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家族介護がない独居がん患者を自宅で看取る「小笠原内科」

『在宅療養支援診療所』として、24時間対応で在宅医療を行う「小笠原内科」に行ってきました。

もしも、あなたがガンになって、「病院ではこれ以上の治療はできません。あとは死を待つだけです」と言われたら、どうしたいですか?
「このまま病院で死ぬのを待つだけなんていやだ。できれば自宅に帰って死にたい」
そう思う人は、多いのではないでしょうか。

小笠原内科は、ガンの末期の人の「家に帰りたい。家で死にたい」という願いをかなえる在宅医療を行っています。

とりわけ驚くのは、家族の介護がまったく期待できない、1人暮らしのガン患者も在宅で看取っていること。
『エベレストに登る位大変だ』と思われていた『独居ガンの看取り』。
それにもかかわらず、小笠原内科は最近約1年で、5人の独居ガン患者を看取っているのです。
(在宅看取りは直近17ヶ月で、69人という実績)

小笠原内科の小笠原文雄院長は、
「お金がない生活保護の人でも、独居ガンの看取りはできる。お金に余裕があれば、1日15000円で自費ヘルパーをやとって、生活の楽しみを増やして安心して家で死ねる」
と話します。

「1人暮らしのガン患者でも家で死ねる」
と公言するのは、小笠原内科が同じ建物内にある訪問看護ステーションと連携して、必要な訪問看護と訪問医療を行うシステムを確立しているから。
わたしが訪問した日は、朝8時45分から、訪問看護ステーションの訪問看護師10人と、小笠原内科の医師2人が一堂に会し、ケアカンファレンスを行っていました。
(小笠原内科には、医師が4人います)
ケアカンファレンスでは、その日に訪問看護と往診に行く患者の状況が報告され、それにどう対処するかが話し合われていました。

訪問看護ステーションは、小笠原内科の2階にあり、訪問看護師10人が勤務しています。
訪問看護を行っている患者は、現在、約150人。
ガンの看取りに力を入れているため、1回の訪問看護の時間をたっぷりとっており、1人の看護師が午前2軒、午後2軒程度を訪問するという、ゆとりのあるシフトを組んでいるのが特徴です。
患者や家族の話を傾聴し、時にはフットマッサージを行うなどのリラクゼーションも行っているのだとか。
「フットマッサージをするのは、癒しの雰囲気を大切にするため。1カ所に1時間くらいは滞在します」ということでした。

小笠原内科が訪問医療と訪問看護を行うのは、基本的に車で15分以内で行ける範囲。
ですが、それよりも遠い所に住む患者も在宅看取りができるように、複数の訪問看護ステーションと在宅支援診療所が連携して、ガンのターミナルを行う試みも始めています。

小笠原文雄院長は、独居ガンの看取りが他の在宅支援診療所でもできるように、論文を発表しています。
「在宅緩和ケアで実現する独居がんの看取り~パターン分類~」というタイトルで、勇美財団のサイトにアップされていますので、興味のある方は、ぜひご覧下さい。
http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/main/jissai.html

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