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本人の自己決定をどう尊重するか〜権利擁護について考える

本人の自己決定をどう尊重するか〜権利擁護について考える
今日の午後、東郷町民会館で、権利擁護セミナーが行われました。
(写真は、第1部の新信聡弁護士の講演のようす)

権利擁護という固いテーマで、どれだけ人が集まるか、ちょっと心配だったのですが。
会場が満員になる盛況となりました。
長生きをする社会となり、老いてのちの権利擁護について関心の高い人が多かったのだろうと思います。

第1部では、愛知県社会福祉協議会の横山明泰氏による基調説明と、弁護士の新信聡氏による「法律家から見た権利擁護の10年」というテーマでの講演が。
第2部では、「今後の地域での安心した暮らしについて〜それぞれの福祉サービスの現場からの報告を通して」と題したシンポジウムが行われました。

とりわけ興味深かったのは、シンポジウムで語られた現場からの具体的な問題提起。
老人保健施設の相談員を行い、いままでに1000人以上の家族からの相談にのってきた川端さんは、家族による年金搾取による問題を語りました。

具体例として2例あげられたので、以下に紹介しますね。
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(例1)要介護5でまったく意思表示できないAさんの場合
Aさんの年金は、息子が管理し、施設の利用料を支払ってきていた。
ところが息子が失業し、利用料の支払いがストップ。
世帯分離で月10万だった利用料を7万に減額できたが、それでも支払いは滞る。
息子は再就職したものの、現在100万円弱の未収金が発生している。
契約書には「3ヶ月以上滞納したら、契約を解除する」と記されているが、介護力のない家庭に寝たきりのAさんを返して、命が維持できるかと考えると、心情的に退所してもらえない。
親の年金をあてにする家族が増えてきたら、施設は未収金をかかえてどうなるのだろうか。

(例2)要介護2で認知症のBさんの場合
夫が年金を担保に借金をしたということで、施設の利用料の支払いがストップした。
その後、夫も息子も亡くなり、収入がなくなったために、行政に相談。
遺族年金の手続きをして、滞納金はなくなり、利用料の支払いもできるようになった。
Bさんは特別養護老人ホームへの入所を希望していたが、夫も息子もなくなり、身元保証人がいなくなったために、特養に入所できない。
現在、金銭管理は施設が行っているが、成年後見の申し立てをして、後見人による金銭管理に切り替える必要があるのだろうか。
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また、ケアマネジャーの野中さんからは、1人暮らしの認知症の方の問題について話がありました。
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○1人暮らしで認知症のOさんの場合
過去の家族関係からか、娘は行方不明、息子は連絡を拒否しており、家族の援助も相談もできない状況。ケアマネジャーとして支援してきたが、本人が認知症で意思決定できないのに、家族も意思決定する状況になく、だれが決定すべきか疑問。
また持病があり病院に通うが、医師の説明を本人が理解できず、服薬や日常の健康管理もままならない。必要のないものを売りつけられるなど、消費者被害もあり、病院に入院するのも、デイサービスも、身元保証人を求められて困っている。
ケアマネとしてほっておけずに、手助けしているが、どこまでがケアマネの仕事の範囲なのか、よくわからなくなる。
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現場からの問題提起から明らかになったのは
○家族による年金の搾取
○成年後見が必要な1人暮らしの認知症高齢者が増加しているのに、家族が成年後見の申立人にならず、行政も町長申し立てしてをして支援しようという姿勢がない(行政の役割が後退している)
という点です。

地域のネットワーク化が大切という漠然とした方向性は示されましたが、今、困っている人を具体的にどう助けたらいいのか。
まったなしの状況が明らかになったと思います。

コーディネーターの新信弁護士からは、「社会福祉協議会による法人後見を検討すべきではないか」という示唆がありましたが、東郷町社協も、行政も、今すぐに行動に移すべきだと思います。
一部の良心的な施設や、親切なケアマネジャーに頼っていては、対処できない現状がある。
大きな宿題をいただいたセミナーでした。

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