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権利擁護を考える公開講演会〜「刑務所の現状と犯罪を繰り返す障がい者・高齢者をどう支えるか考える」

「累犯障害者」という言葉を知っていますか?

犯罪を繰り返して刑務所に何度も行く障害者のことを指すのですが。
どうして犯罪を繰り返すのかを考えると、重い現実が見えてきます。
かれらは障害のために社会では居場所がなく、刑務所に戻りたくて、おにぎり一個を万引きしたり、無賃乗車をするなどの軽度な犯罪を繰り返すというのです。

つまり、日本の福祉があまりにも貧しく、支援をうけるべき障害者が必要な援助を受けられないために、刑務所がある種の終の棲家(最後のセーフティネット)になっている現実があるということなのです。

この問題については、山本譲司著の『累犯障害者』(新潮社)に詳しく書かれています。
また山本氏が出演して累犯犯罪者について語ったテレビ番組のテキスト起こしをネットで見つけたので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
 「累犯障害者」の現実 -朝日放送『ムーブ!』1月22日放送分テキスト起こし-
 http://sok-sok.seesaa.net/article/31934260.html

わたしも『累犯障害者』は読みましたが、一言で言って、衝撃的な内容でした。
刑務所に入っている受刑者のうち、3割近い受刑者が知的障害者であり、知的障害のある受刑者の7割が再び刑務所に入っているというのです。
同じく山本氏の『獄窓記』では、知的障害者、身体障害者、認知症老人など一般懲役工場では作業できない受刑者が隔離され、作業をしているところがあることが描かれています。
そこで山本氏が見たのは、
「糞尿を漏らしている者、よだれを流し続けている者、ぐっすりと寝入っている者、何かにとり憑かれたように踊りだす者などなど」(『獄窓記』より)
刑務所には福祉的な支援はなく、問題行動をおこす人は薬漬けにされ、隔離されているというです。

それでも、
ある受刑者は「ここまで生きてきたなかで、ここ(刑務所)が一番暮らしやすかったと思っているんだ」と話した。
と山本氏は著作の中で述べています。

人間としての尊厳も自由もない刑務所が、外の社会よりも暮らしやすい。
そう話す障害者にとって、どんなに外の社会が過酷で居場所がなかったのか。
障害があるがゆえに、しかも頼る人もおらず公的な支援も得られなかったがために、その人がどんな厳しい人生を送ってきたのだろうと想像すると、本当に胸が詰まります。

日本の知的障害者とされている人の数は、ほかの国に比べると割合がかなり少ないと聞きます。
障害があっても行政や福祉の支援ネットワークにのらない、隠れた知的障害者がたくさんいるのでしょう。

前置きが長くなりました。
『獄窓記』、『累犯障害者』の著者である山本譲司氏が、来月、名古屋で講演します。

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第10回権利擁護勉強会フクシア勉強・交流会
「権利擁護を考える市民・研究者対象の公開公演会~裁判員制度により司法が身近になって~」
主催・・・権利擁護勉強会フクシア
後援・・・特定非営利活動法人『サークル・福寿草』
     特別養護老人ホーム永生苑
【テーマ】「刑務所の現状と犯罪を繰り返す障がい者・高齢者をどう支えるか考える」
【講師】山本譲司氏(元衆議院議員)
 政策秘書給与の流用事件で実刑判決。服役後、『獄窓記』(新潮社ドキュメント賞受賞)『累犯障害者』等の執筆活動のかたわら、受刑者の人権問題に取り組み、法務省の各種委員活動をされている。
【日時】平成21年11月28日(土)
 13時30分 会場
 13時40分 受付開始
 13時45分 事務連絡
 14時00分~16時50分 勉強会(講演)
 16時50分~17時00分 事務連絡
 17時45分~20時00分 交流会
【会場】特別養護老人ホーム永生苑(名古屋市中村区名駅2丁目39-11)
 ※名古屋駅東口より、中央郵便局交差点方向へ。サンルートホテルの裏手にあるレンガ造りの建物です。
【参加費】勉強会・・・1000円 交流会・・・5000円
【交流会会場】和食居酒屋あぶりやsakura(地下鉄東山線名古屋駅直通ユニモール5番出口からすぐ)   ※交流会には山本譲司先生もご参加下さる予定です。

①氏名②職業③連絡先④勉強会参加・不参加⑤交流会参加・不参加 を明記の上、下記のメールアドレスへお申込み下さい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
権利擁護勉強会フクシア
司法書士 福井克典  社会福祉士 清水力樹也
mail:hukushia@gmail.com
HP:http://www.geocities.jp/hukusinoyui/  
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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重い問題ですが、興味を持たれた方は、ぜひお越し下さい。

それと。
山本氏が本を書いた時には、刑務所に障害者を支援する仕組みはなかったようですが、支援の動きが出てきているようです。
クローズアップ現代『もう刑務所には戻さない ~動き出す知的障害者支援~』
http://sok-sok.seesaa.net/article/54124903.html

これからどうしていったらいいのか、真剣に考えていきたいと思います。

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コメント

初めまして山下議員の取り組みに感銘を覚えました。

興味本意で山本譲司氏の「獄窓記」「続獄窓記」を読みました。
山本氏の自己に対する厳しさに気持ちを揺すぶられると共に刑務所で何が行われているかに衝撃と義憤を覚えました。
氏の著書を追加し「累犯障害者」は読み始めたところです。

名古屋刑務所看守による殺傷事件や各刑務所で囚人不審死が有ることを知り行刑当局が人権を無視をした処遇を行っていることに世の中が真っ暗になるような感じが致しました。
法務省は行刑改革提言を受けて監獄法廃止、新法による既決者の処遇を改めたようですが実情については報告が有りません。

障害者や出所者が再び罪を犯さず社会で生きていくのは難しいのが現状だと解りました。
また刑事施設での社会復帰に向けた取り組みが実のあがる方法で為されているのか疑問も感じます、看守の意識が変わり囚人を人間として処遇して欲しいと強く願っていますが現状はどうでしょうか。

政権が変わり福島さんも大臣に成られました、千葉法相は刑務所の現実を把握され一層の改革を目指されるよう願っていますが大臣のお心が何処に在るのか見えないです。
冤罪を無くす為の取り組みは意思表示されましたが刑務所に収容されいる囚人のことにも心を配っていただきたいと切に思います。

投稿: 加藤 嘉一 | 2009年11月18日 (水) 04時13分

加藤嘉一さま

コメントいただきして、ありがとうございます。

刑務所の実態については、一般にはほとんど知られていません。
ましてや、社会でケアされない障がい者が、ひっそりと刑務所の中で処遇されているとは、ほとんどの方が知らないと思います。
罪を犯した人が罰せられるのは当然ですが、刑務所の中の方が暮らしやすいからと、食い逃げなどの軽い罪を繰り返すような悲劇は、早く終わらせなくてはいけないですね。
わたしもなにができるのか、真剣に考えていきたいと思います。

投稿: 山下りつこ | 2009年11月18日 (水) 07時35分

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