« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

戸建ての住宅型有料老人ホーム〜サンヒルズ ヴィラ・アンキーノ

明日行う予定の「有料老人ホーム見学会」。
行き先は、岐阜県の池田町にある「サンビレッジ宮地(サンヒルズ ヴィラ・アンキーノ)です。

ヴィラ・アンキーノは、全国でもあまりない戸建ての住宅型有料老人ホーム。
どんなところなのかについて、わたしが介護情報誌「ぬくぬく」6号で紹介した文章を引用します。

-----------------------------------------------

サンヒルズ ヴィラ・アンキーノ
 住所/岐阜県揖斐郡池田町宮地1175

全国でも珍しい戸建タイプの有料老人ホーム「サンヒルズヴィラ・アンキーノ」は、濃尾平野を一望できる池田町の豊かな自然の中にある。

春には川沿いに桜が咲き、初夏には新緑の茶畑が目を楽しませてくれる。
敷地内には柿やいちじく、梅などの果樹が植わり、畑には季節の野菜が元気に育っている。
戸建て住居のまわりは四季折々の花や緑があふれ、澄んだ空気とどこまでも広がる青空に心が癒される日々。

入居者は散歩のおりに気に入った花やハーブを手折って持ち帰るのは自由。
また、果樹に実る果物や畑で収穫された野菜は、毎日の食事の一品に使われるほか、「おすそわけ」として入居者に配られ、食卓を彩る旬の味となるという。

こうした豊かな環境は、環境係という専属の職員によるもの。
季節ごとに敷地内の花を植え替えたり、畑で野菜を育てたりするスタッフがいるからだ。
花壇や畑を入居者が世話する施設は多いが、高齢化とともに荒れ果てるケースも多い。
花に囲まれた暮らしを提供するために、専従の「環境係」というコストをかけているのだ。
アンキーノでの心地よさは、こうしたちょっと見には気づきにくい高い専門性と理念に支えられている。

運営母体は、介護の質の高さで定評があり、羽田澄子監督の「安心して老いるために」という記録映画でも紹介された総合ケアセンター・サンビレッジ。
特養ホームで安心して最後まで老いる暮らしを支えてきた職員たちが、「元気なうちに選んで入れる施設がほしい」という思いから作ったのが、ヴィラ・アンキーノなのだ。

一番の特徴は、最後まで自由に気ままに暮らせるよう、プライバシーを確保できる戸建てという形をとっていること。
中は吹き抜けの天井があり、明るく開放的な雰囲気。
床暖房に、浴室、キッチンと設備も充実しており、夫婦でも1人でも、豊かに暮らせる第二の我が家だ。

介護が必要になった時のために、デイサービスセンター「ちゃぼぼ」とグループホームも併設されている。
ちゃぼぼはアンキーノの入居者の茶の間としても機能しており、手芸や陶芸、茶道、句会などを楽しむ場に。
その他に戸建ての共有スペースもあり、気のあった友人同士で食事をしたり、月に一度、板前の出張料理を皆で楽しんだりしているという。

「人としての尊厳」を常にめざすアンキーノには、それぞれの生き方を理解して支えるプロの介助者がいる。
介護が必要になっても安心といえる、数少ない有料老人ホームだ。

-----------------------------------------------

明日の見学会は、アンキーノへの1年半ぶりの訪問となります。
どんなふうに進化しているのか、よく見てこようと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

東郷町議会の改革はすすむか

来年行われる議員選挙で、東郷町議会は定数16(現在は20人)と議員数が減ります。
そのため、今年中に常任委員会の定数などを変更する条例改正を行わなければいけないということから、議会活性化特別委員会が委員会の数や任期などについて検討を始めました。

同時に、議会活性化に向けて、活性化特別委員会の委員外議員に対しては、意見を委員長宛に出すようにという案内があったため、わたしも意見書を提出。
寄せられた意見をもとに、議会活性化特別委員会が今日開かれるということで、傍聴に行ってきました。

今日、おもに話しあわれたのは
①常任委員会の数 ②複数委員会の所属 ③委員の任期 ④予算決算委員会 ⑤議会運営委員会の構成 ⑥議会だより編集特別委員会 ⑦政務調査費
について。
わたしの他に、水川議員、有元議員、山口議員が、意見を提出していたことから、それを踏まえて検討するという形で話し合いが進められました。

その結果、議会活性化特別委員会での方向性としておおよそ固まったのは
○予算決算委員会をつくる(議員全員が委員となり、予算・決算を審査する)

○常任委員会は現在3つあるが、定数16となると、ひとつの委員会に委員が5人になる。5人では、委員長を除くと採決に参加できるのは4人。1人でも欠席すれば、たった3人で賛否を決めることになるが、これは望ましくないのではないか。
      ↓
 1.常任委員会は2つとし、それぞれ8人ずつとする
 2.常任委員会は3つのままだが、複数委員会の所属を認め、8人以上になるようにする
のどちらかの選択を行うことになる

○委員会はすべて任期2年とし、再任をさまたげないこととする

○議会運営委員会は、6人とする(現在は7人)
 (東郷町議会は、会派制をとっていないが、現状のままとする)
              ↓
 常任委員会の委員長は議運の委員となり、残りは選挙で選ぶという現状のまま、定数のみ1削減
 (会派制をとっているほかの自治体は、会派代表が議運の委員会となっている)

○議会だより編集特別委員会は、定数8人とし2年任期。4年間で全員が必ず1回は議会だよりの委員となることとする

○「議員の研修のための費用が、現状では不足している」という共通認識は確認されたが、それを解決するために、常任委員会の研修予算枠を増やすのか、それとも政務調査費を制度化するのかは結論が出ていない。 → 議会活性化特別委員会での研修後に再度検討する
(注)東郷町議会では、政務調査費は現在0円

さて、わたしが提案した意見についてですが。
わたしは、①議会基本条例の制定を ②議会への「住民参加」を積極的なすすめるための改革 についてを、委員長宛に出しました。
これについては、残念ながら「後日、検討する」という結論に。
ですが、わたしが提案した「議会として、住民との対話集会を開催する」という案については、「そういう方向で考えていく必要はあるだろう」と意見を述べた委員もいましたので、後日、どう検討されるか楽しみです。

最後に、わたしが提出した意見書を、以下に転載しておきますね。

----------------------------------------------

議会活性化特別委員長 石川昌弘殿      平成22年6月22日
                  東郷町議会議員  山下 律子

      議会活性化に向けて協議してほしいこと
 議会活性化に向けて、特別委員会および議員全員で協議していただきたい事柄をお知らせしたく、書面に記して提出します。

(1)議会基本条例の制定に向けた論議を
 議会の憲法ともいうべき議会基本条例の制定を、東郷町議会でも進めるべきだと思っております。今年度はどのようにすすめるかという方向付けまででけっこうですので、議会基本条例をすすめるかどうかということについて検討いただき、全員協議会で最終的な話し合いをしていただけるようお願いいたします。

(2)議会への「住民参加」を積極的にすすめるために
 住民に開かれ、住民参加型の議会に改革していくために、以下のことを提案します。
① 住民に開かれた議会に変るための提言(情報公開、説明責任、透明性の確保)
・ 議会に傍聴に来た住民が議論の内容を把握できるよう、議員に配布されている資料は事前に町のホームページに掲載し、議会の傍聴者が希望した場合は配布する(現在のように「持ち出し禁止」でなく、持ち帰ることを認める)。
・ 常任委員会、特別委員会への傍聴は基本的に自由とする。
・ 議会は本会議、委員会ともにインターネット中継を行う。
・ 議案の賛否について氏名を公表したものを議会ホームページにも掲載する。
・ 議事録は委員会の抄録も議会のホームページに掲載する。
・ 議会として住民との「対話集会」を行い、議会の報告を行う。

② 住民参加型の議会に変えるための提言
・ 請願や陳情は住民からの政策提言と位置づけ、陳情も担当委員会で審議することとする。
・ 請願については、議員の紹介がなくても受け付けることとする。
・ 請願者である住民が議場で請願についての説明をしたり、議員の質疑に応じることができることとする。
・ 住民が困りごとや意見を議会に来て言えるように、当番議員を決めて議会の受付窓口を開く。
・ 公聴会を開き、事前に申し込みをした住民が議員に意見を述べる仕組みをつくる。

以上、2項目の提言について、議会活性化に向けた新たな取り組みとして特別委員会でご検討いただき、さらに議員全員にはかっていただけますよう、お願いいたします。

----------------------------------------------

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今日で6月議会が閉会しました

今日は、6月議会最終日。
当局から提案されていた議案は、すべて可決されて、議会は閉会しました。

可決された議案の中に、補正予算がありましたが、その中で注目すべきなのが、自殺防止事業と婚活事業。いずれも新規事業で、全額、愛知県からの補助金を使って行われます。
どちらも、民生委員会の所管で委員会でくわしい審査をしましたので、委員会での質疑を以下に報告しますね。

【自殺対策事業について】
○年間自殺者が3万人を毎年こえる状況であり、自殺対策は非常に大切だと思うが、効果的な自殺対策をすすめるために現状の把握が必要。東郷町の自殺者の分析などはどうなっているか。
(答)東郷町の自殺者は平成10年から19年までで78人。平均で年間8人。健康問題の理由が一番多く、うつの関係ではないかと推測している。

○次年度以降の取り組みは。
(答)自殺対策は今年初めて実施するが、23年度については基金を利用し、県と協議して具現化していきたい。

【子育て支援事業(出会いサポート事業)】
○男女が出会うパーティをしてはどうか
(答)愛知県がすでにシティホテルでのパーティを実施しており、県とは違う形で、自然に親しみ一緒にスキーなどを楽しむ中で出会う形式をとることで、東郷町ならではの特徴を出していきたい。

○委託先は?
(答)いこまい館を管理している施設サービスに委託することで、ジムに通っている若い男女に出会いサポート事業への参加を募ることを考えている。

○参加条件は?
(答)20歳以上で、年齢の上限は設けない。

○20代の若者は出会いの場は多い。異性と出会う機会が少ない30代、40代を応援できないか。
(答)20歳以上という年齢は補助事業なので県の条件に合わせた。

○日進市の婚活パーティーは新聞に出たが、東郷町でも話題になるような特徴を。
(答)一般的な婚活は県が行っており、地域間交流として王滝村に行こうと考えている。単なる婚活でなく、ふるさと創生、少子化対策、地域間交流という狙いからの企画である。

○参加希望が多かった場合は追加予算は考えているか。
(答)参加人数は独身男女各20人を予定。今年は夏、冬2回を予定しており、追加は考えていない。今年2回実施し、成果が上がれば、来年につなげていきたい。

○募集の仕方に公平性をもってほしい。募集まで業者に委託するのか。
(答)広報とうごうやホームページで全町に対して公平に知らせると同時に、出会いが少ないと思われる消防団、自営の方へということで商工会にも声をかけ、もう1つの手段として町のスポーツジムで若い方々に参加を募っていきたい。募集は委託先にも頼むが、町で募集する部分もあり、募集に関しては委託する範囲を確認したい。

今年度は議会だより編集特別委員会の委員ではないので、議会閉会後に編集作業におわれることがなくなり、少しほっとしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

議会への「住民参加」を積極的にすすめるための提案を出します

全国の市町村議会では、議会改革に向けての動きが加速しています。

多くの地方議会では、「議会改革検討委員会」を立ち上げ、議会改革をどう進めるかについての話し合いを始めているのですが。
東郷町では「議会改革」とせず、「議会活性化特別委員会」というものが設置されました。

残念ながら、わたしは「議会活性化特別委員会」の委員ではありませんが、全議員に対して意見を文書で提出するようにという案内がありましたので、わたしも議会改革の提案を出すことにしました。

わたしが提案しようと考えているのは、議会への「住民参加」をすすめるための改革案です。
以下に概略を紹介します。

------------------------------------------------

議会への「住民参加」を積極的にすすめるために
(山下りつこ案)

 住民に開かれ、住民参加型の議会に改革していくために以下のことを提案します。

① 住民に開かれた議会に変るための提言(情報公開、説明責任、透明性の確保)
・ 議会に傍聴に来た住民が議論の内容を把握できるよう、議員に配布されている資料は事前に町のホームページに掲載し、議会の傍聴者が希望した場合は配布する(現在のように「持ち出し禁止」でなく、持ち帰ることを認める)。
・ 常任委員会、特別委員会への傍聴は基本的に自由とする。
・ 議会は本会議、委員会ともにインターネット中継を行う。
・ 議案の賛否について氏名を公表したものを議会ホームページにも掲載する。
・ 議事録は委員会の抄録も議会のホームページに掲載する。
・ 議会として住民との「対話集会」を行い、議会の報告を行う。

② 住民参加型の議会に変えるための提言
・ 請願や陳情は住民からの政策提言と位置づけ、陳情も担当委員会で審議することとする。
・ 請願については、議員の紹介がなくても受け付けることとする。
・ 請願者である住民が議場で請願についての説明をしたり、議員の質疑に応じることができることとする。
・ 住民が困りごとや意見を議会に来て言えるように、当番議員を決めて議会の受付窓口を開く。
・ 公聴会を開き、事前に申し込みをした住民が議員に意見を述べる仕組みをつくる。

------------------------------------------------

現在の東郷町議会は、住民にあまり開かれていません。

なにより問題だと思うのは、委員会(民生委員会、経済建設委員会、総務委員会、議会運営委員会、議会活性化特別委員会)の傍聴が非常にしずらいこと。
条例で、3常任委員会(民生委員会、経済建設委員会、総務委員会)は、「傍聴に委員長の許可が必要」と定められているため、委員会が始まる午前9時より前に議会にこなければ、委員会の傍聴はできないのです。(委員会が始まれば、もう傍聴できません)
また、議会運営委員会、議会活性化特別委員会は、委員会が開かれる日が議会ホームページに掲載されておらず、住民が傍聴しようとしても日程すらわからない状態です。

住民が議会に意見を言える、法律で定められた請願・陳述も、請願は紹介議員が必要なため、議員に知り合いがいなければ、それだけで住民は請願を出すのが難しくなります。
さらに問題なのは、陳情の取り扱い。
東郷町議会では、陳情はファイルにとじて、議員控え室においてあるだけ。
全議員に対して配布もされず、常任委員会でその可否について審議もされません。
陳情には紹介議員が必要ないため、住民としては請願より出しやすいのですが、肝心の議会で審議されなければ、何のために出しているのかわかりません。

こうした議会を変え、住民に開かれた住民参加型の議会にしていくことが、なにより重要だと考えています。

意見の提出は議会最終日(6/22)に行う予定です。
お気軽に、わたしの提言に対して、ご意見、感想などお寄せください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

介護予防はきめ細かい個別の状況把握から

2006年の介護保険見直しで、取り入れられた「介護予防」。
介護保険の予算の3%までが介護予防にあてられることになっていますが、果たして今のままで効果があるのかどうか、疑問の声があがっていました。

今日の新聞で、介護予防について厚労省が見直し案を発表したと掲載されていました。
以下に転載します。

-----------------------(ここから引用です)-------------------

介護予防 戸別訪問が効く?
高齢者の健康細かく確認 厚労省が見直し案

 高齢者が介護保険サービスに頼らず自立した生活を続けられるように、長妻昭厚生労働相は、介護予防事業を強化する方針を固めた。アンケートや戸別訪問で健康状態を把握し、体力増進プログラムへの参加などを促す。年内にも自治体に通知し、来年度からの実施を目指す。
 介護予防事業は、介護が必要な状態になることを水際で防ぐ目的で、2006年度の介護保険制度改正で導入。厚労省は高齢者の10%程度が対象になると見込んでいたが、把握できたのは4%弱で、体操教室や栄養教室など予防事業への参加者は全体の0.5%にとどまっている。行政刷新会議の事業仕分けでは予防事業の効果に疑問が示され、見直しを求められた。
 予防事業の対象者の把握は、自治体による健康診断を活用。ただ、介護が必要になりそうな人は、うつ状態だったり認知機能が低下していたりする場合も多い。こうした人は健康診断を受けない傾向にあり、実態把握が難しい一因になる。
 そこで厚労省がまとめた見直し案では、まず高齢者に郵送でアンケートを実施。日常生活で感じる不便な点や、物忘れの程度などを答える形式だ。返送されない場合は、自治体職員や民生委員らが直接訪ねて、介護予防が必要かどうかを確かめる。
 介護予防の対象者は自治体が「特定高齢者」と認定していたが、レッテルを張られることに高齢者の抵抗感があるため、名称を変更する。予防プログラムも見直し、転倒防止や腰痛軽減策など参加意欲を高めるものにするという。
 また、元気な高齢者には介護予防事業の運営への参加を促す方策も講じる。例えば、介護保険料の支払いや将来のサービス利用に使える「介護ポイント」を新たに設ける。
 一方、介護の必要度が低い「要支援」から、必要度が高い「要介護」となった場合、介護サービス利用計画を作るケアマネジャーが代わるため、現場からは不満が出ていた。このため、同じケアマネが引き続き担当できるように省令改正を検討する。

(朝日新聞/2010年6月17日(木)朝刊)
--------------------------(引用ここまでです)------------------------

介護予防が必要というよりも、生活する上で何らかの手助けが必要な高齢者にサービスが届いていないのが問題だと思います。
認知症の症状が出てきたり、うつ気味になって家に閉じこもっている高齢者は、自分から「助けて欲しい」と訴えることができません。
自分で助けてといえない人を、どう見つけて、少しでも早く支援に繋げていくかが、これからの大きな問題になると思います。

厚労省は、きめ細かい戸別訪問による状況把握をすすめるつもりのようですが、これは方向としては間違っていないでしょう。
介護をめぐる悲劇がおきないように、必要な人には一刻も早く、助けが入る仕組み作りが必要です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

認知症は予防できる?!

「地域で認知症を支える」をテーマに、国立長寿医療研究センターの遠藤英俊先生の講演会が行われました。

主催したのは、NPO法人「地域ネットワークほほえみ」。
孤立しがちな人たちをつなぎ、安心して認知症の人が暮らせる社会づくりをめざすボランティア団体です。
遠藤先生の講演は、地域ネットワークほほえみの設立記念講演会として行われました。

遠藤先生からは、認知症の最新医療情報を交えた、とても興味深い話がたくさん披露されたのですが、中でも一番印象に残ったのが、修道院の修道女の話。
亡くなった修道女が医療に貢献するために、死後、脳を提供しているとのこと。
で、解剖した結果わかったのが、
脳の所見からは、萎縮がありアミロイドの付着もあるなど、どうみても認知症の脳なのに、認知症の症状が出ないまま亡くなった方が8%あった。
というのです。
つまり、脳が萎縮して機能が落ちているにもかかわらず、生活に支障がでるような認知症の症状がでない人が1割弱いるわけです。

なんらかの支援がないと生活できないなど、生活上の支障が出るのが認知症とされていますから、症状がでなければ、いくら脳が萎縮していようと、認知症ではないのです。

では、どうしたら認知症にならずに済むのでしょう。
遠藤先生によると、認知症の予防として効果がはっきりしているのは、次の4つ。

①生活習慣病を防ぐ
血管性の病気や糖尿病などは、認知症になりやすくなるリスク因子です。野菜をたくさん食べる、規則正しい生活をするなど、生活習慣病を防ぐことが、認知症の予防につながります。

②運動
40歳になったら、運動する習慣を持つのが大切だそうです。
といっても、スポーツをするとかでなく、1日30分歩く(できれば週に3日は)だけでOK。
歩くことで、脳の血流が増え、認知症の予防につながります。

③知的生活
好奇心をもって、楽しく暮らすことが大切です。
読書、パズルゲーム、計算、コーラスなど、頭を使って楽しむ趣味を続けることが、認知症の予防につながるそうです。

④コミュニケーション
家の中に閉じこもり、だれにも会わず、だれとも口をきかない生活は、認知症をひきおこします。
1日1時間、気の合う人と楽しくおしゃべりすることが、脳の血流を活性化させることがわかっています。
地域に気軽に立ち寄って話ができる「たまり場」があると、認知症予防につながります。

認知症になっても、それまで属していた趣味のサークルに通いつづけたり、なじみの店に行って話をしたりすることで、認知症が進行しないで穏やかに過ごせるという報告も出ています。
グループホームでも、毎日、外に散歩に出かけるところが、認知症の悪化を防ぐそうです。

毎日、外にでかけ、人と話し、趣味など自分なりの楽しみを続けることが、認知症を予防し、認知症の進行をおさえます。
あたりまえの暮らしを、意識的に送ることが大切なのだなと再確認した思いでした。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

人生の最後をどう迎えたいかを考えるために

明日の午後1時半から、東郷町のいこまい館で行う「終末医療の選択」についての勉強会。
講師に来てくださる「せんねん村」の看護師、山田さんの記事が、今日の中日新聞に掲載されていました。

-----------------------(ここから引用です)----------------------

風の霊安室

「近くの子どもたちが集まって遊んだり、弁当を広げたり。ここはうちで一番の場所なんですよ」

施設で最後を迎える「看取り」を実践している、西尾市の特別養護老人ホーム「せんねん村」。
移動式の戸が取り払われ、中庭をぐるりと見渡せる空間には「風」という名前がついていた。
そこが施設の霊安室だと、看護師の山田江己子さんは教えてくれた。

「寝たきり専用賃貸住宅」の問題を取材する中で痛感した。
医療技術の発達と拝金主義の横行に囲まれながら「人生の最後をどう迎えたいか」という肝心の願いがドーナツのように抜け落ちた社会。
そんな長寿社会を、私たちは生きている。

せんねん村では、入所者が意思決定できなくなったときのため、最後にどんなケアを望むかを家族と話し合い「事前指定書」という書類に記入してもらっている。
ほとんどの人が施設での看取りを希望し、普段通りの暮らしのまま死を迎えるという。

より良く生きる。
その延長線上に死がある。
風の霊安室は、その象徴なのだろう。
(後藤厚三)

(中日新聞/2010年6月11日・朝刊)
---------------------(引用ここまでです)-----------------------

より良く生ききることを支える先に、最後の時がある。
終末期の医療について、まず知って、自分なりに考えることから始められればと思います。

終末期医療の勉強会は、明日の午後1時半から。
東郷町のいこまい館2階、会議室Bで行います。
まだ定員には余裕がありますので、どうぞお気軽にお越し下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

住宅型有料老人ホームの調査について新聞で掲載されました

市民ボランティア団体「介護施設と地域を結ぶ市民の会」で行った、愛知県内の住宅型有料老人ホームの訪問調査。
先月の29日、公開報告会を行ったのですが、その時に中日新聞の佐橋記者が取材に来てくれました。

で、今日の中日新聞の朝刊に、記事が掲載されたので、以下に転載します。

--------------------(ここから引用です)----------------------

有料老人ホーム
住宅型 サービスに大差

 介護サービスを外部の事業者が提供する「住宅型有料老人ホーム」では、サービス内容に大きな差があることが、愛知県東郷町の市民団体「介護施設と地域を結ぶ市民の会」の調査で分かった。入居前には、現場を見て、契約内容をよく確かめる必要がありそうだ。

料金や食事、入居条件…「内容吟味し契約を」

 有料老人ホームのうち、「介護付き」には情報公開の義務があり、介護サービス情報公表支援センターのホームページで、各施設のサービス内容や料金を閲覧できる。その一方、「住宅型」には情報公表の義務がなく、入居の可否を判断する情報が乏しい。

 同会は昨年6月、愛知県に登録された68カ所の住宅型有料老人ホームを対象に、サービス内容や料金、情報公開の程度などを調べた。(回答率42.6%)
 調査をもとに、会がまとめた報告書によると、入居時に払う一時金は、4千万円台から無料までと、さまざま。個室がほとんどだが、生活保護受給者でも入れるよう、低い料金設定で、1つの部屋に複数のベッドを置いた雑居部屋もあった。
 食事が選べないホーム、飲酒禁止のホームがそれぞれ約3割。通院するときの職員付き添いは、無料25%、有料61%、不可7%と対応が分かれている。指定の介護事業所のサービスしか受けられない施設も多かった。
 入居条件では、「医療行為が必要な人はすべて受け入れ不可」が2割。「認知症の人お断り」のところがある一方、要介護4、5の重度の人限定のホームもある。
 「ホームによって差があることを前提に、契約内容を吟味しないと、入居後、『こんなはずじゃなかった』となりかねない」。同会代表の山下律子さんはこう話し、入居希望者に、判断材料になる情報を見せようとしない施設が多いことに苦言を呈した。
 県は指導指針で、重要事項説明書について「入居相談があったときや求めに応じて交付する」としている。しかし、請求があった場合に「送付できる」と答えたホームは約4割にとどまった。
 山下さんによると、ほかに入居希望者がチェックすべき点は、管理費に含まれない独自サービスとその費用、前払い金の保全措置の有無、退去を求められる条件など。契約に『他の人に迷惑や害を及ぼす場合は退去』とある場合も、「認知症だから出て行って」と言われる可能性があるという。事前に、退去を迫られる具体例や、退去後の入居先も確認した方が良さそうだ。

 各ホームページのサービス内容の報告書は、同会のホームページ(会の名で検索)で閲覧できる。
介護施設と地域を結ぶ市民の会
http://kaigo-shimin.her.jp/

【有料老人ホーム】
高齢者を入居させ、食事などのサービスを提供する施設。特別養護老人ホームなど、別のサービスに分類される施設は除く。要介護度ごとに決められた金額を払えば介護サービスを受けられる「介護付き」と、ホームは食事などを提供するだけで、介護サービスは外部の事業者が提供する「住宅型」がある。住宅型では、重度になると、介護にかかる費用がかさむ傾向がある。

(中日新聞/2010年6月9日・朝刊)
-------------------------(引用ここまでです)----------------------

報告会での内容を、簡潔によくまとめていただいていると感謝しています。

自分の老後をどこで過ごすのか。
介護が必要になったら、だれに介護を受けるのか。
いずれ、選ぶ時がやってきます。

いざとなってから、あわてないように。
老いの住まいについて、情報を集め、自分なりの方向を決めておくことが大切ではないでしょうか。

5/29に行った住宅型有料老人ホームの報告会は、120人以上がつめかけ、部屋が満員になるほどの盛況となりました。
自分の老後をきちんと考えようという方が、増えていると実感しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

認知症を地域で支える〜遠藤英俊氏(国立長寿医療センター)の講演があります

いよいよ明日は、議会の一般質問初日です。
わたしは6番目、たぶん午後の3〜4時にスタートとなると思います。

これから、明日の一般質問にそなえて、質疑を練らなければならないので。
とりいそぎ、今週末に行う予定の認知症講演会の案内をします。

----------------------------------------------------

「認知症を地域で支える」

1人暮らしや夫婦ふたりだけの高齢者世帯が増え、介護に対する将来の不安を口にする人が増え続けています。
介護をめぐる問題で、一番これからポイントになってくるのが、認知症のこと。
認知症になっても安心して住み慣れた地域で暮らすためには、どうしたらいいのでしょうか。
講師に国立長寿医療センターの遠藤英俊先生をお迎えして、認知症の最新医療情報や、認知症の方をどう地域で支えるかについてお話しいただきます。
入場無料ですので、お誘い合わせの上、ぜひ気軽にご参加ください。

  日時/6月13日 夜7時〜
  場所/天白文化小劇場
  講演/遠藤英俊氏(国立長寿医療センター包括診療部長)
  定員/300人
  入場無料

※事前申し込みは、必要ありません。
 ご都合のつく方は、ぜひ当日、天白文化小劇場(地下鉄「原」からすぐ)にお越し下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

障がいがあっても共に学び働くことができる社会へ〜新居浜市:知的障害者を新部署で2人雇用

6月議会が始まりました。
わたしは、来週の火曜日、6月8日の午後から一般質問を行います。

今回の一般質問では、障がい者の就労支援についてとりあげます。

障がいがある、なしに関わらず、だれもが意欲や能力に応じた仕事に就けるようにという目的から、障害者雇用率が定められています。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」の一部が改正され、この障害者雇用率達成の義務がある企業が、今年の7月から「常用雇用労働者201人以上の企業」に、また5年後の平成27年からは「101人以上の企業」にまで拡大されます。

こうした一般企業の障がい者雇用をリードし、お手本となるべき自治体行政は、障害者雇用率2.1以上を守ることが義務づけられています。

もう1つ大事なことは、障がい者雇用という場合に、「障がい者」は身体障がいだけではなく、知的障がいや精神障がいも含まれるということです。
自治体で障がい者雇用を行う場合、身体障がい者だけに限っている(東郷町はそうなのです)市町村がありますが、一方で、知的障がい者を積極的に雇用しようという自治体も出てきています。

------------------------(ここから引用です)-----------------------

新居浜市:知的障害者を新部署で2人雇用 
 県内初「すてっぷ」設置 /愛媛

◇「一歩前進も根本解決まだ」更なる改善望む声も
 新居浜市は1日、知的障害者の直接雇用を目的とした総務課分室「すてっぷ」を設置する。同市によると、知的障害者の雇用を主目的とした部署設置は県内市町では初めてで、横浜市などで実施されているが、全国的にも珍しいという。佐々木龍市長が定例会見で発表した。

 「すてっぷ」は市内の知的障害者の男女2人を非常勤職員として雇用し、庁舎3階に作業室を設ける。常勤の総務課職員1人が作業の指導に当たり、資料のコピーや市が発行する印刷物の封入、不要書類の裁断などの作業をするという。雇用期間は1年間だが、5回の雇用更新が可能で、最長6年間になる。

 同市は10人の身体障害者を雇用しているが、知的障害者は07、08年度に1人だけにとどまっていた。

 同市は、専用部署の設置を、健常者の中に入っていくことがないため障害者にとってプレッシャーが少なく、市が率先して雇用することで地域の障害者雇用への理解が深まる、などの効果がある、としている。当面は採用は2人だが、仕事量に応じて人数を増やすことも検討している。

 1日に開所式を行い、佐々木市長が2人に辞令を交付する。

 「すてっぷ」設置について、知的障害のある長男を持つ60代の女性は「喜ばしいことで一歩前進」としながらも「他の職員と別の部屋で仕事をさせるよりも、積極的にかかわる仕事をさせてほしい。また、非常勤では根本的な雇用問題の解決にはならず、今後の改善に期待したい」と話している。

(毎日新聞 2010年6月1日 地方版)
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20100601ddlk38010634000c.html
--------------------------(引用ここまでです)----------------------

知的障がい者の雇用は、横浜市が先進的に取り組んでいましたが、人口が約368万人という巨大都市ゆえ、先進事例として紹介しても、「東郷町とは規模が違いすぎますから」と言われてしまい、なかなか考えてもらえませんでした。

ですが、愛媛県の新居浜市は、人口12万5千人のまち。
東郷町の3倍ぐらいの人口規模ですが、このぐらいの規模のまちが、知的障がい者を2人、非常勤職員として雇用したという記事は、心強い報道です。

新居浜市のホームページでも、この件に関しての記事が掲載されていました。
以下に転載します。

------------------------(ここから引用です)------------------------

障害者雇用 総務課分室「すてっぷ」がオープン

 新居浜市は、障害のある人もない人も互いに支え合い、地域で安心して生き生きと暮らせる社会の実現を目指し、障害者の自立と社会参加の促進を図ってきました。
 この度、これまでの福祉的就労から一歩進んだ、ワークシェアリング的な就労を目指して、6月1日から知的障害者2名を非常勤職員として雇用し、総務課分室「すてっぷ」をオープンしました。このことにより、新居浜市に生まれた人が、ふるさとで共に学び、働くことができる社会の構築を目指します。

http://www.city.niihama.lg.jp/soshiki/detail.php?lif_id=15031

-------------------------(引用ここまでです)----------------------

東郷町では、2.1の雇用率を守るために、今年度も障がい者の雇用を行う予定です。
昨年までは「身体障がいのみ」と制限を加えていましたが、今年度の募集要項では、知的障がいや精神障がいの方でも応募できるようにしてほしいと思っています。

議会の場で、どこまで前向きな答弁が引き出せるかわかりませんが、頑張りたいと思います。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

介護する人を支援するための法律〜イギリスの介護者(機会均等)法

日本で、過去12年間に発生した「介護殺人」は454件。
これは、高齢者虐待について研究している、日本福祉大の湯原悦子准教授の調査で明らかになった数です。

最近、4年間では、年間40〜50件もの殺人が発生しているのだとか。
つまり我が国では、月に3〜4件もの介護殺人が起きているというのです。

介護殺人や介護者による高齢者虐待を減らすためには、どうしたらいいのか?
このことについて、湯原先生が対談をしている記事を以下に引用します。

--------------------(ここから引用です)---------------------

介護する側を守る法とシステムの確立を

 過去12年間に発生した「介護殺人」は454件。つまり、この国では、介護者が要介護者を殺す事件が、月に3件程度は発生している-。日本福祉大の湯原悦子准教授の調査で明らかになった現実である。高齢化が進行する中、この痛まし過ぎる現実を解決するすべはあるのか。「まずは、介護する側を守る法とシステムの確立が不可欠」と訴える湯原准教授に話を聞いた。

―12年間に454件もの介護殺人が発生しているとは、想像以上の数でした。

残念ながら、その数ですらも氷山の一角にすぎません。

―どういうことでしょうか。

 今回、発表した数字は、新聞報道された事件のうち「被害者は60歳以上。介護が原因で家族や親族によって引き起こされた殺人や心中」だけを集計したものです。しかも心中については、遺書やメモなどで介護が背景にあるとはっきりしたものだけをカウントしました。理由がよく分からない心中も少なくありませんから、現実の介護殺人はもっと多いはずです。

―2000年には介護保険が導入されています。この保険は、介護殺人の発生状況に変化をもたらしているでしょうか。

 一時的に減った時期はありますが、最近4年間だけで見ると、年間40-50件もの殺人が発生しています。介護保険が導入されたからといって、介護殺人が減っているわけではないと言えるでしょう。

―介護殺人の特徴について教えてください。

 特徴の一つは、半分以上が心中目的であることです。これは、10年以上前から変わりません。また、加害者と被害者の立場で見れば、「息子が親」を殺すパターンと、「夫が妻」を殺すパターンが多いですね。最近はどちらかというと、「夫が妻」を殺すパターンの増加が目に付きます。
 男性が加害者となるケースが圧倒的に多いのも特徴です。事実、454件の7割余りは、男性が加害者でした。虐待にしても、かつてはお嫁さんが義理の父母への加害者となるパターンが多かったのですが、今では息子が実の父母を虐待するケースの方が目立ちます。

―なぜ男性の介護者は、殺人や虐待の加害者になりやすいのでしょうか。

 男性の場合、介護だけでなく家事でも行き詰まる人が多いからでしょう。例えば、ほとんどすべての女性は、スーパーマーケットでの買い物を苦痛と感じることはありません。ところが、男性は違います。特に現役時代、一定の社会的地位にあった人は、「スーパーで買い物かごを提げた自分」に、たまらないほどのみじめさを感じることもあるようです。

 また、比較的高齢の男性では、悩みを他人に相談したり、愚痴をこぼしたりすることを潔しとせず、黙々と介護に取り組む人を多く見掛けます。ちょっとしたことでも友人としゃべり合い、不安や悩みの“重さ”を分かち合う女性とは、まるで違います。このあたりにも、男性が加害者になってしまう原因があると思われます。
 「悩みを打ち明けるか、自分の胸にしまっておくか」など、単に生き方の相違で、殺人や虐待を引き起こすような問題ではないと思う方がいるかもしれません。しかし、誰とも悩みや不安を共有せず、一人で頑張り続ける時間が1年、2年、3年…と続いていくとしたら、どうでしょう。どんなに心が強い人でも、心身共に疲労困憊して、うつ状態になり、将来に希望を見いだせなくなるのではないでしょうか。

―すると、虐待や殺人に走りやすいのは「妻の介護を手掛ける夫」ということでしょうか。

 確かに「夫が妻」を殺してしまう例は増えています。しかし、それより深刻な問題が発生しやすいケースがあります。「無職の息子が母親を介護する」ケースです。特に、その息子が引きこもりがちだったりすると危険です。こうした男性のほとんどは、介護に関する知識がない上、他の人に助けを求めることが苦手だからです。
 例えば08年7月には、引きこもりの男性が介護を必要する母親の面倒を見きれず、絞殺する事件も発生しましたが、この母親は、ほとんど介護を受けていませんでした。殺される直前などは、ほとんど食事を口にしていない状態でした。

―介護殺人や虐待を防ぐには、どうしたらよいでしょうか。

 殺人にしろ、虐待にしろ、その兆候となる言動をキャッチすることが発生防止のカギとなります。だからケアマネはもちろん、家族や親せきも、最悪の事態もあり得ることを心に留め、介護者が頑張り過ぎていないか、うつ状態になっていないかなどに注意を払うことが必要です。

―しかし、家族やケアマネの注意力に頼るだけの対策では限界があります。法や制度の改革で、問題を根本的に解決することはできないでしょうか。

 まずやるべきは、介護者の権利擁護の根拠となる「介護者法」を制定することでしょう。英国などでは施行されている法律ですが、その理念は「介護役割を引き受けることによって、社会的に孤立したり、余暇が楽しめなくなったり、就労の機会が奪われたりしてはならない」です。
 日本の社会では、自らの生活や権利を抑制してでも介護を全うすべき、という雰囲気があるように思えてなりません。その結果、心身共に疲れ果てた介護者が殺人や虐待を引き起こしているのではないでしょうか。そうした雰囲気を変えるためにも、介護者の権利を守る法律を制定することから始めるべきだと思うのです。近日中には、同様の志を持った識者や大学関係者が集まり、介護者の権利を守るための団体を立ち上げ、介護者法の確立に向け運動を進めていく予定です。

―しかし、法を作るだけでは、現実の問題は解決しないのではないでしょうか。

 もちろんです。介護者法の成立を目指すと同時に、介護者の心身の状況などを推し量るアセスメント作りにも取り組みたいと考えています。アセスメントについては、まだ検討を始めたばかりなので、多くは語れませんが、例えば「うつ状態」にあるかどうかの検査項目などは、ぜひ盛り込みたいですね。
いずれにせよ、このまま手をこまねいていては、介護殺人も虐待も減ることはありません。一刻も早く、介護者を守る法とシステムを整備する必要があります。

( 2010年05月15日 10:00 キャリアブレイン )
http://news.cabrain.net/article.do?newsId=27614

----------------------(引用ここまでです)-----------------------

文中で、イギリスの「介護者法」について言及されているので、少し調べてみました。

イギリスでは、家族や友人、近隣の人など、ボランティアで介護をしている人を「介護者(ケアラー)」と呼んでいます。
(仕事で行っている介護職のフォーマルサービスと区別するために、インフォーマルな介護サービスを「介護者」と位置づけているようですが、注目すべきは、「介護者」を家族だけでなく、友人や近隣の人も含めていることだと思います)

こうした仕事でなく、自発的な意志で親しい人の介護を行う「介護者」に対して、イギリスでは支援する法律を整備しています。
それが、「介護者法」です。

特徴は
①介護者がどの程度、介護をすることができるのかをアセスメントする
 (自治体はアセスメント請求権が介護者にあることを知らせる義務がある)
②要介護者から離れて、自分の生活を楽しむための「介護休業制度」がある
③介護者手当、税制上の措置、公的年金制度上の取り扱いなど、介護を行うことで経済的に不利にならないよう、所得保障がある
④介護者が仕事に戻れるよう支援する
などのようです。

以下に、介護者法について、簡潔にまとめてあったホームページをリンクしておきます。
矢部久美子のイギリス福祉情報 No.37
http://www.tutui.com/yabe/yabe_37.html

---------------------(ここから引用です)----------------------

家族など介護者への支援を強化する法が成立

 介護者(機会均等)法 Carers(equal opportunities) Actが2004年7月22日に成立した。www.dh.gov.uk
 同法の狙いは1995年、2000年の介護者関連法を強化し、介護者の生活の質を高め、介護を続けることができるよう支援することだ。
 自治体がケアのニーズのある人とその介護者のニーズを審査しサービスを組み立てているが、同法は自治体に、介護者がニーズ審査を受ける権利があるということを介護者本人に知らせることを義務付けた。多くの介護者が介護者としてニーズ審査を受ける権利があるにもかかわらず、そのことを知らずにいるという状況を改善することになるだろう。また自治体のケアマネジャーは、介護者のニーズ審査を行なうときに介護者の働きたいという願いや研修、娯楽などへの望みを考慮にいれることも義務付けられた。

--------------------------(引用ここまでです)-------------------

日本の在宅介護は、家族介護に頼ってきました。
しかし介護保険制度では、本人のアセスメントはしても、介護者のアセスメントは行わず、介護者である家族の介護力は、要介護度を決める際に考慮されてきませんでした。

在宅介護を願う人は多いし、できれば愛する家族に介護されたい(家族も介護したい)という思いは根強くあります。
介護者の支援をおきざりにしては、在宅介護を支えることは難しいと思います。

介護される人の人権とともに、介護者の人権も保障する。
そうした視点での制度改革が必要だと感じています。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

老い支度講座〜「どう選ぶ?わたしの終末期医療」

医療が進み、長生きができる時代となりました。
一方で、たんに長く生きるだけでなく、どう生きるかという生活の質や、どう死ぬかというクオリティオブデスを考えることが求められています。

昔は口から食べられなくなったら“死”であったのが、今では、口から食べられなければ、直接、胃に管を入れ、栄養を注入する経管栄養があたりまえになりました。
自力で呼吸が難しくなければ、人工呼吸器をつけて、何年も生き延びることも可能です。
ただ、経管栄養も人工呼吸器も、今はほとんどの場合に家族がつけるかつけないかを決断しています。
自分の命の終わりをどうするか。
自分で考え、判断することが必要だと考えています。

そこで、終末期の医療選択について、看護師の山田さんを迎えての勉強会を企画しました。
山田さんは、愛知県西尾市の特別養護老人ホーム「せんねん村」で、看護師として入所時に医療の事前指定書を使って、お年寄りの終末期医療選択を支援しています。

詳細は、下記のとおりです。

-----------------------------------------

老い支度講座
どう選ぶ?わたしの終末期医療
 〜事前指定書という選択〜

日時/6月12日(土)午後1時半~3時半
講師/山田 江己子さん(特別養護老人ホーム「せんねん村」看護師)
内容/
終末期医療とは、何でしょうか?
最後の時に、わたしたちがどんな医療選択を迫られ、その結果としてどんなことが待っているのかについて、あらかじめ知ることが大切です。
そこで、特別養護老人ホーム「せんねん村」の看護師として、入居者のお年寄りの最後を支え、医療の事前指定書という医療選択支援を行っている山田さんを講師に迎え、終末期とはどんな状態か、その時に、わたしたちがどんな医療選択を迫られるかについて、具体的な事例を交えてお話しいただきます。
終末期医療の選択を、事前指定書という形で意思表明するやり方についても学びます。

場所/東郷町いこまい館 2階・会議室B
(いこまい館への行き方は、
http://www.town.togo.aichi.jp/contents/ePage.asp?CONTENTNO=563&PNO=

参加費/200円

※参加ご希望の方は、右上の「メール送信」から、氏名、連絡先を明記の上、お申し込みください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »