« 議会運営委員会で、町長が議員の議場での発言を制限するかのような発言!〜真意はどこに? | トップページ | 議会での自由討議を行うには〜花巻市議会が自由討議のルールを決定 »

岐阜県恵那市の介護予防の取り組み〜回想法で認知症予防

遅ればせながらの、議会の民生委員会県外研修報告、第2弾です。

岐阜県恵那市の介護予防について、学んできました。

(1)介護予防、とりわけ認知症予防を重視
恵那市は人口5万5千人。
そのうち65歳以上は1万5400人、高齢化率28.24%と、高齢化率が高い市です。
うち15.9%が要介護認定(2500人)を受けています。
高齢化率が高いことから、市は介護予防、特に認知症の予防に力を入れて取り組んでいるとのこと。
要介護高齢者のうち、認知症は約5.5%(800人くらい)。
認知症予防で回想法に力を入れていることで、認知症の進行を抑制し、維持率は高いというお話でした。

運動機能の維持については、室内プールでの水中歩行教室を実施(参加者は年に2回募集)。
教室の効果を実証するために、利用前と利用後の運動機能を測定していますが、
「イスからの立ち上がり」は、「早くなった」という回答が79%
「歩行スピード」は、「早くなった」が65%
と、水中歩行の効果は確実に上がっているそうです。
これからの課題は、参加者をどう増やしていくかとのこと。

また、老人クラブを対象に、保健師が健康チェックと健康指導を実施。
希望により、音楽療法、筋力アップ体操、歯科衛生士による「お口の体操」「入れ歯の手入れ法」などの介護予防教室を行っています(年間212回)。
足の確保が難しく、参加したくても来られない人がいる、という声に応え、なるべく近い所、小さな単位(5〜6人でも講師を派遣)で、介護予防教室を細かく実施したところ、平成21年度で介護予防を734回実施することができ、約1万2000人が参加しました。

ここまで実施回数と参加者が多いのは、曜日や時間にかかわらず、参加希望者の都合にあわせて、いつでも対応するという地域包括支援センターの姿勢が大きいようです。
(恵那市の地域包括支援センターは、市の直営で、職員は12人)。
多くの住民に介護予防を受けてもらうには、「何人以上でないと講師を派遣しない」などというような人数のしばりをなくし、土日祝日でも、夜でもOK(いつでも、どこでも行きますよ)という姿勢が大事だという説明でした。

今日、郵便ポストに東郷町の広報が入っていたのですが、ちょうど「まちの出前講座」の案内が掲載されていました。
ですが
「自治会など公共的団体が主催し、おおむね20人以上が参加する集会などであれば派遣します」
と書かれていました。

恵那市は、
だれでも、何人でも、いつでもどこでも が基本とか。
本気で行政が住民に伝えたい、講座を受けて欲しいと思うのであれば、少しでも住民が利用しやすい形で行う必要があると思います。
東郷町も、恵那市の姿勢を学ばなければと思います。

(2)回想法の取り組み
回想法については、平成17年5月に、明智回想法センター(昔の産院を改造)ができ、昨年度の国の補助事業(全額補助880万円)で、介護予防としての回想法に市をあげて取り組んだそうです。

まず回想法のリーダー養成講習会と、回想法を市民に周知するためのシンポジウムを実施。
回想法の楽しさを多くの人に体験してもらうことで、回想法教室に参加する人が増え、浸透したとの話でした。

研修は回想法教室を行う拠点となっている「明智回想法センター」で行ったのですが、回想法センターには、昔懐かしい生活用品やおもちゃが多数展示されていました。
回想法をスムーズに行うには、話のきっかけになるようなものが必要なのですが、たくさんの懐かしい昔のものがあることで、明智回想法センターは回想法の拠点として非常に役に立っているのだとか。
たしかに、回想法センターの中をあちこち見て歩くと、昭和の初め頃に使われていた生活用具がたくさん置いてあり、特に60代の議員から「これ、あったあった。なつかしいなぁ」という声が多くきかれ、にわか回想法教室のようになっていました。
(なつかしい記憶は、会話を引き出してくれるようです)

回想法の特徴として、知らない人ともすぐ仲良しになれるという効用があるそうです。
昔のものを見て、「なつかしいね」「あれ、あったよね」と話がはずむことで、人間関係が良くなり、それにつれて話がはずむのだとか。
そのため、回想法教室の卒業生たちが、自主グループを作って、その後も仲良く活動を続けているのも、回想法に取り組んだ思いがけぬ成果だったとか。
回想法を通して、友だちが増え、地域での中で行き来する人のつながりができていく。
こうしたつながりが、高齢者の閉じこもりを防ぎ、認知症予防に効果を上げているというお話でした。

(3)熟年セミナー(早期の介護予防)
高齢者になってから、介護予防をはじめていては遅い、という考えから、恵那市では、65歳になった誕生月に介護保険証支給の案内と一緒に「熟年セミナー」のお知らせを入れて、郵送しているそうです。

熟年セミナーは、健康増進センターと体育館の2カ所で毎月実施し、対象者の3割くらいが参加。
セミナーでは、介護保険や介護保険料についての説明や介護予防の重要性についての話を聞いた後、簡単な筋トレや健康器具のお試し利用を行っているそうです(介護保険証もその時に配布)。
東郷町での高齢者へのアンケートでは、「介護保険について知らない」、「どうやって利用するかわからない」という声が多いという結果だったのですが、介護保険証を配布する時に、介護保険について説明をするのはいい考えだと思いました。

また、糖尿病の人は認知症にとてもなりやすい傾向があることから、生活習慣を改め、運動を習慣にする必要性について、40代・50代から知ってもらうことが必要だと考えているとのこと。
「若いうちから、介護予防は始まっている」という意識づけをどう行うかが、今後の課題だそうです。

東郷町では早期の介護予防はまだ手つかずです。
早いうちからの意識づくりは、東郷町でも課題だと感じました。

恵那市での研修を通して最も印象的だったのは、説明してくれた市の職員さんの熱心さです。
高齢介護課と地域包括支援センターの所長を兼ねているということでしたが(恵那市は地域包括が委託でなく市の直営なので)、住民から電話が入ったら、いつでも出かけていくという姿勢を何度も強調されていました。
「夜間だから、土日だから、祝日だから、行きません」というようなことは、わたしが許しません。
と力強く断言されていました。

先進的といわれる取り組みをしている自治体には、信念を持ち、労力をいとわない職員さんがいます。
こうした職員さんをどう育て、やる気をつぶさず自由に行動してもらえるどうかが、行政職員の働きに大きく影響すると強く感じた研修でした。

|

« 議会運営委員会で、町長が議員の議場での発言を制限するかのような発言!〜真意はどこに? | トップページ | 議会での自由討議を行うには〜花巻市議会が自由討議のルールを決定 »

議会報告」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215645/49269764

この記事へのトラックバック一覧です: 岐阜県恵那市の介護予防の取り組み〜回想法で認知症予防:

« 議会運営委員会で、町長が議員の議場での発言を制限するかのような発言!〜真意はどこに? | トップページ | 議会での自由討議を行うには〜花巻市議会が自由討議のルールを決定 »