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上野さん講演/在宅ひとり死は可能か?

在宅
日本在宅ホスピス協会全国大会in岐阜の最終日の今日。
市民公開シンポジウムが開かれました。

お待ちかね、上野千鶴子さんの講演タイトルは、ズバリ!
在宅ひとり死は可能か?

パワーポイントを使った講演は、笑わせながら、しみじみと聞かせる。いつものスタイル。
ぼやっ〜と淡い緑色の背景は、なんと、「畳(たたみ)」。
畳の上での大往生が、昔からの高齢者の悲願だから との理由に、なんだか笑えるような、切ないような。
たくさんのデータや、上野さんが日本全国を歩いて集めた情報に
笑って、身につまされ、考えさせられて。
あっという間に時間が過ぎました。

特に印象に残ったことを、記しておきますね。

まず、上野さんが列挙された、ちょっと怖いデータから。
1.だれもが結婚する時代は終わった
男性の有配偶率(妻がいる率)は、60代が最高で、離婚が原因で50代以下は低下。40代は、非婚が原因でさらに妻がいる率が低い。
生涯非婚率の予測は、40代の4人にひとり、30代の3人にひとりが、一生独身の可能性あり。

2.結婚して子どもを産んでも、子どもに先立たれる?!
高齢者を2004年に調査した結果
子どもがいてその子どもが現在、生きている人が、 49.3%
               生きていない人が、44.7%
 → 半分近くの人は、子どもに先に死なれる逆縁に

3.男性の孤立が大きな問題に
正月三が日を、ひとりで過ごした独居高齢者の割合は
          男性     女性
前期高齢者     61.7%    26.5%
後期高齢者     46.8%    32.0%

さらに、上野さんが指摘するのは
施設はだれのためのものか? という視点。
施設入居の待機高齢者は、42万人といわれていますが、施設入居を決めているのは本人ではなく、家族。もっといえば、デイサービスもショートステイも、本人のニーズではなくて、家族のニーズです。
こうした現状に対して、上野さんは
「待機高齢者ゼロ作戦はいらない」ときっぱり言い切ります。

介護保険が始まるまで、介護する家族がいる在宅 か 介護施設に入居 という選択肢しかありませんでした。
今は、在宅と施設の中間である、高齢者専用賃貸住宅やシニアコーポラティブハウスなど、老後の住まい方に選択肢が増えてきています。
また、在宅医療に取り組む医師が少しずつ出てきて、最後まで自宅で、と望めば、在宅ターミナルケアや緩和医療も可能になりました。
こうした指摘を、各地での事例を紹介しながら説明された後、上野さんは再び問います。

おひとりさまの在宅ひとり死は可能か?

上野さんの答えは、 イエス です。
ただし、以下の3点セットがあれば、という条件つきで。

必要な3点セットは
①24時間の巡回訪問介護
②24時間対応の訪問医療
③24時間対応の訪問看護

そして、上野さんの講演は、こんな言葉で締めくくられました。

これからの介護や医療はどうなりますか?
わたしは、よく聞かれます。
明日の天気を聞かれても、明日の天気のことは答えられません。
だけど
明日の天気は答えられずとも
明日の社会保障は、私たちの力で変えられます!

わたしたち、一人ひとりが
老後の介護や医療を、真剣に考え、声を上げていくことで、
わたしたちの未来は変わる!
それを忘れないで、行動しよう!
という、上野さんからのエールと受け取りました。

いま、自分にできることから、少しずつでも
行動することで、未来が変わる!
そう信じて、がんばりたいと思います。

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受信: 2010年10月11日 (月) 14時33分

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