« 寝たきり専用賃貸住宅に行ってきました | トップページ | アメリカの地方議会では市政への意見を住民が発言できる »

ドイツの介護保険の改革に学ぶ

今日は、議会の一般質問2日目。
わたしの一般質問は、1日目に終わりましたが、こちらについての報告はまた後日・・・。

今日は、新聞で紹介されていた「ドイツの介護保険改革」についてです。
まずは、新聞記事を以下に抜粋します。

---------------------(以下、抜粋引用です)-------------------

介護保険
ドイツ 改革着々

日本に先駆けて介護保険を導入したドイツで、改革が急ピッチで進んでいる。
財源確保に向けて保険料率を上げ、認定方法の見直しにも着手。
日本で見送られた現金給付も家族の負担を減らす手だてとして定着している。
「介護の社会化」を掲げて10年目を迎えた日本では、財源不足を背景にサービスが細り、家族の負担はなお思い。
どうすれば利用者が満足できる制度を整えられるのか。

保険料上げ■自立度判定

「これはパラダイム(価値規範)の転換だ」。
5月25日、ドイツのシュミット保健相は、介護が必要かどうか判定する認定方法を審議していた委員会の見直し案を受けて、こう述べた。

95年に介護保険をスタートさせたドイツの要介護度は3段階。
最も軽い「1」が、日本の7段階では思い方から3番目に相当する。
軽度者は対象外で、もともと給付対象が狭い。
特に認知症が認定されにくいとの批判が強かった。

見直し案では、コミュニケーション能力や社会参加など、高齢者がどの程度自立して生活できるかをみて認定する。
身体機能を中心に、介護にかかる時間を基準にしていた従来の手法から大きく転換。
保険料率も昨年7月、賃金の1.70%から1.95%に引き上げ、「14年ごろまでの財源を確保した」(保険省)。

質の向上にも取り組む。
介護施設の検査は、今まで平均で5年に1回だったが、11年からは年1回、原則抜き打ちで実施し、点数で評価する。
82項目に及ぶ検査結果の公表も義務づけた。

施設をランク付けする「通信簿」は、施設側にとっては戦々恐々だが、情報の透明化で、質の高い介護を利用者が選択できるように、との狙いだ。

日本では 評価方式に不満強く

質の確保をめぐっては、自治体が施設の監査や実地指導を行うが、公表の義務はない。
サービス内容や職員数などについては、都道府県に公表を義務づけた制度がある。
ただ、ドイツがめざすような点数評価はなく、「業者を選ぶ基準がわからない」との利用者の不満が根強い。

日本では、介護サービスの提供に責任を持つ保険者の主体性が発揮しにくいとの指摘もある。
ドイツの保険者は約200の公法人「介護金庫」。
介護報酬は介護金庫側と事業者との契約で決まる。

日本は市区町村が保険者だが、介護報酬やサービス内容は国が決める。
縦割り行政の中で保険者の裁量は狭くなりがちだ。
利用者の視点で真に必要なサービスを提供できる仕組みが求められる。

2009年6月5日 朝日新聞朝刊  (※太字は山下による)
-----------------------(引用ここまで)--------------------------

記事の中で、わたしが最も注目したのは、
「質の向上のために、年に1回、介護施設を抜き打ちで検査し、点数で評価。82項目の検査結果は公表を義務づけ」という点。

6月議会の一般質問でも、町の監査・実地指導をとりあげましたが、毎年行うことは少なく、結果の公表も行われていないのが通常。
「質の向上」というよりは、最低決められたことを遵守できているかという視点から行うのが、日本の指導監査のように思います。

日本の介護保険も抜本的な見直しが迫ってきています。
質の確保をどう行うか。
保険者である基礎自治体(市町村)の役割も問われています。

|

« 寝たきり専用賃貸住宅に行ってきました | トップページ | アメリカの地方議会では市政への意見を住民が発言できる »

介護ライターの独り言」カテゴリの記事

コメント

こんにちわ。毎回とても興味深い記事を読ませていただいております。
介護保険に関わらず、私は以前より日本のすることは10年~20年遅れていると思っています。
欧米諸国の福祉保障制度の良いところを持ってきては、日本版に作り直しているだけのことで、大抵の場合それらを日本が施行・導入したときには下り坂、100年安心プランなどと言うものを国は、国民に提示をしてきますが、安心も良くもって10年であるとおもいます。
介護保険の良し悪し、今の厚生労働省の役人が退職した後に検証されて分かるものであり、いかがなものでしょうか・・・。

介護保険の対象になる人の殆どが高齢者であるのはご存知のとおり。
高齢者の多くが考えることは、日本人の多くは仏教とかと思いますが、『生老病死』を考えて生活を送るものであると思います。
したがって、この『生老病死』の思いを支えることであると思います。
高齢者家族に対してはグリーフケアと言う考えにあるように、ともに過していた家族に対しての心理的な支援を含めて行なうことが介護保険の本質ではないかと考えます。
日本の介護保険は、『こころ』と言うものに対する支援が少なすぎると考えます。
『こころ豊かなれば、自ずと身体を豊か』そんな日本の良き時代の生活を思い出してほしいものです。

取り留めのないコメントですみません。

山下さんへ
『豊かさとは何か』:暉峻淑子(てるおか いつこ)著 岩波新書
上記の書籍していますか?
もう読んだことがあるかもしれませんね。
ヨーロッパの福祉や生活、教育などのことを これまでの日本人の生活と比較して分かりやすく述べられたものです。

ちなみに私の崇拝するデイサービスの施設長が読んでいたことを知り、なぜ?独特の福祉観を持っているかを知るためにブックオフで私は購入しました。

今後も拝見させていただきます。
では。

投稿: てしま | 2009年6月 9日 (火) 16時35分

てしまさま

コメントありがとうございます。

「日本の介護保険は、『こころ』と言うものに対する支援が少なすぎる」というご指摘は、たしかにそのとおりだと思います。
というか、介護保険は「命をつなぐため」の最低限の身体介護を提供するだけのシステムで、「こころの豊かさ」とか「いきがい」を支えるようには、できていません。
なので、いきがいや趣味のために外出したり、孤独感を癒すための話し相手などの提供は、介護保険ではできないことになっているのです。

にんげんとして生きていく上で、介護保険ではできないことはいくつもあります。
それを、どう支えるのか。
地域で? ボランティアで? 家族が?
というのが、これから問われてくると思っています。

『豊かさとは何か』:暉峻淑子(てるおか いつこ)著 の紹介ありがとうございました。
さっそく、探して、読んでみます。

投稿: 山下りつこ | 2009年6月 9日 (火) 23時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215645/45279944

この記事へのトラックバック一覧です: ドイツの介護保険の改革に学ぶ:

« 寝たきり専用賃貸住宅に行ってきました | トップページ | アメリカの地方議会では市政への意見を住民が発言できる »