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アメリカの地方議会では市政への意見を住民が発言できる

今日で、3日間にわたる6月議会での一般質問が終了しました。

20人中、17人が一般質問するという、近年にない議員側の熱意に比べ、残念ながら、傍聴者はちらほら。
傍聴席が満員になるという状態には、ほど遠い状況でした。

議会への傍聴が少ないのは、なぜなのか?
理由はいろいろあると思うのですが、一番の理由は「おもしろくないから」ではないでしょうか。
傍聴席からの発言は許されず、拍手なども禁じられています。
(つまり、住民は一方的に聞くだけ)
せめて、住民も自由に感想や意見が言える仕組みがあればいいのに。
と思っていたのですが、アメリカの地方議会について書いたレポートに、興味深い記述を見つけましたので、以下に紹介しますね。

ネタもとは、松下政経塾のHPに掲載されていた、塾生のレポート。
アメリカ地方議会と住民の主権者意識 http://www.mskj.or.jp/getsurei/ohba9707.html
大場秀樹/松下政経塾第16期生

以下に、抜粋を紹介します。

------------------------(ここから抜粋引用です)----------------------

アメリカ地方議会と住民の主権者意識

地方政府が独自の政策を行い、住民の自治意識もわが国とくらべ高いとされる米国で、地方自治の実態と活性化政策の研究のため、ミシガン州アナーバ市に住んでいる。
人口は約20万人、自動車で有名なデトロイト近郊に位置する。

自宅でテレビを見ていると不思議な番組を目にした。
なんと市議会の生中継をやっているのだ。
そして実際に 傍聴すると、そのしくみと雰囲気にさらに驚くことになった。

「近年、マンションの建設が急増し、昔の建造物とのバランスが悪くなってきた。規制ゾーンを設ける景観条例を作るべきだ」NPO代表。
「この町の家賃が高いのは住宅供給があまりに少ないからだ」地元不動産業者の反論。
「ホームレス寮建設はいつ決まったのか。 説明会を開いたか」ある住民。
「広報で通告したはずだ」市の反論。

こうした市政への不満や要求を、住民は電話一本の予約さえすれば、本会議において誰でも自由に発言ができる。
当然話題も環境、建設、教育、福祉など多岐にわたり、この中から立法化の必要があるものは議員のみの委員会で審議され、さらに住民、そして専門家も呼んでの公聴会も開かれる。
すべてが公開されており、住民が参加しやすいよう 夜7時30分より開催される。
この日も約100人が傍聴席を埋 めた。
質問者は老若男女を問わず18人。
各々制限時間いっぱい発言し、熱気に溢れるその審議は夜11時まで及んだ。

傍聴して感じたことは、政策の是非に加えて、情報公開と住民の知る権利についての質問や意見が多かったことである。
一例として、ホームレス寮建設に関してだが、どうし てここかという場所選定の決定過程が不透明性であったこと、また、住民への説明会の 事前告知が小さく、かつ遅すぎたため、殆どの住民がその開催すら知らなかったことに 対し、厳しい意見や質問が相次いだ。

議員は男性6人、女性5人のたった11人。
日本でこの人口規模なら35人以上はいるだろう。
議会事務局Jan Chapin氏によれば、選挙は2年ごとに市内18歳以上の 有権者の投票で行われる。
議会での党派会派は存在せず、与党も野党もない。
もちろん 国会議員との系列関係もない。
報酬は毎月730ドル〔約8万4000円〕。
商店主、 企業経営者、銀行員、学者など多彩な顔ぶれで、平均年齢は38歳と極めて若い。
また 、議会の様子は1957年からラジオ放送、81年からはテレビ生中継が行われ、さらに毎月ごと 議会レポートを作成し、全住民に配布している。

議会での住民の自由な発言も、この市だけに限らず、連邦法できちんと義務づけられている。
われわれがこうした仕組みを 持つことは民主主義に当然必要であり、全米各自治体地で行われていると説明してくれ た。

他方わが国ではどうか。
日経新聞の調査では大半の都道府県議会や市町村議会は、首長与党が90%を超す絶対的多数を占めるという。
これでは単なる執行部の「追認機関 」、 あるいは「翼賛議会」ではないだろうか。
一般的に傍聴者も少なく、住民の発言機会も システムとして当然ない。

地域のことを国が決め、素封家や利権グループが動かす時代はもう終わった。
必要なことは、地方議会が、立法機関、チェック機関として立派に機能すること。
米国のある地方議会で見た、住民参加システムと行政の透明性。
そして、何より住民の主権者としての自覚ではないだろうか。

--------------------------(引用ここまで)-------------------------

議会の一般質問では、住民の声を代弁する形で質問する議員もいますが、一番いいのは、町行政の執行者に、住民自らが質問し要望を述べ、それに対して責任ある回答をもらう仕組みがあることだと思います。
「ご意見ポスト」などの形で、住民の要望や質問を募集し、それに対する行政の回答を公表することは、あちこちの市町村で行われていますが、
これを議会の場で、しかも質疑応答を議会という公開の場で行うことができるとなれば、ずいぶん住民の意識も変わってくると思います。
(住民が自ら発言できれば、議員の口利きもなくなるでしょうし)

議会での住民参加の可能性を、もっと考えていくべき時期にきているように思います。

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