« 2009年6月議会の一般質問報告①「認知症支援対策」 | トップページ | 日進市にできた「寝たきり高齢者専用賃貸住宅」に行ってきました »

2009年6月議会の一般質問報告②「地域密着型サービスの質の向上と整備指針づくり」

引き続き、一般質問の報告です。
2つめにとりあげた「地域密着型サービスの質の向上と整備指針づくり」について、質問と答弁の概要をお知らせします。

介護保険法の改正で、住み慣れた地域で介護を受けながら暮らし続けることを支援するために、新しく「地域密着型サービス」が創設されました。
地域密着型サービスには、新しくできた「小規模多機能型居宅介護」などに加え、認知症の方が暮らすグループホームも地域密着型サービスに入れられ、その結果、自分が住んでいる市町村にあるものしか、利用することができなくなりました。

この「地域密着型サービス」に分類される介護サービスは、市町村に許認可権限があり、指導監査を行い、適正なサービス提供が行われているのか監督する義務があります。
こうしたことを踏まえ、
①認知症グループホームの質の向上について
②小規模多機能型居宅介護の整備指針づくり
の2項目について、質疑しました。

①認知症グループホームの質の向上について
東郷町には、2つのグループホームがあります。
介護保険法の改正で、それまで県が認可し、指導監督していたグループホームを、市町村が指導監督にあたることになりました。
適正な保険給付を行い、適切な介護サービスを提供しているかをチェックするために、町による指導監査が求められていることから、以下の点を質しました。

○監査の状況と、介護事業者の更新指定の予定は。
○グループホームの外部評価で、改善点として指摘されていることを把握しているか。その改善のために町行政として、何をしていくつもりか。
○運営推進会議の開催状況と、その意義は。
○事業者の質の向上にむけて、計画していることは。

【福祉部長の答弁】
○監査については、本町にある事業所が本年度中に更新時期を迎えるため、これにあわせて、本年中に実地指導に入りたい。そのための実施要綱・マニュアル等を早急に整備する。
更新の手続きは、本町のサービス事業所の指定等に関する規則に基づき、まず、更新に必要な書類の提出を受け、内部審査、実地指導を実施した後、地域密着型サービス運営委員会において意見を聴取し、最終的に町において更新の指定をしていく。

○グループホームが外部評価で改善点として指摘されている事項は、把握している。指摘された改善点については、実地指導の際の参考として扱っていきたい。

○本町の認知症対応型共同生活介護、いわゆるグループホームが2か所あるが、どちらの事業所も年に3回ないし4回ほど運営推進会議を開いている。これには毎回町の職員も出席している。
運営推進会議は、地域密着型サービスを提供する事業所が、利用者・地域の代表者・市町村職員などに対し、提供しているサービス内容等を明らかにすることにより、事業所による利用者の「抱え込み」を防止し,地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質の確保を図ることを目的として設置されているものと理解している。

○グループホームだけを対象とした研修などは今のところ考えていない。研修等の情報提供やお誘いなどは積極的に実施していく。
集団指導は今まで実施していないが、先ほど監査の状況について述べたとおり、要綱等を作成する際に、「実地指導」「集団指導」を分けて明示していきたいと考えている。

【山下から、補足説明】
指導監査については、事前のヒアリングで行政側の認識とのギャップがあり、一番苦労した部分でした。
地域密着型サービスの事業者は、許認可権が市町村におりたことで、県の指導監査がまったく入らなくなりました。ですから、市町村が(つまり東郷町が)、早急に指導監査に入ることが、何より必要なのですが、この点の認識を一致させるために、愛知県や他市町村の実態を調査し説明しました。
(近隣では、長久手町以外はすべて指導監査を実施済みでした。)
幸い、行政の担当者や福祉部長にも納得いただき、議会では「本年度中に実施する」と答弁いただくことができ、ほっとしました。

現在、すでに町内にできているグループホームが、よりよい介護サービスを提供し、認知症で困っている地域の人たちの相談拠点として機能できるように、市町村には指導していく責任があると思います。
今回の質疑を通して、行政に介護事業者の質の担保を行う責務があることを自覚していただけたなら、議会の一般質問でとりあげた甲斐があったと思っています。

グループホームが地域密着型サービスとされ、自分が住んでいる市町村の中にあるものしか利用できないように改正されたのは、認知症になっても地域の中で暮らすことを支援するためです。
「地域で暮らす」ということ。
近所の人や友人と会っておしゃべしたり、いきつけの店に買い物にいったり、子どもの登下校の見守りなど地域の活動に参加したり。
そんなあたりまえの暮らしの継続が、グループホームのめざすべき目標です。
地域で暮らすことを支えるためには、地域の人達の理解や協力が欠かせないからこそ、地域の人を交えて運営推進会議を開くよう決められているのです。
カギをかけて入居者が自由に外出できないグループホームがあるのには、さまざまな理由があるとは思いますが、それを改善していくよう、ぜひ町としても働きかけていただきたいと思います。

②小規模多機能型居宅介護の整備指針づくり
東郷町には、まだ小規模多機能型居宅介護のサービスはありません。
小規模多機能型居宅介護とは、通って(デイサービス)・泊まって(ショートステイ)・来てくれる(訪問ヘルパー)が一体となった365日24時間のサービスです。1ヶ月の利用料が介護度によって決まっていて、どれだけ使っても変わらない(定額)なのが特徴。なじみの関係の中で自由に介護サービスが組み立てられるので、自宅で暮らす認知症の人を支えるのに大きな力を発揮します。

小規模多機能型居宅介護は、第4期の介護保険計画にも具体的な設置計画は入っていないので、その必要性や、悪質な事業者が入ってこないための仕組みづくり(整備指針づくり)、ニーズ把握などについて質しました。
(具体的には以下のとおり)
○東郷町での認知症高齢者の数の推移と、そのうちどれくらいの方が在宅で暮らすと予想されるか。
○在宅で認知症の1人暮らしの方や、高齢者だけの世帯を支えていくために、小規模多機能型居宅介護や夜間対応型訪問介護が必要になるという認識はあるか。
○質のよくない事業者が参入する前に、整備をすすめる目的、どんな位置づけかなど、具体的な設置要件を決めてはどうか。
○小規模多機能のニーズ把握とは、具体的にどう行っていくのか。
たとえば、高齢化率が30%を超えている和合ヶ丘など、ニーズが高いと予想される地域で、認知症の方が何人いるのか。家族と暮らしているのか。それとも1人暮らしなのか、高齢者のみの世帯なのかなど、正確な数値をつかみ、どんな支援が具体的に必要なのかを検討していく必要があるのでは。

【福祉部長の答弁】
○国の認知症高齢者推計人口(認知症割合)の数値を用いると、東郷町の高齢者人口の内、認知症高齢者の人口は、平成20年では459人、平成22年では541人、平成27年では701人と推計。
要介護認定者のうち約7割の人が在宅で生活をしているため、今後、高齢者の増加に伴い、在宅で生活する認知症高齢者の数も増えてくるものと考えている。

○地域密着型サービスのグループホーム以外のサービス、述べられた小規模多機能型居宅介護・夜間対応型訪問介護についても、住み慣れた地域での生活を支える必要なサービスであると捉えている。

○未整備のサービスについては、第4期計画期間中にニーズ把握と整備計画の検討を進めていくと同時に、民間事業者への情報提供を積極的に行うなど、基盤整備に努めていきたい。
基盤整備と設置要件の設定のどちらを優先するかは鶏が先か卵が先かの議論同様悩ましいところだが、現在のところ、位置づけ、設置要件などにつきましては、サービスの提供の基盤が整ったのち検討していきたい。

○ニーズ把握については、和合ヶ丘は広く、全体を調査するような方法は人員、費用もかかり難しいが、もっと狭い範囲であれば検討の余地はあると思われる。

【山下から、補足説明】
和合ヶ丘は、町内で最も高齢化率が高く、1人暮らしや夫婦のみの高齢者世帯が多いところです。
子ども世帯は町外に出ているケースが多く、高齢者のみが残されているという、現代の日本ではありがちな地域。地域で「なんとかしなければ」という危機感も高く、具体的にどんな支援がいるかを検討するためにも、正確なニーズ把握を早急に行う必要があると考えています。

|

« 2009年6月議会の一般質問報告①「認知症支援対策」 | トップページ | 日進市にできた「寝たきり高齢者専用賃貸住宅」に行ってきました »

議会報告」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
久しぶりに拝見させていただきました。
地域密着型サービス事業も上手く機能すれば、良いのですが。
基となった『富山型』からは私としては、厚生労働省が変法したような気がしますが・・・。
小規模多機能型居宅介護施設においては、地域での生活として“とても有意義”なものであるかのようにも思われますが・・・。
問題も山積しているような気がします。

これは個人的な意見ですが、
田舎のような地域の横のつながりや近隣に商店街があるような地域に住む住民が対象であれば有効な手段であると思います。
しかしながら、
色々な制限があるとはいえ施設入所待機者の一時避難場所化も否めないと感じております。
新規の介護保険利用者であれば良いのですが、既存の利用者が利用する場合には既に信頼関係が出来ているケアマネと契約を解除して新たに小規模居宅のケアマネと契約しなおさなければならないと言う現実も・・・。

第3者的あるいは客観的な評価として、外部のケアマネが担当しても良いのではないかと思っています。
介護の囲い込みが起きないようにしなければいけないはずの介護保険が一転してと言う感じを受けています。

名古屋市の河村市長が、地域委員会を創設すると言っていますが、同じように地域介護委員会を作る必要があると思います。
ただし、行政がこのような委員会を作ろうとする場合に下達的な研修会を行い、行政主導のおかしな点を押し付けている伏しがあります。
地域住民の素直な“変??”を活かした何かを行政には検討していただきたいと思います。
山下さんへ
応援しています。がんばってください。

投稿: てしま | 2009年6月16日 (火) 08時47分

てしまさま

おはようございます。
小規模多機能型居宅介護は、「通って、泊まって、来てくれて、住むこともできる」という宅老所が介護保険の制度に採り入れられたものですが、制度化される過程で、だいぶ変形しているとはよくいわれますよね。

実際に、できたものの、ミニ施設のような小規模多機能型居宅介護もあり、「自宅で暮らし続けるためにあらゆる支援を柔軟に行う」という中身や理念が伴わなければ、意味がないということは承知しているつもりです。

先日、新潟の「こぶし園」という特養ホームの施設長さんのお話を聞く機会があり、その時に「在宅で暮らせず施設入所となるのは、在宅の介護サービスが定額制ではなく、365日24時間のサービスを保障していなかったから。でも、小規模多機能型居宅介護が介護保険に入ったことで、やっと在宅でも定額制で365日24時間のサービスをという選択肢ができた」と聴きました。
「定額制」というところが重要だという説に、なるほどなと思いました。
こぶし園では、小規模多機能型居宅介護にバリアフリー住宅を併設したセンターを各地域に作ることで、特養の入居者を地域に戻す取組をしているそうです。

小規模多機能型居宅介護の可能性を確かめるために、7月はじめに、新潟まで見学に行ってきます。
またブログで報告させていただきますね。

投稿: 山下りつこ | 2009年6月17日 (水) 07時46分

『こぶし園』のこと以前テレビで観た事があります。本年一月の介護福祉士国司試験を受験するために、3月まで新潟の通信制高校介護福祉士専攻科に所属していました。その際に『こぶし園』の話もでていました。
私もいつか見学に伺いたいと考えています。

『こぶし園』レポート楽しみにしています。

投稿: てしま | 2009年6月17日 (水) 08時27分

てしまさま

お返事が遅くなってしまい、失礼いたしました。

「こぶし園」の訪問は、7月3、4日に予定しています。
戻ってから、レポートしますので、どうぞお待ちください。

投稿: 山下りつこ | 2009年6月18日 (木) 21時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215645/45353083

この記事へのトラックバック一覧です: 2009年6月議会の一般質問報告②「地域密着型サービスの質の向上と整備指針づくり」:

» 労災保険料率 [労災保険料率]
労災保険料率 [続きを読む]

受信: 2009年6月17日 (水) 08時52分

» 健康保険協会 [健康保険協会]
健康保険協会 [続きを読む]

受信: 2009年6月17日 (水) 12時20分

» 学資保険を手堅く利用 [学資保険を手堅く利用]
学資保険の利用されてる方は意外と少ないんです。お子様の将来の為に学資保険は費用となっています。 [続きを読む]

受信: 2009年6月17日 (水) 22時35分

» 労災保険料率 [労災保険料率]
労災保険料率 [続きを読む]

受信: 2009年6月25日 (木) 09時32分

» 健康保険協会 [健康保険協会]
健康保険協会 [続きを読む]

受信: 2009年6月25日 (木) 12時58分

« 2009年6月議会の一般質問報告①「認知症支援対策」 | トップページ | 日進市にできた「寝たきり高齢者専用賃貸住宅」に行ってきました »