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介護度の判定基準が変わりました

介護保険のサービスを使うためには、どのくらいの介護が必要なのかという要介護度(要支援1、2。要介護1、2,3,4,5)を決定する必要があります。

要介護認定という調査を受けて、要介護度が決まるのですが。
今月から、この判定の基準が新しくなりました。

新しい判定基準の特徴として、

1.認定調査項目が82項目から74項目に削減される
2.介護の手間にかかる時間を推計するための「樹形図」が変わる
3.「『要介護1』か『要支援2』かの振り分けは、(介護認定審査会による)二次判定に委ねずに、コンピューターでの処理する仕組みになる
4.認定調査項目の判定基準である「自立(介助なし)」については、現行では介助や見守りなしに自分でできる場合が当てはまるが、新たな基準においては、実際に介助が行われない場合も該当する。

などが上げられています。
「従来の判定より、要介護度が軽くでるのではないか」という懸念が示されている新基準。
さっそく新聞でもとりあげていましたので、以下に紹介しますね。

---------------------------(ここから引用)--------------------------

介護度判定 不安な春
今月から新基準

介護保険サービスを利用する際には、要介護1など介護の必要度の認定を受ける。
その判断基準が4月から大幅に見直され、介護現場からは「従来より軽度に判定される」との懸念の声が出ている。
軽度に変更されると、利用できるサービスの量が減るため、高齢者や家族の不安は深刻だ。

「悪化してもランク上げにくい」
「在宅の多くは2ランク軽くなる」

都内のマンションに住む女性(71)は、パーキンソン病を患い、要介護3だ。
今年2月、インフルエンザで入院した後、病状が悪化して自分で歩けなくなった。

3月中旬、要介護度を上げようと変更を申請。
ケアマネジャーは、3月までの基準が適用される今回は上がるとみているが、「新しい認定方式になる次回は、厳しくなる。要介護4になっても再び3になりかねない」と懸念する。

要介護度が軽くなると、利用できるサービス量も減る。
要介護3が2になると、30分以上1時間未満の訪問介護の利用が、月30日から半減する計算だ。

要介護認定は、自治体の研修を受けたケアマネらが調査員として、本人の状態を調査項目に沿ってチェック。
その結果をもとにコンピューターが要介護度を出すのが1次判定だ。

続く2次判定では、かかりつけ医の意見書や、調査員が個別事情を書き込む「特記事項」を勘案して、介護認定審査会が結論を出す。

1次判定の調査項目は従来は82だったが、4月から「褥瘡(床ずれ)」「異食行動」「火の不始末」など14項目が削除された。
項目ごとに、どれだけ介護の手間がかかるか時間に換算。
換算時間が長いほど、重度に判定される。
認知症などで問題となる「火の不始末」などがなくなると、介護の手間が評価されないと懸念されいる。
一方、「買い物」「話がまとまらず会話にならない」など6項目が加わった。

立教大学の服部万里子教授は、昨年6月にケアマネらを対象にアンケートを実施。
褥瘡や火の不始末などは「生命の維持にかかわる」と、5割以上が削除に反対だった。

新方式に基づくモデル事業では、20%の人がこれまでより軽度に、17%の人が重度に判定された。
厚生労働省は「検証の結果、今回の見直しで一概に低く判定されるものではない」とする。

しかし、厚労省のデータは施設利用者のみ。
都内のあるケアマネは「自分の利用者で試したら、在宅だと8〜9割が2ランク軽くなった」という。

短すぎる調査員研修
直前 マニュアル修正

新しい要介護認定では、「個別事情は特記事項に記載して2次判定で反映させる」というのが厚労省の考え方。
特記事項の内容は重要だ。

多くの自治体で調査員の研修が実施された。
日程は1日というところが多い。
最近、研修を受けたケアマネは「特記事項の大切さは分かった。でも、調査員の経験によって、どうやって利用者の全体像を認定調査会に伝えるかという技術に差がある。半年は勉強が必要だ」と話す。

特記事項とかかりつけ医の意見書に、具体的な記載がない限り、1次判定は変更できない。
都内の自治体で認定審査にかかわる関係者によると、たとえば、要介護1の人が新方式の1次判定で要支援とされ、特記事項に「現在受けているサービスゆえに状態の悪化が防げている」という全体状況が書かれていたとしても、要介護1とすることはできないという。

さらに、1次判定の調査員向けマニュアルは、直前まで修正が出され、現場は混乱した。
3月24日に、「自立(介助なし)」の選択肢を「介助されていない」と文言修正。
たとえば、指のない人の爪切りは、「自立」から「介助されていない」になった。

朝日新聞 朝刊(2009年4月3日)
--------------------------(引用ここまで)------------------------

新聞記事の終わりの部分(傍線部分)を、もう少し補足すると

寝たきりなど重度の状態で、「移乗」や「移動」の機会が全くない場合、今までは「全介助」と判断されていましたが、新基準では「自立(介助なし)→介助されていない」と判断されます。
また、
「食事摂取」が中心静脈栄養のみの場合も、今までは「全介助」でしたが、「自立(介助なし)→介助されていない」になります。

で、上の説明の太字部分が、3/24に急きょ変更となったところ。
「自立」という表現ではあまりにも実態に即していないということで、「介助されていない」との表記に変えたのだと思われます。

にしても、今回の新基準への変更は、調査員によって認定結果に差が出にくいように、基準を明確化するために行われたと聞いているわりには、調査員の書き込む「特記事項」の重要性が増すなど、釈然としない部分があります。

新基準で介護度が下がり、それまで受けていたサービスが受けられなくなった人は、すぐに行政の介護保険の窓口に相談に行ってください。
認定調査のやり直しは依頼できます。
あきらないで問題点を指摘していくことが必要だと思います。

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