまだ始まったばかりで、足りないことがたくさんあるのですが、本人の思いや願いを聞く取り組み(本人交流会)が各地でスタートしています。

愛知県では、2008年から、認知症介護研究・研修大府センターと認知症の人と家族の会・愛知県支部との共催で、若年性認知症の本人と家族の交流会が始っています。
会場は、東海市しあわせ村。
軽度の人を対象に、毎月、第2土曜日の午後1時半〜4時に行われています。
これからの予定は、認知症の人と家族の会・愛知県支部ホームページ
http://www.hearttoheart.or.jp/kazoku/ に掲載されています。

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元気かい(若年認知症交流会) ご本人・ご家族対象
12月12日(土) 13:30~16:00
 2月13日(土) 13:30~16:00
 3月13日(土) 13:30~16:00
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認知症の人を支えるためには、ご本人の思いをよく聞くことが何より大切だと思います。
またご本人にとっても、同じ病気と闘っている仲間と交流することは大きな支援につながります。

本人交流会の取り組みが、もっと身近な地域で広がるようにしていければと思います。

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若年性認知症の無料相談電話がスタート

65歳未満で発症する若年性認知症の本人や家族を支えようと、愛知県大府市の認知症介護研究・研修大府センターで、「若年性認知症無料電話相談」が始まりました。

-------------------------(ここから引用)-----------------------
「若年性認知症」無料の電話相談
大府でスタート

65歳未満の「若年性認知症」に対する無料電話相談が10月1日、始まった。
全国唯一で、愛知県大府市の認知症介護研究・研修大府センターに設けられたコールセンターで専門の相談員が対応する。

厚生労働省の委託事業。
若年性認知症の場合、患者が一家の大黒柱だったり、親の介護をしていたりする世代が多く、家族への負担も大きい。
コールセンターでは本人、家族、職場や地域の人からの相談を想定。
最適な診察機関や利用できる介護保険制度などを紹介する。
相談員は看護師、社会福祉士らで3ヶ月の訓練を積んできた。

利用は月曜から土曜日(祝日、年末年始を除く)の午前10時から午後3時まで、コールセンター=電話0800-100-2707=へ。

(中日新聞/2009年10月2日)
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若年性認知症は、全国で現在、約3万8千人の患者がいると推計されています。

NHKのニュースによると、若年性認知症コールセンターには3台の電話が据えられ、初日の1日だけで、全国から240件を超える電話があったとか。
相談窓口が公的に設置されたことは、支援の第一歩ですが、各地に受け皿となる支援体制が作られていなければ、実効性のある解決策に結びつくか難しいところがあります。

若年性認知症は、発症年齢が若いということだけで、通常の認知症と医学的には同じとされていますが、子どもがまだ小さな働き盛りに発症することから、高齢者の認知症とは違う支援が必要になります。

どんな問題があるのか、把握するために、厚生労働省や東京都が調査を行っています。

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若年性認知症、推計3万7800人…厚労省研究班調査

新年度から本格支援
65歳未満の現役世代が発症する若年性認知症の人が全国で推計3万7800人に上ることが19日、厚生労働省研究班の調査でわかった。

若年性は働き盛りなどに発症するため、失業や経済的困難に結びつくことが多い。
同省は新年度から、各地に支援担当者を配置するほか、就労支援や相談窓口の開設などに力をいれていく方針。

調査は2006~08年度に、茨城、群馬、富山、愛媛、熊本県で実施した。
認知症の人が利用する可能性がある医療機関など約1万2000か所に、患者の有無や病名などを尋ねたほか、介護者の家族会に生活実態などを聞いた。

5県で把握された人数は、約2000人。
これをもとに全国では約3万7800人と推計した。
1996年度の前回調査では、約2万5600人~約3万7400人と推計されていた。

18~64歳の人口10万人あたりで見ると、男性が57・8人、女性が36・7人。
推定発症年齢は、男性が平均51・1歳、女性が同51・6歳だった。
原因は、脳血管性認知症が39・8%と最も多く、アルツハイマー病(25・4%)、頭部外傷の後遺症(7・7%)がそれに続いた。

若年性認知症の人を介護する87家族に生活実態を聞いたところ、介護者の約6割が抑うつ状態と判断されたほか、約7割の家族で収入が減っていた。

(2009年3月20日 読売新聞)
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東京都が実施した「東京都若年性認知症生活実態調査」の概要は、こちら。
 東京都若年性認知症生活実態調査の結果(概要)
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/10/DATA/60iag100.pdf

上記の調査によると、
若年性認知症だと気づくきっかけになった本人の変化は
日常生活で
①新しいことを覚えられなかったり、少し前のことを忘れるようになった(76.1%)
②考えるスピードが遅くなったり、同時に2つ以上のことを考えられなくなった(41.3%)
③電話の応対ができなくなった(39.1%)
④同じものを買ってくるようになった(39.1%)
⑤買い物で料金が払えなくなった(30.4%)
⑥親戚や友人などが、様子がおかしいと連絡があった(26.1%)
⑦同じ料理を作るようになった(17.4%)

勤め先で・その他
①勤務先から様子がおかしいと連絡があった(19.6%)
②伝票など書類の処理ができなくなった、計算ができなくなった(13.0%)
③打ち合わせなどに来ないことがあった(10.9%)
④本人が対応して、取引先などから苦情がきた(8.7%)

調査結果を見て一番驚いたのは、若年性認知症になる年齢。
推定発症年齢は、男性が平均51・1歳、女性が同51・6歳
というから、45歳のわたしも、いつ発症してもおかしくない。
40代や50代で認知症になると、本人も家族もかなりのショックを受けるだろうと思います。

若年性認知症は進行度合いが高齢者に比べて早いと言われていますが、心理的なショックの大きさや、突然、仕事や居場所を失ってしまうことによるストレスの激しさから、認知症の進行が激しくなっているのではないかと推測しています。

本人や家族を、どう地域で支えていくのか、真剣に考えていかなければと思っています。

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認認介護の悲劇を周囲の気づきで防ぐ

高齢者のみの世帯が増える中、介護する側もされる側も認知症という「認認介護」が増えてきている。
昨日の中日新聞でも、認認介護の問題を取り上げていた。

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介護者の認知症 周囲の早い気づきで長く一緒の生活を

高齢者世帯の「老老介護」が増える中、介護者自身が認知症を発症してしまうケースが増えてきた。
世話をする側もされる側も認知症という「認認介護」もしばしば見られる。
介護者は自分の問題を認めない傾向が強く、周囲の早い気づきが大切だ。

愛知県内の有料老人ホーム。
入居したばかりの老夫婦が、ホームの職員や娘夫婦と一緒に生活の打ち合わせをしていた。

八十代の夫は、心臓疾患などで車いすの身。
長年介護してきた妻は、スタッフたちと笑顔であいさつをしたり、席を勧めたり…。
家事を一手に支えてきたしっかり者の妻だが、認知症が進行している。

「五、六年前から、あれ? 何かおかしいね、って感じになってきたんです。同じ食材をたくさん買って冷蔵庫がいっぱいになったり、味付けが変になったり…」と娘。
本人には、認知症の自覚は今もない。
在宅介護サービスを受け、娘が約一時間かけて世話に通うなどしてやりくりしてきたが、火の始末も難しくなり、夫と娘が説得して入居を決めた。
      ◇
厚生労働省の国民生活基礎調査(二〇〇八年)によれば、六十五歳以上の高齢者だけで暮らす世帯は、九百二十三万七千世帯と、二十年間で約三倍に増えた。
また、家族で介護をする世帯のうち34%は介護者が七十歳以上だ。

同県東海市で在宅医療に携わる内科伊藤医院の伊藤光保院長は「介護者の認知症は、五年ほど前からよく見聞きするようになった。介護される人の栄養面で問題が出たり、褥瘡(じょくそう)ができやすくなったり、薬の管理が難しくなりがち。でも、本人は『自分でやれる』とヘルパーを入れるのに抵抗したりする」と話す。

介護サービスを受けることに了解が得られた場合でも、認知症対応のグループホームは夫婦での入所は難しい。
デイサービスや短期入所、在宅介護などを組み合わせた小規模多機能ホームは、夫婦での短期入所など融通が利きやすいが数が足りない。
有料老人ホームは経済的に余裕のある夫婦に限られる。
要介護の人を施設入所させ、介護者に在宅サービスを提供するなど、夫婦を切り離すケースが多いという。

認知症の専門医で国立長寿医療センター包括診療部長の遠藤英俊医師によれば、認知症患者が通院するうちに配偶者も認知症になるケースは10%程度あり、「認認介護」が珍しくはないことをうかがわせる。

援助のポイントは「息子、娘」と「ケアマネジャー」。
別居の両親を気遣い、状況を理解して、介護サービスを受けるように勧めるのが子どもの役目。
ケアマネジャーは、部屋が汚れている、世話がおろそかになったといった変化を察知し、認知症を早期発見することが求められる。

「夫婦を施設と在宅に分けたりすると、両方とも悪化してしまうことが多い。一日でも長く二人一緒に暮らせるように、介護者の負担を減らし、家族や地域の協力を高めていくことが大切」と呼び掛ける。

また、介護者がサービスを拒絶する問題について、高齢者の権利擁護に詳しい矢野和雄弁護士(名古屋市)は「以前なら行政が強制的に措置していたケースでも、介護保険制度の中では、本人が申請をしないとサービスが受けられない」と指摘。
「地域包括支援センターがもっと力を発揮して、本人任せにしない体制をつくることを考えていく必要がある。後見人が意思決定を代行する成年後見制度も、活用してほしい」と話す。

中日新聞Web 2009年9月17日
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認認介護は、食事がきちんと摂れないなど不適切な介護につながったり、時に虐待やふたりで孤独死という最悪の結果を招くことがある。

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認知症妻が認知症夫を殺害 「認認介護」が突きつける現実
http://www.j-cast.com/tv/2009/03/04037059.html

仲がよいことで知られていた富山県のある夫婦。夫が認知症となり、妻は献身的に介護していたが、自分も認知症になってしまった。症状は悪化し、近所の人の話では、日時や曜日の感覚もなくなってしまっていた。そんな妻はオムツを替えるのを嫌がる夫を叩き続けて、死なせてしまった。しかし、本人は叩いたことを覚えておらず、なぜ夫が死んだのかも理解できない状態だという。

認認介護 という言葉を知っていますか?
http://www.news.janjan.jp/living/0811/0811191899/1.php

現在、団地の棟の管理をしているが、今年の8月の猛暑時、かねてからご夫婦とも軽い認知症なのかなと思っていたが、そのお宅の向いに住んでいる方から「奥さんの様子がおかしい」との連絡があった。行ってみると、言動に脈絡がないため、救急車を呼んだ方がいいと判断し、通報した。確認のため、なんとか説得し、室内に入ってみると、既にご主人は亡くなっていた。
不審死として司法解剖。所轄署からすぐに連絡があり、「死後3日」で「あまりに何もなさ過ぎ、室内がきれい過ぎるのが不思議だ」と刑事の話。実際、冷蔵庫の冷凍室にアイスキャンデーが1本あるだけだった。奥様もその間、水以外何も摂っていなかったようだ。
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認認介護の問題は、NHKも何度かとりあげていた。
ゲストとして招かれた永田久美子(認知症介護研究・研修東京センター主任研究主幹)さんが、「認認状態では、お互いの認知症の進行で、生活状況が急変(悪化)してしまう。自分から適切なSOSも出せない」と問題を指摘していた。

団地の管理人が異変に気づいたケースでは、残された妻は急激な精神的ショックで食べることを忘れ、健康状態も体力も落ちたことで一層、認知症が進行したとのことだが、なんとかグループホームでケアを受けているとか。
でも、気づかなければ、ふたりで孤独死に至る可能性もあったわけで、周囲が早く気づくことがどんなに大切かが胸に迫る。

認知症サポーターの養成講座はあちこちで開かれ、全国で100万人の目標も達成されたが、認知症のことを知ったサポーターが、なにをするかという第2段階に早くうつる必要があると思う。
自分たちのまわりの認知症の方々に気づき、危険な状態になる前に、地域包括支援センターにつなげる体制をつくらないと、大変なことになるかもしれない。

認認介護は、もはや珍しくない。
身近な場所で介護をめぐる悲劇がおこる前に、できることから始めなければと思う。

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