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障がいがあっても働ける場をつくりたい

若年性認知症の取材で、精神障がい者の就労支援をしている「ワーキングスペースおおぶ」に行ってきました。

ワーキングスペースおおぶは、就労継続支援(B型)の事業所。
障がいをもつ人の「働く場、訓練の場」です。

おもに精神障がいのある人が仕事をしているのですが、ここで若年性認知症の男性も4人働いています。
1階が働く作業場、2階にフリースペースとして思い思いに過ごせる地域活動支援センターが併設されています。
地域活動支援センターには喫茶スペースもあり、のんびりお茶を飲みながらおしゃべりもできます。
キーボードなどの楽器やテレビもあります。
仕事がしたいと、ここをのぞきに来た若年性認知症の方が、2階にあるキーボードを見て、いっぺんで気に入り、仕事がおわった後には、持参してきた楽譜を置いてキーボードの演奏を楽しんでいるというお話でした。
認知症になっても、楽器の演奏を楽しんでいるというのは、心強いかぎり。
わたしはバイオリンを弾くのですが、認知症になっても、できる範囲でアマチュアオーケストラに参加できたら、どんなにいいでしょう。

介護情報誌「ぬくぬく」の次号に掲載する記事を、おまけでつけておきます。

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認知症でも働きたい
就労支援の試み  〜ワーキングスペースおおぶ

若年性認知症の場合、身体機能は衰えないこともあって、「働きたい」と願う人も多い。
障がい者の就労支援を行っているワーキングスペースおおぶでは、若年性認知症の人を受け入れ、働く場を提供している。

受け入れを始めたのは平成19年から。
現在は4人の男性が通ってきている。
仕事内容はクリーニングの回収や仕分けなど。
作業時間は1日4時間。
1時間ごとに15分休憩というゆったりしたペースで働けるのが特徴だ。
給料として平均3百円の時給が支払われる。
 就労支援は介護保険にはないため、障害者自立支援を利用する。
だが、マンツーマンで支援する人手がないなど課題も多い。
「みんな親切だし、ここに来るのは楽しい」と顔をほころばす認知症の方の思いを聞くにつけても、働くための支援の必要性を痛感した。

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11月15日の朝日新聞に、豊橋で開店した障がい者カフェの記事が掲載されていました。
以下に紹介します。

-----------------------(ここから引用です)-------------------
障害者カフェ
自立への一歩

 豊橋市南瓦町に10月末、精神に障害がある人らが働く喫茶店「WAC農園カフェ」が開店した。自分たちで作った無農薬野菜を使った日替わり弁当も販売している。調理や接客などそれぞれの「個性」に合わせて分担し、地域の人たちとの触れ合いの場になれるよう奮闘している。

調理・接客、野菜作りに奮闘

 開いたのは、NPO法人「福祉住環境地域センター」(加藤政実代表)。事務局が入るビルの1階の約100平方メートルにテーブルと20人分の席を用意した。NPOの職員2人と一緒に、10〜50代の精神障害者ら5人が午前9時から午後4時まで働いている。
 注文をとったり、コーヒーを作ったりするのは、おしゃべりが好きな人。レジもこなす。奥の調理場で料理や洗い物をするのは、手作業が得意な人たちだ。
 記憶障害の人は、コーヒーの作り方を教えても1週間もすれば忘れてしまうので、3〜4日に1度は練習を繰り返している。長時間にわたって集中することが難しい人は、2時間おきに休憩をとりながら、1人4時間をメドに交代で働いているという。
 洗い場で働く男性(39)は「接客は苦手だけど、ここなら働ける。やりがいもある」。
 NPOがカフェを始めたのは、障害者が様々な体験を通じてスキルを身につけ、社会で働けるようにすることが目的だ。自立に向けた訓練の場として、NPOではカフェのほかにも農作業や弁当作りなどに取り組んでいる。
 昨年2月からは市内の休耕地(約2500㎡)を利用して、約10人が週に5日間、野菜作りをしている。農家の指導を受けながら大根やキュウリなどを無農薬で育て、市内の飲食店に卸したり朝市で販売したりしている。
 今年8月には、採れたての野菜を使った弁当販売も始めた。調理は障害者が担当し、カフェのランチタイムに売っている。加藤代表は「それぞれの得意分野を生かした仕事をしている。地域の交流の場としても、気楽に使って欲しい」と話している。
 営業時間は午前9時〜午後4時。日曜休み。問い合わせはNPO(0532-52-4315)へ。

(朝日新聞/2009年11月15日 朝刊)
----------------------(引用ここまでです)-----------------

東郷町には、和合病院という500床をこえる精神科の病院があるのですが、精神障がいの方たちが働く就労継続支援B型というサービスがありません。

働いて、社会とつながりながら生きていくのは、だれもが持っている権利です。
障がいがあっても、その人らしく働くことができる場が必要だと痛切に思います。

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障がいについて考える」カテゴリの記事

コメント

てしまです。
人が働くということは、なんであるか?
なんなんでしょうか?

先頃、日本理化学工業(チョーク製造シェアNo1)のことが、TVで放映されていました。
今に至るまでの経緯に対して、見た方の中には特別なケースとして考える方もいると思います。

理想と現実の狭間にいるのは、我々のほうではないかと思います。

障害者に対する福祉制度をそれぞれ見比べていると、
表面的にわかる身体障害や知的障害などに関しては、人々も認知しますが、
そうでない場合に当たるかもしれない精神障害者や若年性認知症の方々は、
一般人からすると???

制度においても法としてあっても、事業などに関してみると差があると思います。

障害者基本法というのがあっても、各障害者の法がそれぞれあります。
このこと事態が問題なのではないでしょうか?

若年性認知症など新たに表面化してきたものがあると、とりあえず、どれかの法に当てはめてしまいます。

障害者に対して如何なる場合でも、最低限共通した支援を法として確立するれば、とりあえずということはないのではと常々感じます。

介護保険が施行された頃、軽度な知的障害者に対して支援をしながらホームヘルパー2級?を取らせて、職員として採用していくという試みの記事が新聞紙面に記載されてましたが、その後の報告を目にしたことがありません。

経済的なことは、支援する職員の問題など多々あったのではないかと推測できますが。

世の中に余裕がない今、健常といわれる方々の離職の高い今、難しさを感じます。

明日はわが身と・・・

投稿: てしま | 2009年11月18日 (水) 11時28分

てしまさま

大学を卒業した若者が、就職に困っているという世情の中で
障がいを持つ人が働く場を確保するというのは、むずかしいとは感じています。

障がい者のことを、アメリカでは「チャレンジド」と呼んでいます。
「挑戦する人たち」という呼び名ですね。
日本の障がい者支援は、大型施設に収容して、生命維持がはかれれば良いとしてきた経緯がありますが、やっと「脱施設」「地域で暮らす」という方向に変わってきました。
障がいがあっても、その人ができることを仕事とし、障がい者が納税者になれる社会へとしていければと思います。
またご示唆いただければ幸いです。

投稿: 山下りつこ | 2009年11月19日 (木) 22時27分

山下さまへ
こんにちわ。
障害者の生活環境という中で、私自身この山下様のサイトでコメントを前よりさせて頂く中で、常に・・・出来ればへそ曲がりでも良いから目線を変えたコメントが出来ればと思っています。

脱施設化であるとか、話題が高齢者から少子化へなど一つの解決なく政治も世の中も流れているような気がします。
以前に春日井コロニーでの講座に参加した際、そのときの病院長が話していました。 ここに入所している重度障害、重複障害の方々の年齢が高くなると共に、当然ながら両親も高齢化してきています。
障害者の給付がなされており、入所する障害者の方々は生活上はなんら問題なく生活をし続けられるにもかかわらず、高齢の親は自身の年金をためて、少しでも入所する息子に残していこうとする方々が殆どであると。
病院長は、そんな高齢家族の方に残すのであれば、今ここに入所する子供たちに対して今、有償ボランティアや貸切リフトバスをレンタルして、栄や名古屋駅など子供たちが、このままでは観る事がないかもしれない風景、体験を子供と共に使ってください。何より心配せずに自分のために使ってくださいと。

日本の政策を担当する政治家や官僚方々は、海外に目を向けすぎではないのでしょうか。 今海外でおこなわれる福祉政策の良いところばかりを見つめ、国民に提供する流れを何とかしてほしいものです。

個人の尊厳、脱施設、虐待問題など数多くの問題があるにもかかわらず、山下様のワーキンググループで取り組まれているような問題のある施設に対する施設に対しては、現状では必要悪のような対処・・・日本独自、日本発の新しい施策を模索してほしいものです。

障害者が施設入所していても「いいじゃないですか」、施設から外出、施設からの声を発信等など、日本らしくて良いと思います。

問題なのは、特養等の介護上の高齢者施設に入所すると、中には月に一度あるは見にこない家族も居るわけです。
要するに、施設での交流や施設からの外出、情報の発信などが滞るために、
世の中からの疎外感や忘れ去られてしまうのではないでしょうか。

今日は少し興奮気味な記載で失礼しました。
とにかく海外で脱施設といえば、日本も脱施設・・・そんなことではないと思います。
だから、問題が多い。

投稿: | 2009年11月20日 (金) 08時55分

コメントありがとうございます。

施設がいいか、脱施設がいいか。
という議論をする前に、一番問題にしなくてはいけないのが
「施設に入る決断をしているのは、だれか」
という点だと思います。

障がいのある方が施設入所していてもいいと思いますよ。本当にご本人がそれを望んでいるならですが。

前に、知的障がいのある子どもを持つ家族が、子どもを入所させる施設に見学に行くというのに、同行させてもらったことがあります。
はじめての全個室を実現した施設ということでしたが、ここに入る障がい者は、ほとんど家族にだましうちのように連れてこられたケースが多く、ショックのあまり食事を拒絶して食べなくなる人も少なくないと聞きました。
同行した家族では、「少しでも早く慣れた方が・・・」との理由から、20歳になる前での入所を検討していらっしゃいました。
でも、20歳で入って、一生、死ぬまで施設内で暮らすのかと思うと、たまらない気持ちになったことを思い出します。

障がい者の場合、脱施設のさまたげになるのは、家族であることも少なくありません。
高齢者の場合でも、家族さえ同居していなければ、もっと援助の手が入れられるのにというケースも少なくありません。

施設に入って、そこで暮らすのは、本人です。
家族でなく、本人の意思を最優先できる仕組みをつくりたいと、わたしは願ってます。

投稿: 山下りつこ | 2009年11月21日 (土) 23時16分

一昔前に比べると、NPO経営する喫茶店などで働く障害者の方を見かけるようになりましたが、まだまだ働ける場所は少ないですね。若年性認知症の方は精神障害の認定を受ければ、働きざかりの人で会社が雇用を継続してもらえれば、ジョブコーチを付けることができるので、会社側にも若年性認知症について、知ってもらうことが大切ですね。働ける場所を作ることも必要ですが。

投稿: 東京ばなな | 2009年11月22日 (日) 00時58分

すいません、さっき書き忘れましたが、東郷町にも就労支援B型の施設があり、3障害の受け入れが出来ると思っていましたが、間違いだったでしょうか?

投稿: 東京ばなな | 2009年11月22日 (日) 01時03分

東京ばななさま

コメントありがとうございます。

若年性認知症の方は、精神障がい者の支援の方面からなにかの手を探るしかないかなと思っていました。
具体的なアドバイス、助かります。
ジョブコーチを付けて、同じ職場で働き続けられるように支援するといいですね。

もうすぐはじまる12月議会で、障がい者の就労支援について取り上げるのですが、東郷町役場で障がい者雇用を積極的に行うよう、質疑する予定です。
ジョブコーチの点からも、質問できるように準備します。

ちなみに、東郷町にある就労支援B型施設は、知的障がいのみなのです。
精神障がいに対応する施設がないのも、質したいと思っています。

投稿: 山下りつこ | 2009年11月22日 (日) 22時21分

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