« 議員報酬や費用弁償など、議員自らが経費を削減へ | トップページ | 3月議会の一般質問の通告をしてきました »

ケアタウン小平・いっぷく荘

ケアタウン小平・いっぷく荘
ケアタウン小平・いっぷく荘
医療と介護の支援付きの賃貸住宅があるという話を聞いて、東京都小平市にある「ケアタウン小平・いっぷく荘」に、見学に行ってきました。

「ケアタウン小平」は、桜町病院聖ヨハネホスピスでホスピスコーディネーターとして働いていた長谷方人さんや、『病院で死ぬということ』の著者であり緩和ケア専門医である山崎章郎さんが、新しい生活の場として作ったコミュニティです。

どんな場所をめざしたかという話が、ケアタウン小平・いっぷく荘のホームページに載っていましたので、少し引用しますと。
----------------------------(ここから引用)------------------------

ケアタウンはコミュニティの上に

 「ケアタウン小平」は、制度上の老人健康保険施設や緩和ケア病棟ではありません。ここでは、地域に根ざした普通の生活の中に”ケアという関係で結ばれた共同体(コミュニティ)”を作っていこうと考えました。
 ところで、ケアという関係は病気や障害の方々だけに特別に提供されれば良いというものでしょうか?違うとおもいます。病気や障害で苦痛を感じているのでなくても、解決の難しい困難を抱えている人は、ケアを必要としています。小さな子どもからお年寄りまで、手を貸して欲しい人に、必要な時にそっと手が添えられる関係を築き、互いに尊重し、支え合う生活を考えています。
 この支えに協力してくれるのが、新しく設立された NPO法人「コミュニティケアリンク東京」です。
  この法人は、訪問看護ステーションやデイサービスセンターなどの事業活動を行います。 その他ヘルパーステーションやケアマネージャーのオフィも入居します。それらのサポートを受けながら、ここでの一人暮らしを楽しんでみたいという方に入居していただきたいと思います。
 もちろん、国・都・市からの制度上のサポートを利用することができます。
 けれども、ここでの楽しみは、ケアを一方通行で受けるだけではありません。入居される貴方も、ケアを必要としている隣の人に手を差し伸べてください。

----------------------------(引用ここまで)--------------------------

もう少し、どんなところなのかをイメージするために
わたしが、介護情報紙「ぬくぬく」7号に掲載した、紹介記事をつけておきます。

-------------------------------------
生きる苦悩を共に背負う
ケアタウン小平・いっぷく荘

「痛いのはごめんだ。苦しまずに死にたい」。
そう願う人によりそうのが、緩和ケア。
苦痛をとりさり最後まで自分らしく生きることを支える医療だ。
そんな緩和ケアを行う訪問診療と訪問看護に、介護や配食サービスと賃貸住宅がセットになった終の棲家が、ケアタウン小平だ。

ケアタウン小平は、病気や障がいで自立(自律)や尊厳を守ることが難しくなった人を支え、共に生きることを目的に作られた。
代表の長谷方人さんは、ホスピスで働いていた時に
「人がなくなる時の苦悩に年齢は関係ない。どんな条件にも煩わされない居場所が必要だ」と実感し、年齢制限も入居条件も設けない賃貸住宅という形にこだわったという。
併設の訪問診療所は「病院で死ぬということ」の著者であり緩和ケア専門医の山崎章郎さんが医院長をつとめている。

東京、武蔵野の閑静な住宅地の一角に、とけ込むように建ったケアタウン小平は、1階に診療所、訪問看護、訪問介護、デイサービス。
2〜3階が食堂や展望浴室などがある賃貸住宅「いっぷく荘」という造り。
住居は21戸。
一ヶ月の賃貸料は食費も含めて約20万円。
食事は必要な分だけ配食を契約し、食堂で皆と食べるか自室で食べるかは自由。
住んでいるのは、40代〜90代と年齢もさまざまだ。
入居の順番は「ここの手助けがたくさん必要な人が優先」とのこと。
こんな居場所がどのまちにも必要だと痛感した訪問だった。
------------------------------------

ケアタウン小平には、「介護施設と地域を結ぶ市民の会」の会員と3人で訪問しました。
一緒に出かけた会員さんで、訪問の感想を寄せてくれた方がいたので、こちらも以下に載せておきます。
介護施設とか、介護保険を使うとかいう枠や形式にとらわれず、必要とするものを新しく造りだそうという思想に圧倒されましたが、そのあたりの感想が率直に語られていると思います。

------------------------------------
ケアタウン小平・いっぷく荘を訪問して              

 「医療が必要になった人でも、安心して住める場所があるんだって!」と山下さんから聞いて、新幹線の中のにわか勉強で、ケアタウン小平・いっぷく荘を訪れました。
中央線「小金井」駅から、タクシーで着いたところは、「ここ?」と皆で顔を見合わせたほど、住宅地の一角に溶け込んだ、何気ない建物です。「入ってほっとする空間ですね」という感想に、「前からあったみたいね、というような形でここに来ようと、建築家とも話し合って建てたので、うれしい感想です」と代表の長谷方人さんの顔がほころびました。
 800坪の敷地に、建ぺい率40%・容積率80%・高さ制限10mという住宅1専地区にあるため、必然的にもゆったりとした建物になるとのこと。ここの最適サイズは30戸と考えていたそうですが、必要なものを諸々差し引いていったら、実際には20戸ほどの住宅になったと言います。

 長谷さんがいっぷく荘を作った動機は、ホスピスで、人が亡くなっていく時の苦痛・苦悩を長年見てきて、死んでいくことに年齢の違いはないと強く思われたことでした。今までで一番若かった死は、おなかにいる時に生まれてすぐ亡くなることがわかっている赤ん坊の生命だったとのこと。
 入居の順番は、必要性が高い人から。「ここの手助けがたくさん必要な人が優先」と至極単純です。今順番を待っている人は、2グループに分かれ、将来の安心のためにエントリーしておく人が10数人と、空いたらすぐに入りたい人は1人。ごはんが作れないだけの人なら、配食などのサービスを使ってでも生活できるので、そちらを紹介し待っている方もあるそうです。
 現在住んでいる人は、40歳代~90歳代まで、介護保険を使っている人も使っていない人も、独り暮らしの人も、兄弟だったり夫婦だったりと、さまざまです。

 「ここは自由です。なぜかっていうとね、僕がそうしたいから。もし僕がひとりになったら、ここで暮らしたい。僕にとってここは仕事場所というより、こういうところで暮らしたい場所」と55歳の長谷さんは言います。コミュニティがコンセプト。コミュニティとは何かと言えば、それは「排除しない」という論理、というのが長谷さんの考えです。ホスピスはもともとコミュニティという定義で、がんで治らないから・・と排除しないところだと伺いました。

 配食は契約です。食堂で皆で食べてもいいし自由です。出入りも自由で、夜8時から朝6時までは自動ロックですが、かぎがあれば入れます。そしてここへは、長谷さんと奥さんが、通ってきます。
「もっと手を出してくれたらいいなあと思う人はいるだろうと思います」と長谷さん。精神は自立していて、自立できなくなったらここにいられないかと言えば、排除しません。けれども、何人かの方は、話し合って施設へ移られました。がんで亡くなる前日まで、1人でいるとさびしいからと、デイに来ていて翌日ここで亡くなられた方もありました。

 診療所は半径5km、訪問看護は看護士6名で半径3km、デイサービスは定員20名で半径2kmと決めていますが、実際には1日13名くらいで、看護士が3名いるため医療ニーズが高い人優先です。この地域は、半径3.8kmの中に緑地帯を抱えながら40万人の人口があり、都会型と言えるでしょう。「考え方がきちんとあって、プログラムが整っているならどこでもできます」、と長谷さんは言いますが、そこが一番むつかしいところだと思いました。
 ボランティアは60名いて、子どもたちのNPO活動もあります。
人すべてありのままの状態を受け止めてもらえる場所だという安堵感が広がりました。

 私たちがお話を伺っていた1階のその場所は、扉を閉めれば部屋でしたが、扉を開け放てば廊下の途中にある休める空間になりました。2~3階を見学させていただきましたが、共有部分にライティングデスクや、図書コーナーなどが配され、住み心地の良さそうな空間作りが工夫されていました。極めてシンプルな造りながら、「東京の木を使っているんですよ」と言われる内装に配された木肌は、窓の外に眺められる木々の緑とも呼応して、住む場所としての安らぎを感じさせてくれます。

 見学しながら、気になるお値段を伺ったところ、家賃・食費・共益費を含めた月額は、1人住まいで19万7千円。えっ!食事を入れて月額20万弱でなぜできるの?と聞きました。
1. 人件費が、長谷さん夫妻の二人だけ
2. 償還が40年で、通常の倍になっている。
償還が長いことはリスクを背負うことになりますが、償還を通常のように設定したら、月額は26~28万くらいになるだろうということでした。

 「今日は、週2回買い物希望者に車を出す約束が2時なので」とおっしゃる長谷さんに、1時間半をめいっぱいお話を伺いました。約束の時間に遅れまいと行きはタクシーで来ましたが、帰りは、すぐ近くにある「貫井橋」のバス停を教えていただきました。バス停までの道に、「旬菜ふっとか」という暖簾を見つけて、醤油蔵だったという店で遅い昼食を取りながら、三鷹からここまで玉川上水に沿う道は、春には小金井桜の白い花でいっぱいになると聞き、ケアタウン小平の方々も桜の下を散歩されるのかしらと、思いを馳せました。

---------------------------------------------

小金井のまちは、4月には桜の白い花でいっぱいになるのだとか。
花の盛りに、もう一度、ゆっくり訪れてみたいものだと思いました。

|

« 議員報酬や費用弁償など、議員自らが経費を削減へ | トップページ | 3月議会の一般質問の通告をしてきました »

介護施設見学レポート」カテゴリの記事

コメント

私もここ、見学しました!素晴らしい考えですよね。ケアを、コミュニティで分担する。家族の人が一人で誰かの面倒を見るのはケアする人にもケアされる人にも大変負担になりますし、悪循環ですよね。ケアを必要としている人が、「患者」として個室に押し込められたり無理矢理プログラムに参加させられたりしなくて、人間の尊厳が保たれているようでした。

投稿: りこ | 2010年6月23日 (水) 05時50分

りこさま

コメントありがとうございます。
ケアタウン小平、りこさんも見学されたのですね。

高齢者施設という枠を取り払い、必要とする人はだれでも住める家という考え方が新鮮でした。

人間の尊厳というか、苦悩する人への愛情が感じられる場所でした。

投稿: 山下りつこ | 2010年6月25日 (金) 22時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215645/44085992

この記事へのトラックバック一覧です: ケアタウン小平・いっぷく荘:

« 議員報酬や費用弁償など、議員自らが経費を削減へ | トップページ | 3月議会の一般質問の通告をしてきました »