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病院でなく在宅で死ねるか

病院でなく在宅で死ねるか
11月15日に開催された「新たな在宅療養支援〜地域介護の再生のために〜」に参加しました。

在宅療養支援診療所で、在宅医療を支える医師たちなどが主催したシンポジウム。
国立長寿医療センター総長の大島伸一氏による講演「なぜ在宅医療なのか」や、在宅を支えるネットワークを作っている現場の人たちがパネラーをつとめてのパネルディスカッションなどが行われました。

中でも、一番印象に残ったのが、パネルディスカッションで会場から手を挙げて発言された、医師の小笠原文先生。岐阜市にある小笠原内科の医師で、在宅医療のパイオニア的存在のような方だそうです。

在宅で1人暮らしのがん患者の看取りを実践しているというお話だったのですが、最後に言われた言葉が胸に残りました。

「ぼくは、在宅医療が楽しいから、在宅医療で患者さんが幸せになるから、在宅医療をやっている。決して、医療費削減のためにやっているわけではない。がんの患者は、緩和医療の病院に入院して、痛い、辛い、苦しいといっている。でも、家に帰ってくると安心して、痛みもとれてしまう。在宅緩和ケアは、やすらか、おおらかは当たり前。おおらかに過ごされ、最後は清らかに旅たたれる」

日本では患者の81%が病院で最後を迎えます。
そんな中で、小笠原先生は、自宅での看取りが9割を超えるという、びっくりするような実績を出されています。

小笠原先生の在宅医療(看取り)については、上野千鶴子さんが最新刊「男おひとりさま道」のP252〜257で書いています。
シンポジウムで小笠原先生にお会いしたのは、本当にたまたまでしたが、こんな医療を実践している医師もいるのだなと驚きました。

制度的には、独居で自宅で死を迎えるには、介護も医療も足りないというのが現実ですが、一部でも在宅死を実践しているという事実には勇気づけられます。
どこで、だれに看取られて死ぬか。
少しでも本人の希望がかなう支援を考えていきたいと思いました。

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コメント

山下りつ子様へ
「病院でなく在宅で死ねるか」
病院でなく家で息を引き取る。日本的な畳の上で死にたいという考えですね。地域性や現在の入院日数の制限のある医療制度の中で、改めてクローズアップされていることですね。
理想と現実の天秤・・・。
岐阜の医師の方は、きわめて良い環境や言葉に語られないような死に行く方と家族との橋渡しとして苦労をされているのでしょうね。

私自身は、今までの脳腫瘍の年下の従弟や叔父、祖母を病院で最後を看取りました。
家で見取るということの難しさを肌で感じた次第です。
私の場合は時間の許す限り、三者とも毎日見舞いに言ってました。
三人から共通して言われたことは、見舞いに来ない他の身内などに連絡しようか?というと三人ともが、いつも来てくれる人だけで良いと。
死が近づくといつもの見慣れた、心落ち着く人だけで良いのだなと思いました。

病院の死でも、在宅死でもどちらでも良いのではないでしょうか・・・
どちらも死が近づくにつれて、本人が落ち着く、わがままを聞いてくれる人が毎日一度見に来てくれることだと個人的には感じています。

脳腫瘍の従弟の際には、はじめ一日おきに見舞いに行っていたある日に、私の両親が見舞いに行った処、私を名指しで今日は来ないの?と・・・帰宅した両親から聞いた私は込みあげるものを感じ、すぐに病院へ向かい、翌日からは毎日訪問していました。

多くの人に見守られて? 本当に望んでいるのでしょか?
良い死に方とは何でしょうか?
そんなことを「病院でなく在宅で死ねるか」を読んで改めて思い出しました。

投稿: てしま | 2009年11月20日 (金) 09時19分

てしまさま

コメントありがとうございます。返事が遅くなって、すいませんでした。

「良い死に方」というのは、だれが決めるのでしょうか。
本人、家族が満足して死ぬ方法というものが、はたしてあるのでしょうか。

ひとりひとりで価値観は違い、どう生きてきたかも違っています。
大切なのは、本人が望む死に場所を選べるかということではないかと思います。
考えがいろいろあるのは、とてもいいことです。
だからこそ、ひとりひとりに違った道が選べることが大切かと思います。
在宅で死ぬことが最大の贅沢で、難しいという現状を変えたいのは、選択肢を増やしたいからです。
多様な選択肢と、それを選ぶ自由を保障する社会にしていきたいと考えています。

投稿: 山下りつこ | 2009年11月21日 (土) 23時21分

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