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介護施設の質に市町村が無関心でいいの?

ブログで何度かとりあげている、無届け高齢者施設の問題。

わたしが住んでいる東郷町のお隣。
日進市にも「寝たきり高齢者専門賃貸住宅」がオープンしていて、
前に、訪問した時のことを、ブログでレポートして問題点を指摘している。
寝たきり高齢者専用賃貸住宅「ガーデン・ヴァーベナ」

で、問題があることを、日進市の行政にも伝えて、市の高齢福祉課としても何らかの対策を考えてもらいたいと思っていた。
そんな時に、友人の日進市の議員にたまたま会う用事があり、「寝たきり高齢者専門賃貸住宅が日進市にもあるよ」と話したことから、一緒に市役所の担当者に話をすることになり。
行ってきました、日進市役所。

会ってくださったのは、高齢福祉課の課長。
昼休みを早めに切り上げて、急なアポイントに対応いただいたのには、感謝につきるのだけれど。
話は、そう簡単ではなかった。

寝たきり高齢者専用賃貸住宅と名乗り、要介護5で経管栄養・寝たきりの高齢者だけを受け入れている施設があることは、すでに課長はご存じだった。
(オープンは今年の1月だが、オープン前からこういう施設ができるらしいという情報が、日進市にも入っていたそうだ)

「これは、無届けの有料老人ホームにあてはまるのでは?」
という質問に対しては、
「すでに県には報告済み。県がどう考えて対応しているかは把握していない。市としては、県に報告したことで、役割は果たしたと考えている」
というような主旨の答え。

「賃貸住宅と言っているが、中の部屋は住まいとしての要件を満たしておらず、賃貸住宅として適正といえるのか?」
「医療依存度が高い最重度の高齢者が集まっているのに、居室にナースコールがなく、緊急時対応がとれないのは問題ではないのか?」
「火事が起こったときに、全員が避難できるのか? 被害を防ぐために、スプリンクラーや報知器などが設置されているかは確認がとれているのか?」
といった質問に対しては
「問題とは思っていない」の一点張り。

「賃貸住宅なのに、施設側が決めた介護事業者しか使えないのは、介護保険の運用として問題があるのではないか」
と聞くと
「特殊な高齢者が入る施設だから、そういうこともあるのでは」
というような答え。
「賃貸住宅だから、中に入っている人は住所が日進市に変更されているのでは」
という発言が課長からあったので、
「では、日進市がそこの入居者の介護保険の費用を負担しているということですね。日進市は介護保険の保険者として、介護サービスが適切に提供されているか、給付は適正かを調査し、指導する責任があるのではないのですか?」
とつっこむと、
「あなたのいうことは、極端で話にならない」
とそっぽを向き、わたしからの質問にはまともに答えてくれなくなった。
(その後は、隣に座っていた日進市の議員さんとだけ、にこにこ話をしている様子が、非常に強く印象に残ったのだけれど・・・これって、わたしの思い過ごし?)

施設内は見たことがないということなので、「ぜひ一度訪問して、市として内容の把握をしてほしい」と何度も言ったが、ついに最後まで「市としても確認に出かけたい」とは言っていただけなかった。

わたしは、特に無茶なことを要求するつもりはない。
ただ、どこが問題だと感じているのか。
きちんと行政の担当者に話を聞いてもらい、その問題意識を市民と共有してほしいと願っているだけだ。

20分ほどの会話で感じたのは、驚くほどの問題意識のなさ。
自分の自治体の中にある介護施設の質の担保は、行政の責任であるという自覚はないのだろうか。

今日のところは黙って引き下がったが、このまま済ますわけにはいかない。
(わたしは、しつこい性格なので・・・)
今度は質問事項をきちんと提示し、ぜひ文書での正式回答を求めよう。
「質のよくない介護施設があるのは、住民が黙っているから」と、介護の先進地で指摘されたことだし。
行動する住民として、足下から介護を変えていきたいと思っている。


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介護ライターの独り言」カテゴリの記事

コメント

山下りつこ様へ
市町村の対応、拝見させていただきました。
山下さんの言われていることが正論であると思います。
いつの時代でも何か事件・事故が起こらないと動かないのが行政ですね。

山下さんの知人の議員さんにも実際のところ、山下さんとの温度差があるのではないでしょうか?
正論であることは、市の職員も認めていることですから、本来であれば市民の生活を代弁者である議員であれば、知人の議員さんこそが議会に提案すべきことであると考えます。
議員活動についてあまりよく分かりませんが、山下さん自身が議員として今度は、市の職員さんは県に報告済みとしているわけですから、県に直接・知事に直接話をすることはできないのでしょうか?

介護保険法に基づくもので、法律として施行しているわけですよね。
日進市の対応としては、国法の介護保険は上の話で、もしも市の条例であれば動くと言うことですか?
おかしな話ですね。

投稿: てしま | 2009年7月11日 (土) 11時28分

 確認に行きたくない理由でもあるのでしょうかね・・。
 もし署名など必要になったら協力させてください。東郷ならとくに。

投稿: bamboo | 2009年7月12日 (日) 21時50分

てしまさま

コメントありがとうございます。
お返事が遅くなりまして、すいませんでした。

わたしの発言は正論だとは認めながらも、介護保険法で決められた理念より、現実追認を優先するのが、どうやら日進市の姿勢のようです。
知人の議員とわたしとの温度差は、ありますね。
もっと丁寧に説明していかなくてはと反省しています。

それと同時に、愛知県への働きかけは、わたしがするべきことだと考えています。
担当者にアポイントをとりましたので、県の対応その他については、またブログで報告させていただきますね。

不幸な事件や事故が起こる前に、手を打たなくてはならないと強く思っています。

投稿: 山下りつこ | 2009年7月13日 (月) 12時29分

bambooさま

コメントありがとうございます。
「協力します」と言っていただいて、本当に心強くうれしく思っています。

日進市としては、めんどくさい(わずらわしい、やっかいな)ことには、首をつっこみたくないのが本音かなと思います。
中の状態を市として確認して、本当に問題点が見つかれば、対応しないでいることへの正当性がなくなってしまいますから。

県の監査担当者に話をして、日進市と一緒に内容の確認に訪れるようにお願いしてくるつもりです。

投稿: 山下りつこ | 2009年7月13日 (月) 12時33分

山下りつ子様へ
梅雨明け間近のこの頃。
条例や議員立法等と違い、介護保険法という間違いなく法律ですよね。
法に基づく話であれば、弁護士などの法律家を交えた話し合いが重要かもしれませんね。
法のことは法律家に聞くべきことかもしれませんね。
善処される事を望みます。
頑張ってください。

話は変わりますが、
先頃名古屋市港区で死去に伴う市会議員補選がありました。
自民党推薦の今回落選した方のマニフェスト(?)のようなチラシの中に、
グループホームを増やしますと言う内容のものがありました。
私にとっては大変不可解なものでした。
選挙の道具でしかないように思いました・・・。
グループホームを増やすとは?
どういうことなのか解って書いているのか・・・?

世の中の事情により本来介護保険は、居宅(在宅)生活への安心した支援のはずであったの施設介護をメインとしているようになってしまいました。
たぶんこの元候補者にこの点を聞けば、グループホームは居宅サービスの一つだと分かりきったような返答をするかもしれませんがね。
グループホームなどは言ってしまえば必要悪であるかもしれませんが・・・。
だからと言って、あらためてグループホームを増やすと言う目標は如何なものかと思いました。
選挙に適当に使わないでほしいと思い不愉快でした。
勿論この方には・・・×

先頃児童養護施設に入所している児童の3割が虐待によるものであると言う記事を見ました。 
諸般の事情で色々な施設等に入所しなければならない方は多いと思います。
しかし、
心理的虐待・経済的虐待・身体的虐待・性的虐待・ネグレクトという分類が虐待にはありますが、入所と言うサービスが継続されることは大まかには新たな虐待のカテゴリーと言えるのではないでしょうか。
福祉系大学の生徒であったころ楢山伏考いわゆる姨捨ですが
そこに山があるから捨てに行き、海があるから捨てに行き・・・etc.

ちょっと熱が入りすぎました (笑)

人に優しい地域作りを山下りつ子様にはお願いしたいです。
頑張ってください。

投稿: てしま | 2009年7月13日 (月) 22時36分

てしまさま

熱意あふれるコメント、ありがとうございました。
共感するところ大で、じっくり味わいながら読ませていただきました。

入所という状態が、本人が望んでそうあるのであれば、選択の問題かと思えるのですが、
実際は、本人が自らすすんでというよりは、家族の意向や地域の圧力(1人暮らしの認知症のお年寄りの場合は、「火事など起こしたら大変だから」と、近所の人が行政に働きかけて、という話は聞きますよね)が強く働いた結果、というケースが大半です。

新潟の「こぶし園」の小山施設長は
「私は30年、特養ホームにいるけれど、入居者のだれ1人として、入りたくてここに入った人はいなかった。だから、本人が前に住んでいた地域に帰せるように、地域のサポートシステムを作ってきた」
と話してくださいました。
施設に入るのを必要悪とあきらめ、どうしたら施設を自宅に近づけられるかという努力をする施設が大半なのに対して、あくまで「本人の希望=住み慣れた地域に帰す」ために、30年かけて地域をたがやしてきた姿勢に、体が震えるほどの衝撃をうけました。
(くわしくは、またブログで報告しますね)

施設に入所して、そこから外に出られなければ、牢屋と同じです。
寝たきり高齢者専用賃貸住宅のことを話したら、「まるで美しい牢獄ね」と、ある人にいわれました。
捨てられた高齢者の人権は、だれが守るのでしょうか。
「家族が助かるから、いいじゃない」という発言には、「家族のために、本人に犠牲になれというのか」と怒りを感じます。

「措置の時代。家族がどうにもならなくなって、行政に駆け込むと、施設に年寄りを入れろと行政が決めていた。これは、介護が必要な年寄りを抱えて家族4人で首をくくるのか、それとも、ばあちゃん1人に死んでもらうのか。4人死ぬより、ばあちゃんに泣いてもらおうというのが、施設入所の本質でしょう」
というような話を、小山さんがされました。
言葉はきついけど、そのとおりだと思いました。
施設は「いのち」は長らえさせてくれるけれど、その人の心は死んでしまうから。

だれもが自分の望む場所で、最後まで尊重されながら暮らせる社会。
その実現のために、できることからやっていこうと思います。

投稿: 山下りつこ | 2009年7月14日 (火) 23時25分

山下りつ子様へ
いよいよ東海地方も今週内には梅雨明け宣言するかもしれない今日この頃!!
こぶし園へは“いつか”見学に行きたいと山下さんのコメントを読ませて頂き、あらためて思いました。
デイサービスの横に“いつでも”職員が駆けつけることが出来るようなアパートのような建物があったような映像を見たことがありますが。
宝くじが当たったら“かならず”建てるぞと誓う“てしま”です。

私の理想は、宝くじが当たったら無借金で小規模施設を建て、送迎は原則家族で職員と必ず対面する、そして昼食時には家族の方にもランチ気分で食事を食べに来てもらい、家庭での介護の手段を肌で感じてほしい等・・・・。

無借金だから介護報酬は全て、職員にポイント制均等割方式(仮名)でやりがい度↑

そんな夢を見ているのですが、現実は宝くじの神様“浅野忠信”は、私に幸運の矢を → なかなか当ててくれないのが現実・・・。

今回のサマージャンボに期待です(笑)

そんなコミュニティースペースが出来たら山下さんの目に留まり、視察していただけるように頑張ります。

先ずは当選!!

暑さこれからですが、脱水に気をつけて
夏を乗り切りましょう。

投稿: てしま | 2009年7月15日 (水) 10時28分

てしまさま

ここ数日、最高気温を更新する暑さ。
梅雨明けも、きっとまもなくですね。

てしまさまの夢。すてきですね。
自宅で住み続けるための、小規模多機能居宅介護。
昼食を食べに、家族や地域の人がやってきるコミュニティスペース。
ぜひ実現させたいです!

できたら、東郷町に作って欲しいなぁ♪

サマージャンボ、期待してます。

投稿: 山下りつこ | 2009年7月16日 (木) 22時10分

介護労働の仕事なくなる

投稿: ワアキング | 2009年10月29日 (木) 03時02分

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