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いま生きている喜びを支える

在宅で暮らすことの果てにある、在宅で死ぬということ。
「家で死にたい」と願う人たちを支えるプロに、訪問診療をする医師や訪問看護師がいます。

今晩、NHKで放送された「プロフェッショナル仕事の流儀」は、終末期の患者が自宅で暮らすことを支え続ける訪問看護師、秋山正子さんを特集していました。

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プロフェッショナル仕事の流儀 3月16日放送
http://www.nhk.or.jp/professional/

どんなときでも、命は輝く
 〜訪問看護師 秋山正子

終末期のがんや神経難病、老衰。重い病などを抱えながらも、退院して自宅で暮らしたいという人々を支える、訪問看護師のパイオニア的存在、秋山正子(59)。
20年近く新宿区市ヶ谷の周辺で、150名もの在宅療養の人々を回り続けている。
人々を希望で照らすその姿から、「市ヶ谷のマザー・テレサ」と呼ばれる。

秋山の仕事は、病院に出向いての退院調整から、個別の事情に合わせた療養支援、そして人生の最期を家で迎えようという人々のみとりや、家族の心のケアと幅広い。
家での療養では、医師や看護師が24時間常駐している病院とは違い、容態の急変への対応や家族の介護疲れなど、さまざまな困難が伴う。
秋山は、あらゆる手立てを駆使して、利用者を支える。
家を訪ねた時に相手とする何気ない会話ひとつひとつにも、訪問看護師としてのプロの技が光る。

秋山が最も大切にするのは、自宅で療養する人々が、今、生きている喜びを味わえること。
人は、どんな困難の中にあっても、今この瞬間を輝き、喜ぶことができると秋山は信じる。
番組では、さまざまな人々の人生と向きあう、秋山の日々に密着する。
進行した胃がんを抱えながら、残された日々を家で暮らしたいと願う一人暮らしの男性。老衰の父親と、それを支える娘。都会の片隅で繰り広げられる、きずなのドラマを描いていく。

-------------------(引用ここまでです)----------------------

秋山さんが、訪問看護師になったきっかけは、がんを患った姉を家で看取ったことだといいます。

秋山さんが39歳の時、2つ上の姉が、がんに・・・。
料理が好きで、家族のために家事をすることを誇りに感じていた姉に
なんとか輝いて生きて欲しい。
できる限り家で過ごさせてあげたい。
そのために、ベッドは台所から見渡せる場所に置き
学校から帰った子どもたちは、ベッドの回りで宿題を広げ、遊ぶ。
それを見つめる姉の表情はとても穏やかで、
4ヶ月後、「家にいられてよかった」と言って亡くなります。

この経験から、秋山さんは
家で暮らすことには底知れぬ力がある。
それを支えたいと思うようになりました。
そして、
家での看護の技術を学び、姉を看取った経験から、積極的に終末期のがん患者を受け持つようになります。

たくさんの命を見つめ続けて、秋山さんが気づいたことは、
どんな厳しい状況にあっても、人生の喜びはそこかしこにある。
ということ。
自分の仕事はその喜びを感じられるよう、支えること。
その思いで、訪問看護師として日々仕事を続けていると、番組の中で話していました。

先日、在宅でがんの看取りを行う小笠原内科に、取材に行きましたが
その折りにも、
最後がせまった人にとって、どんなに家での暮らしが大切かをかいま見ました。

自分の見慣れたものに囲まれて、使い慣れたベッドで横になる。
家族が台所で調理をする気配。
だしをとる、かつおぶしの香り。
味噌汁を一口飲んで「ああ、うちの味噌汁だな」と思わず笑みがこぼれる。
そんな、あたりまえにある日常のありふれた出来事が
「いま生きている喜び」として、輝きを放つ。
病院や施設では味わえない、幸せが家での暮らしにはあるのだと、しみじみ感じました。

その人の日常の生活を大事にする。
いま生きている喜びを支える、在宅医療や在宅看護をもっともっと充実させたい。
そう思わされる番組でした。

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