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2010年3月議会一般質問報告③〜「地域を支える情報拠点」として図書館の再整備を

引き続き、3月議会で行った一般質問報告です。
今回は、図書館の見直しについて、質疑した内容を報告します。

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3.「地域を支える情報拠点」としての図書館の再整備を
「無料の貸本屋」と揶揄されることもある公立図書館ですが、だれもが気軽に立ち寄れる知の拠点として、重要な役割を担っています。この役割への認識と今後のあり方を問います。

①公立図書館として、「地域を支える情報拠点」としての役割をどう考えるか
「自殺したくなったら、図書館へ行こう」
これは、米国の図書館のポスターの言葉です。
ピストルをこめかみに当てた憂い顔の男の前に、積まれた本の山。
その下に、英文で、
「自殺しようと思うなら、やめなさい。そのかわり図書館へおいでください」と書いてあります。
図書館は、人生に悩み、苦しみ、死にたいほどのつらさを感じている人に対して、解決のかぎを差し出す場所。「人が生き延びていくための場所」が、本来の公共図書館の役割なのです。

平成21年の12月議会で、星野議員の図書館への質問にたいして、教育部長は
「これからの図書館は、地域の課題解決に向けた取り組みに必要な情報を提供し、課題解決に向けた資料を提供して、問題の解決を支援する機関として充実が求められています。住民に対しては、資料や情報の探し方を案内し調べ物を支援し、必要な情報を提供することが求められています。生活や仕事に必要な資料、自分や家族が抱えている問題を解決するために必要な資料を入手できる施設であることが求められています」
と答弁しています。

【山下】では現在、東郷町図書館では、住民が抱えている問題を解決するための資料や情報を入手する役割をどのように実行しているかお答え下さい。
【教育部長】現在の社会情勢を受け、制度の変化が激しく、技術の革新も急速であるため、社会人の持つ知識が急速に古くなり、新たな知識を常に学習し続けることが必要です。このためにも、必要な知識や情報が適切に入手できるような環境が不可欠です。
インターネットが普及する現在、その利用機会や活用能力には相当の格差があり、その是正を図るため、公共機関が利用機会の提供や情報の活用方法の教育を行うことが必要となっています。
現在、本町の図書館で行っているのは、近年の雇用情勢、就職難に対して、就職支援の図書コーナーを設け、インフルエンザの流行に対しては、医療系の図書の充実を図っています。
本町図書館に所蔵していない図書は、県下の図書館との連携(相互貸借)で、希望のあった図書の貸し借りを行い、広く利用者の要望に応えています。

【山下】問題解決のための情報や資料探しを手助けする「レファレンスサービス」が、図書館の重要な役割ですが、利用者に周知するためにも専用のレファレンス窓口、たとえば日進市図書館で行っている「レファレンスデスク」のようなものを設置してはどうですか。
【教育部長】本町図書館の司書はレファレンスサービスに対応できる能力は十分あり、司書が代わる代わる窓口に出て対応しています。ただ、レファレンスサービスに対応している旨の掲示や、わかりやすい窓口など、利用者にわかってもらえる工夫は必要だと思います。

【山下】北広島市図書館では、国会図書館にある雑誌(国内刊行の学術雑誌を中心として約1万誌)を記事索引できるシステムを持っており、希望に応じて国立図書館の雑誌の複写依頼を行っています。
東郷町でも図書館内の蔵書だけでなく、取り寄せができる他の図書館の情報も積極的に所得し、情報提供や資料の取り寄せを行うことはできませんか。
【教育部長】そういう点についても相談していきたいと思います。

【山下】情報拠点として、図書館で地域の郷土資料や地域情報の収集の状況はいかがですか。
【教育部長】本町の郷土資料収集は重要な業務であり、平成18年には、館内の小さいスペースですが、郷土資料コーナーを設置しました。特に行政資料等は個人では購入できない貴重な資料が多いため、収集し利用者への提供を行ってきました。
地元にゆかりのある作家・知識人の書物なども、予算の許す限り購入し、地元関係の資料を充実させたいと考えています。

【山下】パソコンでの情報収集の支援を行う意向は。
【教育部長】役場、いこまい館で、パソコンを住民に自由につかっていただくスペースを作っていましたが、利用に不適切なものがあり、撤去しました。こうした経緯から、図書館でのパソコン設置には慎重になっています。

【山下】さきほどの答弁で、「インターネットが普及する現在、その利用機会や活用能力には相当の格差があり、その是正を図るため、公共機関が利用機会の提供や情報の活用方法の教育を行うことが必要となっています」と部長が答えていらっしゃいますが、今の答弁と矛盾しませんか。
【教育部長】生涯学習でパソコン教室を開催しています。
【山下】パソコン教室の開催は別の話。今、問うているのは、パソコンに触れたことがない人も、図書館でパソコンでの情報収集ができるような場所と手助けを行う必要性です。
インターネットの普及により、パソコンを使った情報収集ができるかできないかで、大きな情報格差が生まれてきています。利用方法については、不適切にならない方法を検討すればすむはず。図書館内でボランティアによるネットでの情報検索支援を行うなど、方法はあると思います。
日進市図書館では、20台の情報検索用のパソコンを設置し、利用券の発行により利用できるようにしています。
ネット社会が進んだ今、パソコンに不慣れな住民に対して、パソコンでの情報収集を行うことは図書館に課せられた役割ではないでしょうか。また、小中学校でも、パソコンを使った調べものの宿題が出されています。家にパソコンがなくても、町の図書館に行けば調べられる体制が必要です。
ぜひ前向きに考えていただくようにお願いして、次の質問に移ります。


②図書館の運営に安易な民営化導入は危険では
【山下】図書館協議会に運営に指定管理を導入し、東郷町施設サービスにまかせる旨の提案がされていますが、協議の経緯と結果について説明してください。
【教育部長】平成21年11月21日に開催した図書館協議会において、図書館の指定管理制度の導入について議論いただきました。
事務局から、現在、町民会館を指定管理している東郷町施設サービス(株)を指定管理者として、本町でも図書館の指定管理制度を導入したいと提案し、意見をいただきました。
委員の意見としては、「指定管理とはどういう制度かわからない」という声が多く、「デメリットの可能性もあり危惧する」「経営はノウハウを持っているところでないといけない」「本を読むということに関しての大きな要素を管理中心の業者で運営できるのか」などの意見がありました。
協議の結果、今後も指定管理制度について研究していくということで、協議会は終了しました。

【山下】図書館協議会の会議録を見ましたが、疑問や否定的な意見がめだち、指定管理導入に対する理解は得られていないように見受けられました。指定管理を導入するデメリットをどう考えますか。
【教育部長】特に問題ないと思いますが、指定管理は有期限のため、短期間で管理者が代わり、業務の継続性や蓄積が継承できない可能性があります。

【山下】図書館は無料が原則です。指定管理制度を導入した場合のメリットとして、コスト削減を挙げていらっしゃいますが、儲ける部分がない以上、コスト削減は人件費削減につながるのではないですか。
【教育部長】経験の少ない町職員が図書館長や常勤職員を務めるよりも、民間で専門性をもった人員の配置で人件費が削減できると見込んでいます。

【山下】町職員が図書館館長や正規職員をつとめ、しかも2〜3年で代わるのは、専門性の蓄積という意味で問題が多いと思います。ですが、指定管理制度でも有期限ですから短期間で指定管理者が変わるため、継続性には疑問があります。
専門性の継続を担保するために、民間から図書館長を公募して継続性や専門性を保つことは考えられませんか。
【教育部長】図書館長の一般募集では、経費削減になるか疑問です。

【山下】最初に申し上げたように、図書館は人生に悩み、苦しみ、死にたいほどのつらさを感じている人に対して、解決のかぎを差し出す場所。「人が生き延びていくための場所」なのです。
命を守る図書館に、わたしはコスト削減は求めておりません。
指定管理制度を導入するかどうか、検討はいつまでとお考えですか。
【教育部長】図書館協議会や教育委員会で、指定管理制度導入の可能性を検討しているところです。そこでのゴーサインが出ない段階では、先に進めないと考えています。

【山下】経費削減だけを目的にした拙速な指定管理には反対します。
東郷町図書館をどんな図書館とするのか、理念を明確にし、きちんとした方向性や目標を決めることが必要です。それを実現するための最善の方法を考える中で、検討していくべきだと考えます。

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指定管理制度導入について、2回目の図書館協議会が、3/27の午後1時半から、町民会館2階の第3会議室で行われます。
わたしは傍聴に行く予定ですが、興味のある方は、ぜひお越しください。

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