終のすみかの探し方

病院でなく在宅で死ねるか

病院でなく在宅で死ねるか
11月15日に開催された「新たな在宅療養支援〜地域介護の再生のために〜」に参加しました。

在宅療養支援診療所で、在宅医療を支える医師たちなどが主催したシンポジウム。
国立長寿医療センター総長の大島伸一氏による講演「なぜ在宅医療なのか」や、在宅を支えるネットワークを作っている現場の人たちがパネラーをつとめてのパネルディスカッションなどが行われました。

中でも、一番印象に残ったのが、パネルディスカッションで会場から手を挙げて発言された、医師の小笠原文先生。岐阜市にある小笠原内科の医師で、在宅医療のパイオニア的存在のような方だそうです。

在宅で1人暮らしのがん患者の看取りを実践しているというお話だったのですが、最後に言われた言葉が胸に残りました。

「ぼくは、在宅医療が楽しいから、在宅医療で患者さんが幸せになるから、在宅医療をやっている。決して、医療費削減のためにやっているわけではない。がんの患者は、緩和医療の病院に入院して、痛い、辛い、苦しいといっている。でも、家に帰ってくると安心して、痛みもとれてしまう。在宅緩和ケアは、やすらか、おおらかは当たり前。おおらかに過ごされ、最後は清らかに旅たたれる」

日本では患者の81%が病院で最後を迎えます。
そんな中で、小笠原先生は、自宅での看取りが9割を超えるという、びっくりするような実績を出されています。

小笠原先生の在宅医療(看取り)については、上野千鶴子さんが最新刊「男おひとりさま道」のP252〜257で書いています。
シンポジウムで小笠原先生にお会いしたのは、本当にたまたまでしたが、こんな医療を実践している医師もいるのだなと驚きました。

制度的には、独居で自宅で死を迎えるには、介護も医療も足りないというのが現実ですが、一部でも在宅死を実践しているという事実には勇気づけられます。
どこで、だれに看取られて死ぬか。
少しでも本人の希望がかなう支援を考えていきたいと思いました。

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コーポラティブ住宅で「老いても安心して暮らせる」地域づくり

昨日の夕刊で見かけた記事に、多摩ニュータウンにできたコーポラティブ住宅のことが紹介されていました。
まずは、その記事の紹介から。

------------------(ここから引用です)-------------------

窓 論説委員室から
 美しき村

東京西部の丘陵に建設されて約40年たつ多摩ニュータウン。
その一角に、この夏完成した6階建てマンションは、子育て世代から高齢の夫婦、単身者まで23世帯の入居者に合わせ、部屋の広さや間取り、内装のイメージが全く異なる。

まず住む人を募り、共同で1千平方メートルの敷地を買い、話し合いながら設計したコーポラティブ住宅だ。
6年かかった。

「現代の長屋です」。
企画したNPO多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議の理事長、秋元孝夫さん(60)はいう。
20年余り前に家族4人でこの街に移り住んだ。
子どもは独立。
高齢化が進むまちで、様々な世代の人が緩やかにつながる仕組みをつくりたかった。

1階の集会室わきには、絵本や昔のおもちゃを置いた小さなギャラリー。
元保育園長の女性が常駐し、近所の子どもたちも出入りする遊びと学びの場にする。

商業テナントは2軒。
クリニックは、午前中だけ開く。
院長の女性医師は平日午後は、お年寄り宅を往診するためだ。
レストランは、元教員の女性が退職金で開業。
産地直送の食材が自慢だ。
料理教室を開いて、住民交流の場にする。
将来は配食サービスも手がけたいという。

住民も経営者も、老いても安心して暮らせる地域にしたいと集まった。

「美しい村など、はじめからあったわけでない。そこに住んでいる人が美しく住もうと思って初めて、美しい村ができるのである」。
柳田国男の言葉を原点に、共生の道を探る。

(2009年9月14日 朝日新聞・夕刊)
--------------------(引用ここまで)---------------------

記事で紹介されているのは、多摩ニュータウンの「永山ハウス(仮称)」のことのようです。
ホームページがありましたので、詳しくはこちらをご覧下さい。
永山ハウス
みんなでつくる・安心の住まいづくりプロジェクト
http://www.machisen.net/nagayama/index.html

ホームページで紹介されていた、永山ハウスのコンセプトは
○コミュニティを支える循環
 様々な世帯と世代のコミュニティの形成
 多様な居住世帯同士の助け合いの育成 など
○建物を支える循環
 NPOなどの協力・支援による建物管理
 月々の維持管理費用の補填・軽減 など
○食を支える循環
 入居者のための食事サービスの提供
 地域の配食サービス拠点としての活用 など
○生活を支える循環
 安否確認や介助などサポート支援
 就労スペースでの職住近接生活の実現 など

老いても安心して暮らせる地域の拠点にという考えが、うかがえます。

そもそも、コーポラティブ住宅とは
そこに住みたい人々が集まって、建設組合をつくり、土地購入に関する契約をし、設計・工事を発注する。「手づくり」の住宅建設の手法をとった住宅のことをいいます。
住まい手が建設段階から主体的にかかわることで、希望にあった設計や間取りの住宅ができ、販売経費が抑えられる利点があります。

終のすみかとして、住み替えを考えた時に、永山ハウスのような老いを支える仕組みを組み入れたコーポラティブ住宅が選べれば、理想的だなと思います。

東郷町にもバリアフリーの賃貸住宅が必要になります。
そして、どんな住宅か、中身が問われます。
各地で模索されている先進事例を学びながら、良い方法を考えていきたいと思います。

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高齢者の居住の安定確保に関する国の方針

高齢者の「終のすみか」を確保するために、国が法律を改正しました。

高齢者の居住の安定確保に関する法律
この第3条第1項の規定に基づき、「高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針」が改正されたと、今日(平成21年8月19日)付の官報に掲載されていました。

長いので、抜粋で紹介しますね。

-------------------------(ここから引用)---------------------
厚生労働省・国土交通省告示第1号

高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針

 我が国においては、高齢化が急速に進行している。現在、高齢者が大幅かつ急速に増加することが見込まれている。これに伴い、介護が必要な高齢者や高齢者単身及び高齢者夫婦のみの世帯等が、今後一層増加していくことが見込まれている。
 住まいは生活の基盤であり、誰にでも訪れる高齢期を安心して迎え、過ごすことができる環境を整備するためには、高齢期に適した住まいの確保が国民的な課題である
 この課題の解決に向けては、高齢社会を、高齢者が豊かな気持ちで生き甲斐を感じつつ暮らせるものとすることがとりわけ重要であり、住み慣れた自宅や地域で暮らし続けたいという高齢者の意思が尊重され、実現できるようにする必要がある
 このため、高齢者の多用なニーズに叶った住宅やサービスを選択できるようにするとともに、高齢者が地域とのつながりをもって生活できる住環境を形成することが求められている。
 これまでも住宅政策においては、住生活基本法に基づき、住宅セーフティネットの構築や住宅のバリアフリー化に係わる施策を展開している。一方、福祉施策においては、老人福祉法に基づく老人ホームの整備や、介護保険法に基づく介護サービス基盤の整備等の施策を展開している。
 しかしながら、高齢者の住まいの問題は、両政策にまたがるものであり、建物という「ハード」とサービスという「ソフト」を一体的にとらえて、国民本位・住民本位の立場から、住宅施策と福祉施策の緊密な連携のもとに取り組む必要がある。
 高齢者世帯は、市場を通じた住宅確保が困難な場合が多いことから、公的な支援により高齢者の居住の安定を確保するとともに、民間の賃貸住宅の一部に見られる入居者拒否等の高齢者の円滑な入居を阻害する要因を解消することにより、住宅セーフティネットを構築していくことが求められている。
 また、持家・借家を問わず、住宅のバリアフリー化は不十分であり、身体機能の低下により、住宅内での事故が増加したり、住宅内での生活が継続できなくなる場合がある。高齢化が進行する中で、高齢者が在宅で安全に日常生活を送ることができるよう、住宅のみならず住環境も含めた地域全体のユニバーサルデザイン化が求められている。
 さらに、介護を必要とする高齢者や単身の高齢者等が安心して日常生活を営むためには、保健医療サービスや福祉サービスを円滑に利用できる環境を整備することが必要であり、要介護者の増大に対応した一定量の施設整備や居住系サービスの充実に加え、在宅サービスの拡充に重点的に力を入れていくことが必要である。このため、住宅政策と福祉政策が連続して、高齢者が身体状況等に応じた望ましい日常生活を営むために必要な保健医療サービスや福祉サービスが付いている高齢者の住まいの整備を進めることが求められている
 在宅で生活し続けたいという高齢者の意思を尊重しつつ、高齢者が安心して暮らし続けることができる社会を実現するためには、以上の課題に対応し、高齢者がその心身の状況に応じて適切な住まいを選択し、必要に応じて住み替えを実現できる環境の整備が求められている。
 このような認識のもと、今後の高齢化の進展に対応した取組みを進めるために、高齢者の居住の安定確保に関する基本的な方針を定める。
(※太字は山下が付けました)

○1.高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標設定を
 地方公共団体は、住宅施策と福祉施策が連携し、医療・福祉サービスの付いている住まいの現状や介護保険の要介護・要支援・特定高齢者の住まいの状況等を把握した上で、高齢者居住生活支援体制の確保された賃貸住宅の供給と老人ホームの供給の目標を設定すること。

○2.高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の促進を
 国及び地方公共団体は、高齢者の居住の安定の確保を図るため、バリアフリー住宅の普及に努め、特に高齢者単身及び高齢者夫婦のみの世帯が居住できるバリアフリー賃貸住宅の戸数拡大を図るために必要な施策を講ずる。

○3.高齢者が入居する賃貸住宅の管理の適正化を
 当該賃貸住宅において高齢者居住生活支援サービスの提供が行われる場合には、当該賃貸住宅に係わる賃貸借契約と当該サービスの提供に係わる契約とを、別個の契約として明確に区分するよう努めるとともに、当該サービスの内容についてあらかじめ明示すること。
 都道府県知事は、登録住宅に関する情報を住宅部局と福祉部局で共有するとともに、有料老人ホームに該当する登録住宅について、有料老人ホームの届出の徹底を図るとともに、適切な運営が確保されるよう指導すること。
 高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者居宅生活支援サービスのうち、例えば介護保険の居宅サービス事業、地域密着型サービス事業などについて、そのサービスの提供を賃貸借契約の条件としないこと。

○市町村の役割
 高齢者の居住の安定確保を図るため、市町村においても、当該市町村の区域内における高齢者の居住の安定の確保に関する計画(市町村の定める高齢者居住安定確保計画)を定めること

------------------------(引用ここまで)--------------------

9月1日から開会する9月議会で、高齢者のバリアフリー住宅推進のために、東郷町でも高齢者居住安定確保計画を策定するように質疑する予定です。
(質疑の下調べのために、国土交通省住宅局住環境整備室に電話で問い合わせて、上で紹介した官報を送ってもらいました)

ともあれ、「住まいの整備」と「医療・福祉」の両方から、高齢者の終のすみかを確保しようという法律ができたのは評価すべきだと思います。
家で暮らせなくなれば介護施設へ、という流れを変えていくためにも、高齢者のすまいの確保について行政が責任を持とうというのは重要なこと。東郷町でも「高齢者のすまいの確保」を考えて計画にとり入れていけるように、9月議会で頑張って質疑します。

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有料老人ホームのボランティア調査スタッフを募集します!

老後の安心のために、「有料老人ホーム」への住み替えを考える人が増えています。

有料老人ホームには介護付きと住宅型があります。
有料老人ホームの名簿は、愛知県高齢福祉課のホームページから、ダウンロードできます。
(現在、公開されているのは、平成21年8月1日現在の一覧表)

もう少し詳しい内容が知りたい場合
介護付き有料老人ホームについては、介護保険法で介護情報の公表が義務づけられていますから。
愛知県 介護サービス情報公表システム のホームページ
http://www.kaigo-kouhyou-aichi.jp/kaigosip/Top.do
 から検索できます。

ですが、住宅型の有料老人ホームは、情報公開が義務づけられていません。
そのため、具体的な情報はなかなか手に入りづらく、内容もわかりにくいのが実情です。

いざという時に備えて、安心して入れる有料老人ホームの情報がほしいという利用者側の思いとは裏腹に、まだまだ施設に関する情報が少なく、何を基準にして選べば良いのかよくわからないという声が多いのです。

そこで「介護施設と地域を結ぶ市民の会」では、有料老人ホームを選ぶための施設情報を集めるため、今年の9月〜来年2月(予定)の半年間で、愛知県にある住宅型有料老人ホームを調査することを計画しています。

調査スタッフ希望者はもちろん、こういう活動を応援したい人、情報が欲しい人、住宅型有料老人ホームがどんなところか興味がある人など、どなたでも歓迎します。
ぜひ、ご参加ください。

介護施設と地域を結ぶ市民の会」は、愛知県内の介護施設を調査し、広く情報を共有することで、施設と地域の人の距離を縮め、年老いても安心して幸せに過ごせる社会を作ってゆくことができればと願っています。

ボランティア調査スタッフについてのお問い合わせ、申し込みは、「介護施設と地域を結ぶ市民の会」ホームページ(http://www.kaigo-shimin.net/)の「お問い合わせメール」から。
または、このブログ右上の「メール送信」から、メールをお寄せ下さい。

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今の高齢者専用賃貸住宅は「玉石混交」

介護施設ではない、高齢者の住み替えの場として、このところ注目を集めている「高齢者専門賃貸住宅(高専賃)」。
総量規制がかかって、建てたくても建てられない特養ホームや介護付き有料老人ホームに代わる、要介護高齢者の受け皿として、近年、あちこちで増えてきています。

高専賃の事業者がつくる「高齢者専用賃貸住宅事業者協会(高専協)」が開いたセミナーの記事をキャリアブレインで見つけたので、以下に紹介します。

-------------------------(ここから引用)-----------------------

高専賃、事業者の「レベルアップを」―高専協
高齢者専用賃貸住宅では、事業者自身のレベルアップが必要―。
都市再生機構が7月10日に開いた事業者向けセミナーで、高齢者専用賃貸住宅事業者協会(高専協)の奥村孝行事務局長が講演し、こう指摘した。
奥村事務局長は、高専賃では特別養護老人ホームなどの介護施設と比べ、高齢者自身がより自由に生活できるなどの特徴がある一方、事業者には「玉石混交」の実態もあるとして、事業者のレベルアップが重要との認識を示した。

奥村事務局長は、特養や老健、有料老人ホームなどの介護施設と、ケアハウスや高専賃などの高齢者住宅の違いについて説明。
介護施設では、自由に外出することが難しいなど、入居者の生活が管理されており、介護サービスを自由に選択できないと述べた。
一方、高齢者住宅はあくまで「住まい」であり、高齢者はケアプランに基づいて自由にサービスを選ぶことができると指摘
消灯時間がなく、外出したりお酒を飲んだりすることもできるなど、生活の自由度がより高いと述べた。

また、高齢化しつつある団塊の世代はこれまでの世代と比べ、より自由なライフスタイルを好む傾向があると指摘。
介護施設での集団生活に「なじむだろうか」と述べ、高専賃が今後果たす役割の重要性を強調した。

一方、高専賃の制度が発足してから約3年半が経過したが、その中で「問題点も出てきた」と指摘。
中には、
▽有料老人ホームのような利用権方式の入居契約を結ぶ
▽高額な一時金を取っている
▽住宅の居室面積があまりに狭い
▽契約期間が短過ぎる
▽入居者に部屋の住み替えを求める
▽介護保険サービスと生活支援サービスを混同して提供している
―ところもあり、「有料老人ホームの指定逃れのようなものもある」と述べた。

その上で、高専賃の事業者の「レベルアップが必要」と指摘。
介護保険でのサービスとその他のサービスをきちんと区別することや、高齢者の借家権を尊重した入居契約、医療や介護のサービス利用者の選択権の尊重などが必要だとした。
また、「高齢者に必要な基本サービス」として、食事や緊急通報、健康管理などを挙げ、こうしたサービスは高専賃でも「あった方がいい」との見方を示した。
(太字は山下が付けました)
-------------------------(引用ここまで)---------------------

ブログで何度か取り上げている「寝たきり高齢者専門賃貸住宅」について、
「高齢者専門賃貸住宅」の一種なの? という質問を受けたのですが。
あきらかに、違います。
(そもそも、居室内に、洗面所やトイレ、調理ができる設備、風呂がないのに、“住宅"とは呼べません)
上の記事の太字にあるように、
高齢者住宅はあくまで「住まい」であり、高齢者はケアプランに基づいて自由にサービスを選ぶことができるのが基本です。

また、今年の5月13日に、ケア付き住宅の供給促進を目的とした改正高齢者居住安定確保法が、参院本会議で可決・成立し、20日に交付されました。
8月下旬には、施行の予定です。

改正法は、高齢者が介護を受けながら安心して暮らせる良質な住まいを確保するために、厚生労働省と国土交通省の共管法とされたのが、大きな特徴。
高齢者向け賃貸住宅や老人ホーム供給に関する基本方針のほか、都道府県による「高齢者居住安定確保法」の策定、高齢者円滑入居賃貸住宅の登録基準の設定、合築型の高齢者優良賃貸住宅の一部の社会福祉法人への賃貸などが、盛り込まれています。

これに伴って、高齢者専門賃貸住宅(高専賃)の登録制度も変わります。
○一戸あたりの広さが、25㎡以上
○トイレ、洗面、キッチン、浴室などの設備がある
○前払い金の保全措置がある
などの要件を満たさない場合は、登録ができなくなります。
1年の準備期間の後、来年5月から、上記の条件を満たした、ある程度の質が確保された賃貸住宅が登録され、情報が公開されることになります。

また、都道府県の指導監督権限を強化。
○必要に応じ管理状況の報告を求めることができ、助言や指導も可能に
○基準に適合していない高専賃(高円賃)に対して、基準を満たすように指示することが可能に
○都道府県から求められた報告をしなかった、虚偽の報告をした場合は、10万円以下の罰金
などが明記されました。

「玉石混交」の高齢者専門賃貸住宅。
国が法改正をしたことで、施行予定の8月からは、国が決めた最低限の要件に基づいて都道府県が指導監督できるようになります。
「賃貸住宅だから・・・」という言い逃れができないように、住民としても注視していかなければと思っています。

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自宅でも施設でもない新しい住まい「高齢者専用賃貸住宅」の可能性

特別養護老人ホームやケアハウス(軽費老人ホーム)などの公的な高齢者施設や、有料老人ホームといった民間の高齢者施設のほかに、新しい高齢者の住まい方がいろいろ出てきています。

昨日のブログで紹介した「寝たきり高齢者専用賃貸住宅」は、問題がいろいろありそうですが。
それに替わる住まい方として、自宅でもなく、病院でもない、医療・介護の手厚い住まいも出てきています。
以前にこのブログで紹介した「ケアタウン小平・いっぷく荘」も、そのひとつ。
読売新聞のサイトで、クリニックと訪問看護ステーション、ケアステーションに、高齢者専用の療養型住宅32戸が入る複合型施設を紹介していたのを見つけたので、紹介しますね。

高齢者の住宅
 医療・介護手厚い 複合型の「住居」

----------------------(ここから引用です)---------------------
容態の急変にも対応
自宅では介護の人手が十分ではなかったり、医療面で不安があるといった理由で、長期入院する高齢者が多い。
自宅でもなく、病院でもない、医療・介護の手厚い住まいも登場している。

「生活の場」に近く
箱根・丹沢山系を望む神奈川県平塚市の新興住宅街に今年2月、「湘南真田メディケアセンター」がオープンした。
1階には、内科、脳神経内科などを掲げるクリニックと訪問看護ステーション、ケアステーション、2階と3階には高齢者専用の療養型住宅32戸が入る複合型施設だ。

住宅部分のうち、2階は、胃ろうなど、医療依存度の高い患者用で、広さは約19~28平方メートル。3階は、主に介護を必要とする要介護1~3までの高齢者用で、広さは約25~33平方メートル。
3階は2階に比べて広く、ユニットバス、洗濯機置き場があるなど、より生活の場に近くなっている。

3月初旬、2階の部屋をクリニックの加藤洋隆院長が訪れ、ベッドに横たわる佐藤愛子さん(94)(仮名)に「具合はどうですか。テレビはちゃんと聞こえているかな」と声をかけた。

ボタンを押せば
佐藤さんは1月まで、隣接市にある高齢者向けのケアハウスに入居していた。
昨年末に転倒して左手を骨折、トイレに行ったり、着替えをしたりする際の介助が必要になった。
しかし、本来、自立した人を対象とするケアハウスは、重度者の介護が難しい。このため、入居の継続に難色を示され、今の施設に移った。

医療・介護サービスが24時間対応になっているだけでなく、身の回りの世話をする生活支援員がサポート。
佐藤さんは、備え付けのボタンを手に、「これを押せば、困った時はだれかが来てくれるので安心。入院はしたくない。ずっとここで暮らしたい」とほほ笑む。

元気に話す佐藤さんだが、重症の尿路感染症で、2月下旬まで2週間ほど点滴などの治療を受けていた。
「高齢者は容体が急変しやすい。介護士、看護師、医師が緊密に連携し、住んでいる場所できちんと医療的処置を施すことで、病院に緊急入院するような事態を防ぐことができる」と加藤院長は強調する。

入居一時金は100万円以下。
部屋の広さなどに応じて、家賃と管理費で毎月十数万円かかり、介護、医療の費用は別払い。
「老人保健施設の2人部屋の標準的な料金」と、住宅を運営する「メディトピア湘南」は説明する。

東京都もモデル事業
自宅での療養が難しい高齢者向けの介護施設には、特別養護老人ホームや老人保健施設があるが、数が不足している上、医療・看護体制が十分でないなどの理由で、入居できない要介護高齢者も多い。
2012年度末までに、長期入院の受け皿となってきた療養病床が大幅に削減されるため、医療・介護の充実した住まいの場はこれまで以上に必要になる。

このため、民間では、在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションと提携し、24時間の医療・介護をうたう有料老人ホームも増えている。
医療機関や老人保健施設が同じ建物に同居した高齢者専用賃貸住宅(高専賃)も全国に広がっている。
東京都も新年度から、建物内に訪問診療や訪問看護を行う医療機関と介護施設が付いた医療・介護一体型の高専賃を作るモデル事業を始める。

とはいえ、有料老人ホームも高専賃も、中身は玉石混交。
湘南真田メディケアセンターはクリニックが同一グループのため連携は密だが、一般的には連携が不十分なケースが目立つ。

高齢者住宅に詳しい竹中工務店の水田恒樹役員補佐(医療福祉担当)は「医療や介護のニーズが高いと家族の負担は重い。自宅での療養が難しい場合、医療・介護の充実した高齢者住宅に入れるかどうかは緊急で切実な問題だ。状態や生活様式に応じた多様な住宅が今後必要だ」と指摘している。

(2009年3月24日 読売新聞)
--------------------(引用ここまで)-------------------

上の文中に、「建物内に訪問診療や訪問看護を行う医療機関と介護施設が付いた医療・介護一体型の高専賃(高齢者専用賃貸住宅)」とありましたが、読売新聞では、こちらについても別の記事で紹介しているので、以下に転載します。
介護・医療付きで最期まで

----------------------(ここから引用)-------------------
高齢者専用賃貸住宅 増えるサービス
高齢者を対象にした賃貸住宅「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」の中で、介護や医療サービスが付いたタイプが注目を集めている。
今後さらに増加が見込まれるこのタイプで、住民の暮らしぶりを見た。

1人月20万円以内
「夫の介護では、ヘルパーさんやドクターに本当にお世話になりました」 
千葉県野田市ののどかな住宅地に建つ「ココファン尾崎台」(定員50人)。
教材出版大手「学研」の子会社「学研ココファン」が運営する3階建ての高専賃だ。
入居者の一人、サトさん(83歳、仮名)はそう話す。

一昨年末、ほぼ寝たきりの夫と他県から転居した。
昨年4月に夫が亡くなるまで、建物1階にある訪問介護事業所から1日5回の訪問介護を利用。
急なおむつ交換などの際には、備え付けのナースコールを鳴らしてヘルパーに来てもらった。

医療的処置も必要だったため、やはり1階に入っている在宅療養支援診療所の医師に往診もしてもらった。
最後は救急車で病院に運ばれて亡くなったものの、「ぎりぎりまで介護施設ではなく『家』にいられ、夫も満足だったと思います」とサトさんは振り返る。

尾崎台の居室は全室バリアフリー(段差なし)で、洗面・トイレ付き。
約22平方メートルの1人用が38室、2人でも住める約28平方メートルが6室。
1階には食堂もある。

1人用の家賃は月6万4000円。
共益費と、緊急通報や医療相談などの「基本サービス費」を含めると約10万6000円。
これに、食事の利用料や介護保険の自己負担などが加わる。

サトさん宅の場合、長女夫婦の支援があったほか、20分以内のおむつ交換などは「基本サービス」の枠内でやってもらえたこともあり、介護保険の自己負担は多い時でも月2万5000円程度だったという。

尾崎台の要介護者は40人で、平均要介護度は「2・5」。
介護保険サービスの1か月の利用は、月平均約12万円(自己負担約1万2000円)。
「1人なら食費も含め、ほぼ月20万円以内で暮らせる。介護・医療の体制があるので、希望すれば最期まで過ごせます」と同社では強調する。

契約内容に注意
高専賃は、2005年に制度化された。
有料老人ホームと似ているが、原則、入居一時金を払って居住部分や介護サービスを利用する権利を得る有料ホームと異なり、借地借家法に基づくだけに、業者が倒産しても住み続けられるなど、居住の権利が強いといわれる。

現在、全国に約1300物件、約3万3500戸あり、うち、入浴・排せつなどの介護サービスを提供する物件は47%(08年3月末時点)に上る。

これまでは面積などの基準がなかったため、高齢者の住まいとして適当でない物件もあるといわれてきた。
だが、今国会で「高齢者居住安定確保法」が改正され、面積などに一定の基準が設けられることになった。
また、サービス付き高専賃の整備を促すため、東京都が今年度から補助金付きのモデル事業を始めるなど介護・医療付きは今後さらに広がる見通しだ。

ただ、法改正が行われても、行政の立ち入り調査権などはなく、サービスの質が担保されるわけではない。
シニアライフ情報センター事務局長の池田敏史子さんは、「介護が必要になった場合、いつまで住み続けられ、いくら費用がかかるのか、誰がどういうサービスをしてくれるのかなどを確認することが必要。書面で説明事項をもらえると安心です」と話している。

◇各地の高専賃の情報は、高齢者住宅財団のホームページ(http://www.koujuuzai.or.jp/)参照。
◇高齢者の住まいに関する情報は「NPO法人シニアライフ情報センター」(電)03・5350・8491、ホームページ(http://www.senior-life.org/index.html)。

(2009年6月16日 読売新聞)
---------------------(引用ここまで)-------------------

高齢者専用賃貸住宅は、今まで規制がなく、行政の指導監査対象にもなっていませんでした。
しかし、高齢者居住法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)改正案が今国会で可決されると、「登録基準」が決められ、その基準をクリアしている賃貸住宅しか、上記の「高齢者住宅財団のホームページ」で掲載できなくなります。
(掲載してあるかどうかで、最低限の基準を上回っているか、判断できるようになります)

改正後は、次のように変わります。

高齢者住居法改正案の主なポイント
【1】“必要事項の登録のみ”の制度から、“登録基準”を導入
    ・ 居室の床面積が一定基準以上
       ⇒原則25㎡以上(十分な共有スペースがある場合は18㎡以上)
    ・ 居室の設備が一定基準以上
       ⇒トイレ、洗面所、キッチン、浴室などの設備を義務付け

【2】前払い金の保全措置を義務付け

【3】都道府県の指導監督権限を強化
    ・ 必要に応じ管理状況の報告を求めることができ、助言や指導も可能に
    ・ 基準に適合していない高専賃(高円賃)に対して、基準を満たすように
      指示することが可能に
    ・ 都道府県から求められた報告をしなかった、虚偽の報告をした場合は、
      10万円以下のの罰金

【4】 国土交通省の所管 ⇒ 厚生労働省との共同所管
   (介護事業所の併設などをすすめ、介護・福祉と住宅施策の融合をはかる)

自宅でも施設でもない、新しい住まいとして、高齢者専用賃貸住宅がきちんと制度化され、質の担保を行政責任で行うようになることを期待しています。

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高齢者が歩いて暮らせるまちづくり〜富山市の高齢者住宅整備計画

高齢者が歩いて暮らせるまちづくり〜富山市の高齢者住宅整備計画

写真は、富山市の市役所です。
(建物がガラス張りの吹き抜けだったり、展望台があったりという斬新なデザインは、市役所のイメージを払拭。観光名所として住民に気軽に来て欲しいと、こんなとんがった建物にしたと聞きました)

高齢者向けの優良賃貸住宅について調べていたら、富山市が独自の設置基準を作るなど、重点施策として取り組んでいると知って、富山市役所までヒアリングに行ってきました。

富山市の人口は、平成21年2月末現在で、417,864人。
このうち、65歳以上の人口は98,275人。
高齢化率は、23.5%です。

富山市の高齢者人口の割合は、平成15年に20.3%となり、急速に高齢化が進んでいるのだとか。
「高齢化のいきおいがすごい」という危機意識から、高齢者の住宅政策として、「富山市高齢者住宅整備計画」を策定。シルバーハウジングや、高齢者向け優良賃貸住宅制度の推進などに取り組んでいます。
 ※富山市高齢者住宅整備計画はこちらから(→概要版)ダウンロードできます。

で、「高齢者向け優良賃貸住宅」とは、何かというと。
年をとっても安心して暮らせる賃貸住宅を増やそうと、平成13年、国が施行した「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、県や自治体が高齢者向きに整備をすすめているのが、高齢者向け優良賃貸住宅です。

シルバーハウジングのような公営住宅ではなく、あくまで建設・運営するのは、民間(社会福祉法人、医療法人も含む)。
一定の条件を満たした優良な賃貸住宅を高齢者向けに整備することで、県や市から事業者には住宅整備に関する補助金が、またそこに住む人には家賃補助が出ます。
(ただし、愛知県は平成20年から家賃補助をとりやめました)

大きな特徴は、居室の広さや共有部分の設備、緊急時対応などの一定条件が決められており、これを満たさないものは認定されないことです。
高齢者賃貸住宅には、高専賃をはじめさまざまな種類がありますが、中には極端に狭かったり、段差があったりするものもあって、質の高いものを見極めて選ぶ必要があります。
県や市が認定する「優良賃貸住宅」なら、一定の条件(広さや設備など)がクリアされているため、質の目安になり、安心だといえると思います。

高齢者住宅の整備に力を入れている富山市では、高齢者向け優良賃貸住宅に国の基準よりさらに細かい独自のガイドラインを設置しています。
おもな認定基準は、
◎一戸あたりの床面積/原則40㎡以上。(国の基準は25㎡)
◎建設できる場所は、生活に便利で、徒歩で生活できる所とする。

 ・徒歩5分以内に、ショッピングセンター、生活用品店、コンビニなどの物販店、医療施設、金融機関などが立地している。
 ・在宅介護支援センター、デイサービスセンターなど、社会福祉施設が近隣にある。(併設も可)
 ・最寄りの駅かバス停が、徒歩で5分以内にある。
◎可能な限り、食事などの生活支援サービスを実施すること。
◎協力を依頼できる社会福祉施設や医療施設が明確になっていること。

富山市では、高齢者が安心して暮らすことができる居住環境を整備するために、歩いて暮らすことができる利便性の高い地域に、民間事業者が建設する高齢者向け優良賃貸住宅を、積極的に整備しようとしていることがうかがえます。

中でも、注目は。
国が25㎡に引き下げた床面積の基準を、35→40㎡に、逆に引き上げたことです。
「平成15年に最初の高優賃ができ、現在4つあるのですが、高優賃に住み替えを希望する高齢者は、ゆったりした広さを求めているのか、床面積が広い部屋から埋まっていきました。古いところだと、小さい居室は隣との壁をこわして広くしたいという希望も出てきていますし。広さが必要だと判断しました」
と、担当者は基準を引き上げた理由を話してくれました。

また、高優賃を建てる民間事業者には、デイサービスや病院などの併設を求めることで、今まで建った4棟は、すべて福祉施設を併設しているそうです。
この4月に建ったばかりの所を見に連れて行っていただいたのですが、そこは病院と在宅介護センターが隣にあり、建物の1階にはデイケアが併設されていました。
高齢者が安心して暮らすのに欠かせない福祉・介護・医療と、バリアフリーの賃貸住宅との連携。
しかも、こうした高優賃を、徒歩で暮らせるまちなかに建てるように規制をかけていること。
(富山市の条件を満たしていれば、建設費の補助と、20年間の家賃補助がでます)
市として、高齢者の住宅政策をきちんと考えて整備しているからこそ、安心して暮らせる高齢者賃貸住宅ができるのだと感心しました。

高齢者が安心して暮らせるまちづくりは、行政の姿勢(施策)にかかっている。
そう実感させられた1日でした。

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コミュニティーハウス悠遊館に行ってきました

人とのふれあいや助け合いがある、新しい形の賃貸住宅「コミュニティーハウス悠遊館」を見学するために、神戸まで行ってきました。

悠遊館は、コレクティブハウス(プライベートな住居部分と住民が共同で利用する居間や食堂などがある集合住宅)の一種です。
作ったのは、元神戸市職員で、市住宅供給公社の公営コレクティブハウスの建設に携わっていた、不老嘉彦さん。公営コレクティブハウスでの反省を踏まえ、「自分なりに理想のコレクティブハウス、これからの理想の住宅を作りたい」との思いでスタート。「だから、悠遊館はコレクティブハウスの進化形だと思っているんです」と笑顔で話してくださいました。

コレクティブハウスとは何かについては、前に書いたブログ「みんなで住まう安心感を!コレクティブハウスという新しい暮らし方」をどうぞ。

公営コレクティブハウスと悠遊館の違いは、共有部分である食堂や図書コーナーの管理をする「管理人(リビングアシスタント)」をおいていることです。
阪神・淡路大震災の後、神戸市では安心して暮らせる人のつながりを作ろうと、公営コレクティブハウスが建設されました。
「コレクティブハウスは、入居者同士で協力しながら暮らす賃貸住宅です。ですから、キッチンなどの共有スペースは入居者が分担して掃除をしたりすることになっているんですが、掃除をする人・しない人、やりたくてもできない人などがでてきて、どうしても公平というわけにはいかない。またリーダーシップをとる人がいないと、公営のスペースはだんだん使われなくなってしまうんです」
と、不老さんはコレクティブハウスの問題点を指摘します。

そこで、
「共有スペースに管理人をおけば、もっと気軽に使えて、よりコミュニティを豊かにできるのでは」と考えた不老さんは、管理人が常駐できるよう、15戸ある住戸のひとつを管理人室とし、管理人夫婦に住み込んでもらうようにしたのだそうです。
管理人の仕事は、共有スペース(外回りも)の掃除、宅配便・クリーニングの受け取り、買い物の付き添い(車で送迎)など。
引っ越してきた人がある時など、共有の食堂で歓迎会を開いたりもするそうです。
また、それぞれの居室内には管理人室への直通電話があり、夜中に急に体調が悪くなった時も、管理人室に電話で連絡して対応してもらうこともできます。
「たまに、管理人夫婦が旅行で留守になる時があるのですが、いないと不安という声は聞きます。やはり、24時間、管理人がいる安心感は大きいですね」
と、不老さんは話していました。

現在の入居者は、50歳以下が5世帯、高齢者が8世帯。
悠遊館は高齢者住宅ではなく、「子どもからお年寄りまでいる、大きな家族」をめざしているため、幼児がいる夫婦や、単身赴任の男性も入居しています。

入居の条件は、ひとりで生活できる(ヘルパーなどの支援をうけながらも可)こと。
「入りたい人に見てもらって、みんなと顔を合わせたりするんですよ、という説明をして。気に入ってもらえた人に入居してもらうのを基本にしています」と不老さん。
玄関は共有で、管理人が常駐しているので、「人とかかわりたくない若者には向かないかも」とのこと。
セキュリティーがしっかりしていることから、中には、ストーカーにつきまとわれた若い女性が「ここなら安心して暮らせる」と入居したこともあるそうです。
「安心と気ままと、どちらを重視するかということですね」

食事は、希望すれば、共有の食堂内で「悠遊食工房」が手作りする昼食・夕食を食べることができます。(月〜金の昼・夕食/1食700円)
食事の献立は、プライベート宅配食サービスを行う管理栄養士が、個人ごとに聞き取りをして、体調や希望にあったものを提供。
800円で地域の人に、宅配食サービスも行っています。

不老さんは、老後に1人になった時に、「自分が安心して暮らせるものを作りたい」という思いから、全室にペアガラス、床暖房、電磁調理器などを設置。
「設備のグレードを高くしたことと、管理人を常駐させていることで、どうしても一般の賃貸住宅より1割くらい家賃が高くなってしまう」そうです。
現在、空き室が1室あります。

年を取って1人になった時に、どんなところで暮らしたいのか。
「1人じゃつまらんだろう。というのが、わたしが悠遊館を作った理由です」と話す不老さん。
プライベートな空間と、みんなと話をしたり食事を楽しんだりというつながりを、共に実現した住まいの形が、そこにありました。

【悠遊館概要】
○コミュニティーハウス悠遊館
住所/神戸市北区八多町中843番地
総戸数/15戸
住居専有面積/36.23〜45.75㎡
賃料/月額6.5〜8.5万円
共益費・サポートサービス費用/6000円
駐車場代/月額5000円/台 各戸1台分確保
入居金/50万円
公式HP http://www.c-h-yuyukan.com/yuyukan/index.html


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シルバーハウジング訪問記

シルバーハウジング訪問記
西加茂郡三好町にあるシルバーハウジングを訪問しました。
(写真は、シルバーハウジングがある三好町の福谷県営住宅)

シルバーハウジングが何かについては、前にわたしが書いたブログ
シルバーハウジングを知っていますか?」をご参照ください。

最初にことわっておきたいのですが、
入居を希望する人にも、事前にシルバーハウジングの見学は許可されません。
わたしは、介護情報紙の取材で、空いているシルバーハウジングの部屋の見学を愛知県の担当者にお願いしたのですが、やはり、見学させてもらえませんでした。

シルバーハウジングの見学ができない理由は
見学するためには、部屋の鍵を開けなければいけないのですが、「鍵を開ける人の都合と見学希望者の都合を調整することができない」とのこと。
「人件費をぎりぎりまで削っているので、見学に人手はさけない」とのお話でした。

シルバーハウジングについて記事を書いて紹介するにあたり、ぜひとも住んでいる人の感想が聞きたい、できれば部屋も見せて欲しいと思っていたのですが、幸い取材に協力いただける住民の方が見つかりました。
今日は、その方の部屋にうかがったという経緯で、訪問記を書いています。

では。
ここからが、本文です。

訪問したのは、三好町に5年前にできた福谷県営住宅。
高齢者限定のシルバーハウジングは、エレベータからすぐの2戸。(各階にあります)
おとずれたのは5階の部屋ですが、建物の入り口は車椅子であがれるように緩やかなスロープがあり、エレベーターホールからは目の前でした。
車椅子でも生活できるように、バリアフリーになっていて、住戸の玄関扉も通常のドアとは違い、横にスライドして開けられるようになっています。

部屋の中も、基本はバリアフリー。
ですが、車椅子で生活するには不都合がいろいろあり、介護保険の住宅改修で風呂場のドアをはずしてカーテンにしたり、部屋から段差があったベランダにすのこをおいて高さをそろえるなどしたとお聞きしました。
これは、シルバーハウジングが自立した元気な高齢者が住むことを前提としているのが、原因のようです。
基本的に車椅子で生活するようには設計されていないのです。
そのため、調理台が座って作業するには高すぎる、洗面所も下の部分が空いておらず車椅子ではつかえるので洗顔しにくい、電灯の玉が切れたら交換できないなど、日常生活の不便もいろいろあるそうです。

とはいえ、
○緊急通報のボタンが居室内に6カ所ついている。
○平日の午後1時〜午後は、ライフサポートアドバイザー(生活援助員)が建物内に常駐していて、困りごとの相談にのったり、毎日、電話で安否確認をしている。
○水センサーがついていて、在宅しているのに水が流れない、または2時間以上水が流れっぱなしになっている時には、緊急の連絡が入って安否確認にくる。
など、いざという時の安心のための仕組みが整っているのは、シルバーハウジングの良い点。

ほかに
○居室の広さが50㎡近くあり、ゆったり暮らせる
○家賃が安い(所得によって、2万〜4万)
という点も、良いなと思いました。

今まで、有料老人ホームや介護施設はたくさん訪問してきましたが、そういった所と何より違っていたことは、
個人の生活がある
ということ。
訪れた部屋の中には、趣味だという音楽CDやビデオが壁いっぱいに並んでいました。
ワンルームでなく、2DKなので、寝室と居間はきちんと分けられています。
住んでいる人が、どんなことが好きで、どんな暮らしを送っているかがわかる。
そんな部屋でした。

施設ではなく、賃貸住宅。
介護中心ではなく、生活中心の暮らしが、そこにはありました。

「どんな暮らしがしたいか、自分で選べるのがいい」
という入居者の言葉が心に残った訪問でした。

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みんなで住まう安心感を!コレクティブハウスという新しい暮らし方

終のすみかとして、有料老人ホームを選ぶ高齢者が求めるものって?
何だと思いますか?

いざという時の安心感や、日常の家事(特に食事作り)負担の軽減・・・。
1人暮らしは淋しい、話し相手が欲しい・・・などなど。
まとめてみれば、
①ふれあいのある暖かい暮らし
②夜中でも助けが求められる安心感
かなと思います。
つまり、ふれあい&安心感 です。

こうした「ふれあい&安心感」のある暮らしとして、今、注目を集めつつあるのが
コレクティブハウス です。

コレクティブハウスとは、プライベートな住居部分と、住民が共同で利用する居間や食堂などがある集合住宅のことを指します。
プライバシーは確保しながら、共有の食堂で一緒に食事をしたりと、生活の一部を共有する。
賃貸の集合住宅なのに、人とのふれあいや助け合いがあるという新しい暮らしが、コレクティブハウスなのです。

もともと、コレクティブハウスは北欧で生まれ、北欧では既に暮らし方のひとつの選択肢として定着しているそうです。
働く女性が、家事の負担を減らして豊かな暮らしを送れるようにと始まったもので、子育てや家事のシェアをそこに住む住人が行うことで、個人の負担を減らしているのだとか。

日本では、まだコレクティブハウスの実例は少なく、あまり知られていないのですが、1人暮らしをする高齢者や、1人親で子育て中の人などには、利点が多いと思います。
ひとつの例として、大阪市にあるコレクティブハウスのホームページを見つけたので
以下にリンクしておきます。
ふれあいのある集合住宅「コレクティブハウス」
『しまんと荘』

しまんと荘は、身障者やシングルマザーが入れる共同住宅を作ろうと、2003年にできたようです。

コレクティブハウスについて知るにつれ、どうしても自分の目で見てみたいと思い立って
明日、神戸市までコレクティブハウスの取材に行ってきます。

くわしい報告は、帰ってからということで。
楽しみにお待ちください。

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