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2009年12月議会の一般質問報告①〜若年性認知症に対する早急な支援体制を

12月議会で、山下りつこが行った一般質問について、数回に分けて報告します。

まずは、「若年性認知症に対する早急な支援体制を」求めた質問です。
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若年性認知症に対する早急な支援体制を

64歳以下で発症する認知症を若年認知症といいます。
渡辺謙主演の映画「明日の記憶」で、一般にも知られるようになりました。
数年前のニュースで見た方もいるかもしれませんが、北海道の北竜(ほくりゅう)町という町の町長が55歳という若さで若年性認知症となり、その事実を公表して辞任するということがありました。
認知症は、高齢者だけがなる病気ではなく、若くてもなるところに、問題の深刻さがあります。
厚生労働省は、この若年性認知症の問題を緊急に取り組むべき重大な課題として、「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」で国の介護施策の5つの柱の1つに位置づけました。
こうした背景を踏まえて、東郷町の若年性認知症への支援について質問します。

①若年性認知症の実態把握について
(山下)
愛知県では約2000人が若年性認知症という調査結果がでているが、東郷町では何人と推計されるか
(福祉部長)
厚生労働省が平成18年度から20年度の3年間で、若年性認知症について調査を実施した結果、18〜64歳における人口10万人あたりの若年性認知症者数は、47.6人。全国では、3万7800人と推計。
国の推計に従うと、東郷町の若年性認知症の人の数は12.4人となるが、本年11月1日現在、介護認定を受け、認知症状の出ている65歳未満の人は、14人にのぼっている。
(山下)
高齢者の認知症より深刻だといわれるが、どんな問題があると認識しているか。
(福祉部長)
認知症は、高齢者特有の疾患と思われがちだが、年齢が若くても発症し、本人や配偶者が現役世代であるため、仕事に支障がでたり、仕事を辞めることになって経済的に困難な状況や、配偶者が介護する場合には、身体的にも精神的にも大きな負担がかかると認識している。
また、発症年齢が若いため、本人も家族も受容しにくい。社会的認知度が低いため、周囲も無理解や偏見がある。早期に適切に診断できる医者が少ないため、診断が遅れてしまうなどもある。
さらに、離職による地域での生活は、地域へのなじみや人間関係づくりが難しい上、福祉サービスが高齢者向けに設定されており、若年では利用しにくいことなどもあると思われる。
(山下)
いまの答弁の最後で、介護保険などのサービスが、高齢者向きに設定されていて、若年性認知症という病気になった40代、50代の方には利用しにくいという問題点が指摘された。やはり、80代、90代の高齢者が使うデイサービスやショートステイでは、受け入れる事業所側も、本人もとまどいがあり、難しいようだ。
大府市のルミナス大府という老健では、若年性認知症専用のデイサービスを行っている。また県外では、デイサービスの中で、幼稚園の壁のペンキ塗りに若年性認知症の方が出向くなど、本人が生き甲斐や誇りをもてるような支援を行っている「おりづる工務店」のような例もある。若年性認知症の方の居場所になるようなデイサービスなどは、東郷町にあるか。
(福祉部長)
町内には、デイサービスが6事業所、ショートステイが2施設あるが、専門的な対応ができるかは疑問。過去に若年性認知症の受け入れ事例は若干あるが、ノウハウがあるかどうか。若年性認知症の人専用のサービスはない。
(山下)
若年性認知症は40歳以下で発症することもあるが、40歳以下の若年性認知症の方は介護保険のサービスは使えるか。
(福祉部長)
40歳以下の方は介護保険の対象とならない。
(山下)
さきほど山内部長が答弁した若年性認知症の問題に、経済的な問題もあげられていた。一家の稼ぎ手である男性が若年性認知症になり、そのために仕事をやめた場合、一家の暮らしはいきなり困窮する。住宅ローンが残っていれば、なおさら。そうした場合に、少しでも経済的な支援を行えるよう、医療費の補助制度や障害年金の受給などが考えられる。
若年性認知症の方を支援するために、精神障害の支援制度を使うことはできるか。
(福祉部長)
障害者自立支援法などによる障害福祉サービスで対応できる。
(山下)
精神障害の支援制度や福祉サービスを使うためには、精神保健福祉手帳を申請して手帳が交付されないと受けられないが、病院で認知症という診断を受けていれば、認知症の方も精神保健福祉手帳が交付されるか。
(福祉部長)
精神科の医療機関および精神科のある総合医療機関で、医師に診断書を書いてもらえば、手帳の申請受付は福祉課で行っている。
(山下)
介護保険にくわしいケアマネジャーでも、若年性認知症の方の支援に精神障害の支援制度は使えないと、思いこんでいる方もいる。再度、確認しておきたいが、認知症と診断されれば、精神保健福祉手帳が交付されるということか。
(福祉部長)
はい。
(山下)
精神保健福祉手帳を交付されると、東郷町ではどんなサービスが受けられるか。
(福祉部長)
心身障害者扶助料の支給、タクシー料金助成、精神障害者通院医療費および精神障害者入院医療費助成などのサービスが受けられる。

②相談しやすい体制をつくるために
(山下)
認知症の介護をしている家族などに話を聞くと、医療費助成などの障害福祉支援も受けられるとは知られていない。認知症の方や家族が相談するのは、地域包括支援センターやケアマネジャーが多いが、精神保健福祉手帳の交付や障害者サービスを受けるための手続きは、地域包括でできるか。
(福祉部長)
地域包括支援センターではできない。役場の福祉課の窓口で手帳は交付している。
(山下)
東郷町では介護の窓口と、障害の窓口は別々ということか。東京都が行った「若年性認知症に関する区市町村相談窓口調査」の報告書によると、介護と障害の担当窓口で、お互いの管轄するサービスの説明が提供できているのは、10%前後にすぎない。
地域包括支援センターは高齢者の相談窓口で、精神障害の支援サービスにはくわしくない。役場の障害福祉の担当者は介護保険にくわしくない。であれば、障害福祉の担当者と地域包括の連携が必要では。
(福祉部長)
連携の必要性はそのとおりだ。地域包括支援センターと役場の福祉課が連携をとり、おちがない支援が必要であると思う。
(山下)
若年性認知症の支援には、障害福祉のほかに、医療費の補助制度や、雇用保険での傷病(しょうびょう)手当金、税金の還付、若年性認知症の方の子どもへの支援など、さまざまなものがある。それぞれ、役場の窓口はばらばらで、必要なサービスにつながるまで時間がかかる。千葉県で若年性認知症の方と家族に聞き取りした調査結果によれば、「窓口がひとつでないため、わかりにくく、一度の相談で必要な支援がすべて受けられるようなワンストップサービスが必要」とのことだった。
若年性認知症で困って役場に助けを求めてきた住人が、窓口でたらい回しにならないよう、一度の相談ですべてにつながるように、相談窓口を一本化できないか。
(福祉部長)
一本化は、なかなかすぐには難しい。しかし、相談にこられた方が、何の案内もされないというのはまずい。少なくとも、窓口で「この手続きは、お済みですか」と役場の職員から聞いて案内することができるようにしたい。
(山下)
1つあげるとしたら、若年性認知症の相談窓口はどこか。
(福祉部長)
どこが最適な相談窓口かというなら、地域包括支援センターである。
(山下)
大府市の認知症介護研究・研修大府センターで、若年性認知症専用の無料電話相談が、10月から始まった。大府センターに聞き取りに行ったところ、「もしかしたら自分はそうではないか」という本人からの相談や、職場の上司や同僚から「仕事ができなくなった」などの相談がたくさん寄せられているという。「相談があった場合は、相談者の住所から近くの地域包括支援センターの連絡先を伝えている」とのことなので、地域包括が若年性認知症の相談窓口と案内するのがいいと思う。
大府の無料電話相談と、東郷町の地域包括との連携はできないか。
(福祉部長)
大府市の認知症介護研究・研修大府センターは、全国でただ1カ所の若年性認知症の電話相談窓口であり、センターでは相談者の所在地の地域包括支援センターを紹介していることから、連携については研究していきたい。

(つづく)

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コメント

はじめまして。
若年認知症に対する支援ありがとうございます。
私が住む市でも、理解がまだまだです。
公的支援等も全く足りていないし、施設もありません。
これからも、よろしくお願いします。

投稿: のんた2号 | 2009年12月11日 (金) 14時07分

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