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法改正で高齢者の住まい(高齢者専用賃貸住宅)が変わる?!

「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者居住安定確保法)」が改正されたのが、昨年の5月。
この改正によって、高齢者専用賃貸住宅は一定の水準に満たないと登録できないようになり、今年の5月19日から、新しい基準を満たした住まいだけが再登録されています。

高齢者居住安定確保法で、高齢者の住まいがどう変わるか。
少し古い記事になりますが、以下に紹介します。

--------------------------(ここから引用です)---------------------
https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=25750
高齢者の住まいの在り方はどう変わるか―高齢者居住安定確保法改正

 2009年5月、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者居住安定確保法)が改正、公布された。改正法では、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)などについて一定の水準を担保するため、基準やそれに伴う新たな登録制度などが設けられた。一方で、施設や住宅には供給の遅れを指摘する声もある。日本の高齢者に占める介護施設や高齢者住宅などの定員数の割合は約4%。デンマークやスウェーデン、英国、米国など欧米諸国と比較しても低い。また厚生労働省は12月22日、特別養護老人ホーム(特養)の待機者が約42万1000人に上ると発表。06年の前回調査時は約38万5000人で、約3万6000人増えたことになる。日本の高齢者は行き場を失ってはいないか―。今回の法改正を踏まえ、高齢者の「住まい」政策の在り方を考える。

契約書に問題のある事業者も
 高専賃などを手掛ける事業者に対してはこれまで、質の低い事業者が存在する「玉石混交」との指摘があった。例えば、契約書。高齢者向け賃貸住宅事業に参入してきた事業者の一部には、契約書に問題がある事例があるという。
 高専賃などを契約する場合、賃貸借契約と生活支援サービス契約が別に存在する。例えば、賃貸借契約では要介護度が重度化したからといって、居住者に対して部屋を移動するよう求めることはできない。しかし、有料老人ホームの経営などを手掛けてきた事業者の一部には、もともと施設の利用権契約に慣れているためか、「要介護度が重度化した場合に、移り住みがある」などという文言を契約書に記載し、賃貸借契約をすべきところが、実質的には利用権契約になっている事例もあるという。また、契約時の説明が不十分なため、居住者との間でトラブルになる事例もあるという。

高齢者住宅の水準向上を目指す
 09年5月、高齢者居住安定確保法が改正された。国土交通省住宅局住宅総合整備課住環境整備室の武井佐代里課長補佐は改正の背景について、単身高齢者の増加に伴い、生活支援サービスが受けられる住宅へのニーズが増えていることや、高齢者が安心して住むことができる一定の水準が担保された住宅を供給することなどを挙げる。
 法改正により、これまで国交省の所管だった高齢者居住安定確保法は、国交省と厚労省の共管となり、住宅政策と福祉政策の連携が促進される。また、▽床面積▽設備▽賃貸条件―といった一定の基準を満たす住宅のみを、高専賃や高円賃(高齢者円滑入居賃貸住宅)として都道府県に登録することが可能になる。登録可能な住宅の設備基準は、1戸当たりの床面積が原則25平方メートル以上(居間や食堂、台所などが、高齢者が共同して利用するために十分な面積がある場合は18平方メートル以上)とされた。一定以上の面積水準を確保することが求められる。設備については原則、各戸が水洗トイレや洗面設備などを備える必要がある。新たな登録制度は10年5月19日から施行される。施行日の6か月前となる09年11月19日以降は、事前申請が可能になった。施行日までに基準を満たし、都道府県に再登録の手続きを行わない限り、現在の高専賃、高円賃としての登録は抹消されることになる。高齢者住宅の開設支援コンサルティングなどを手掛ける「タムラプランニングアンドオペレーティング」代表取締役の田村明孝氏は、「現在登録されている約4万戸の高専賃のうち、約2割が登録基準からはみ出るのではないか」と話す。その上で、この新たな登録制度について「ハード面での質の向上につながるのではないか」と一定の評価をしている。
 このほか、都道府県による指導監督も強化。住宅の賃貸人に対し、管理の状況に関して報告を求めることもできるとされた。

自治体や事業者団体の対応策は
 法改正を受け、自治体にも動きがある。東京都は高齢者向け賃貸住宅を運営する事業者などに向け指針を策定。高齢者向け賃貸住宅での生活支援サービスについて、住宅事業者とサービス事業者の両者が協議した上で、生活支援サービスの提供主体を明確にすべきとした。また契約については、入居希望者などに対し、契約の締結や契約前の事前説明が適正に実施されるよう、モデルとなる契約書と重要事項説明書を作成した。トラブルの防止が狙いだ。こうした指針の水準を満たした事業者が都に届け出ると、都はその情報をホームページ上に公表する。都民はこの情報を基に、指針の水準を満たす適切な住宅を選ぶことができるようになるという。
 また、高専賃事業を手掛ける事業者で構成する「高齢者専用賃貸住宅事業者協会」(高専協)も、賃貸借契約書と生活支援サービス契約書などについて、解説を加えた標準モデル契約書などを作成し、ホームページ上で公表している。

都道府県が老人ホームなどの供給目標計画を策定
 また改正法では、都道府県の住宅部局と福祉部局が共同で、高齢者向け賃貸住宅や老人ホームの供給目標を記載した「高齢者居住安定確保計画」を策定するとされた。

 特養などの介護保険施設はこれまで、十分に整備されてきたとは言い難い。09年9月に発表された第3期(06-08年度)の介護保険施設などの整備率は、当初の計画を大きく下回っていた。例えば特養では、計画見込み数5万847床に対し実績3万7232床で、整備率は約73%にとどまった。
 田村氏はこうした整備の遅れを「行政の不作為」と語る。その上で、「施設整備を促進するため、低利での融資制度を充実させることが重要」と指摘。また、「施設整備を促進するとともに、希望者が入居しやすい環境をつくるため、低所得者が入居できるような家賃の補助があるべき」とも語る。
 国は現在、要介護2-5の人に占める介護保険施設や居住系サービスの利用者の割合を37%以下とする目標、いわゆる参酌標準を掲げている。これについては、「介護保険制度をつくる上で、財政を圧迫しないための数字」と田村氏は話す。その上で、「厚労省や国交省は、国としての供給ビジョンを定めるべき。改正法に都道府県が供給目標の計画を策定する点が盛り込まれたことは、国が本当に必要な施設の供給目標を策定することへの『一歩前進』になるのではないか」と話している。

今後の課題は?
 国立保健医療科学院施設科学部施設環境評価室長の井上由起子氏は、高齢者住宅の家賃を問題視している。井上氏らの調査によると、都にある高専賃の平均的な家賃は共益費や基礎サービス費を含め、約12万円だった。これに食費や介護保険サービスに掛かる費用などを加えると、厚生年金の平均受給額である約17万円を上回り、約20万円に上ることもあるという。井上氏はこうした状況を踏まえ、「高専賃の供給に当たっては、それぞれの地域の所得に応じた家賃設定ができるかどうかが重要」と話す。
 また田村氏は、「高専賃などに『高齢者』と冠が付いている限り、何らかのサービスやケアが付いていると期待する人が多い。認識の食い違いによるトラブルは今後も続くだろう」と懸念する。

 それでは今後、高齢者の住まいはどのように整備されるべきなのか。井上氏は、「地域社会とのコミュニティーを創造する必要がある」と指摘。「『地域包括ケア』の理念に立った時、高齢者向け賃貸住宅は『多世代型』であるべき」と語る。いろいろな世代で、地域の人間関係をつくり出す。そのためには、高齢者住宅はケアの拠点であり、交流の拠点であるべきなのだが、こうした住宅はまだ日本には少ないのだという。また井上氏は、「日本の空き家率は約13%にも上る。構造補強などにより、建物の安全を確保した上で、空き家など既存のストックを活用すべき」とも語る。
 一方、田村氏は「高齢者の生活が施設での受動的な生活から、自立した能動的な生活に変わることで、介護コストが軽減される効果がある」と指摘。「団塊の世代が75歳以上を迎える25年までに、特養などの施設が自立した生活を営める『住宅型』に変わっていくことが求められる」とも話している。

( 2009年12月31日 14:00 キャリアブレイン )
--------------------------(引用ここまでです)---------------------

高齢者専用賃貸住宅の新しい基準は
①一戸あたりの床面積は、原則25㎡以上
 (居間、食堂、台所など、共同部分に十分な面積があれば、18㎡以上)
②各戸に、台所、水洗トイレ、収納設備、洗面設備および浴室がある
 (共用部分に適切な台所、収納設備または浴室を備えていた場合は、各戸に水洗トイレと洗面設備を備えていればOK)
などがあげられています。

で、この新しい基準を満たしたとして、愛知県で現在、19件登録されています。
※登録物件は、以下のホームページで一覧を見ることができます。
http://www.senpis-koujuuzai.jp/special/list.aspx?pref_id=23

明日の午前中、さっそく登録してある高専賃を見に行ってきます。
報告はまた明日しますね。


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コメント

東郷町でも、一軒家を改築して高齢者専用住宅(?)にしようてしてる所があるみたいですね。
100床近くの有料老人ホームも北山台に着工し始めたようですね。

投稿: 東京ばなな | 2010年7月31日 (土) 11時56分

東京ばなな さま

情報提供ありがとうございます。
できれば、もう少しくわしいことが知りたいのですが。
なにかご存じのことがありましたら、コメントに書き込み、または私に直接メールをくださいますと幸いです。
返事が遅くなりまして、失礼しました。

投稿: 山下りつこ | 2010年8月10日 (火) 23時24分

一軒家を改築するという話しは、どこまで進んでいるかわかりませんが、自宅の一階の使用を考えているようです。

有料老人ホームについては、県の認可も下り、町との協議も済んでいます。たぶん、10月ぐらいから入居者募集をするのではないでしょうか?
建築中なので、入り口の看板をみれば、建築主が書いてありますが、実際の経営する事業者は書いてありません。

長寿介護課に問い合わせれば、わかると思いますよ。

投稿: 東京ばなな | 2010年8月11日 (水) 14時15分

追加です。
有料老人ホームについては、関係者なので、わかる範囲で、お答えできます。(今の進捗状況など)コメントを通して質問していただければ、と思います。

投稿: 東京ばなな | 2010年8月11日 (水) 20時14分

東京ばなな さま

お返事がたいへん遅くなりました。
本当にすいません。

有料老人ホームの件、長寿介護課で聞いてきました。
母体はみよし市の病院なのですね。
住宅型の有料老人ホームで、来年の春くらいに完成するのだとか。
できれば、地域に開かれた形で、運営していただきたいと願っています。
地域交流スペースなどは、施設内につくる予定なのでしょうか?
また地域住民への公開(おひろめ)は行うのでしょうか?
もしもわかりましたら、情報をお寄せいただけるとうれしいです。

投稿: 山下りつこ | 2010年8月24日 (火) 23時37分

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