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マイケアプラン作成の壁は?

マイケアプラン または セルフプランとは
介護保険を利用する本人や家族が、自治体に届け出てケアプランを作成する自己作成のこと。
ケアマネジャーを通さず、自分で使いたいサービスを選び、事業者を探して直接契約する「マイケアプラン」は、介護保険法の中で、きちんと位置づけられた正規の方法です。

しかし、まだまだケアマネジャーを通さなければいけないと誤解している人も多く
介護保険の利用者が、自分でケアプランを作れると知らない人も多いようです。

取材していて驚いたのが
行政職員の中にも、ケアプランはケアマネジャーしか作れないと誤解している人がいること。

マイケアプランに取り組んでいる市町村を、県としてどのくらい把握しているかが知りたくて、愛知県の高齢福祉課に電話取材した、つい先日のこと。
最初に電話口に出てくれた職員さんは、開口一番、
「介護保険のケアプランは、ケアマネジャーを通さないと作れませんよ」
と断言!するのです。
「そんなことはないはずですよ。介護保険法の中で、ケアプランはケアマネジャーが作るのと、自己作成と、どちらでも良いと明記してありますし、厚生労働省からも利用者や家族による自己作成を行政が支援するように、通達が出ていますよ」
と説明したところ、
「ちょっと待っていてください」
と長らく電話口で待たされてから
「市町村の窓口が許可すれば、自己作成もできます」
と答えが変わりました。

三好町に住んでいる知人から
デイサービスをめぐるトラブルで利用をことわられたあげく、ケアマネもそのデイサービス併設の事業所の人だったため、ケアマネにもことわられ、行政に自己作成の相談をしても「準備ができていないので」とまたもや断られて、一時的にケアマネ難民になって、ひどく困った。
という話を聞いたことがあります。
介護保険のサービスを利用するためには、ケアプランの作成がどうしても必要とされますので
ケアマネジャーに頼むか、自己作成するか、どちらの方法でも選べるように体制を整えないといけないはず。
住んでいる市町村によって、自己作成を受け入れてもらえないというのは、おかしな話です。

厚生労働省が出した通達では、以下のように自己作成について述べています。

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平成18年6月9日
厚生労働省老健局振興課

介護予防サービス計画を自ら作成する場合の取扱いについて

 介護予防サービスは、状態の維持や改善が期待できることにかんがみ、「本人ができることはできる限り本人が行う」ことを基本としつつ、目標指向型の計画作成と事後の評価を重視しているものである。
 この介護予防サービスについては、地域包括支援センターが指定介護予防支援事業者として、介護予防サービス計画を作成することとされているが、当該計画については、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第83条の9第1号二の規定により、利用者自らが計画を作成することについても認められているところである。
 この場合、利用者はあらかじめ市町村に自ら作成した計画を届け出て、当該計画の内容について市町村による確認が行われたときは、当該計画に基づいたサービスが提供されることとなる。その実施に当たっては、次の点に留意されたい。

 1 市町村又は地域包括支援センターによる相談・援助
 市町村又は地域包括支援センターは、自ら介護予防サービス計画を作成しようとする者に対し、必要な相談・援助を行うよう努めるものとする。
 2 市町村への届出
 介護予防サービス計画を自ら作成した者が当該計画を市町村に届け出たのち、市町村において専門的な見地からその内容の確認を行う必要がある。この場合、当該業務の具体的な実施に当たっては、市町村の判断により地域包括支援センターに行わせることとしても差し支えない。
 3 介護予防サービス計画を自ら作成する場合の留意点
 目標指向型の計画作成を行い事後の評価を重視するという介護予防サービスの趣旨を踏まえ、介護予防サービス計画を自ら作成する場合においても、介護予防サービスのケアマネジメントのプロセスのうち、サービス提供前の「介護予防サービス・支援計画原案の作成」段階における内容の確認及びサービス提供後の「評価」に係る部分については、第三者の立場として実施する必要があるため、必ず市町村又は地域包括支援センターにおいて行うものとする。
 
 なお、具体的には、【別紙】介護予防支援業務の流れを参照の上、介護予防サービス計画の自己作成の相談があった場合においては、市町村又は地域包括支援センターにおいて適切に対処されたい

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現在、名古屋市では、ケアプランの自己作成をしている人は、11人います。
窓口に問い合わせがあれば、自己作成のやり方を書いたしおりを渡しているそうですが
「専門的な知識があるケアマネの活用を促す」のが基本姿勢とか。
積極的に自己作成を支援したり、相談窓口を設けたりという状況ではありません。

岡崎市では、問い合わせは数件あるそうですが、実際に自己作成しているのは、今のところ1人だけ。
話をうかがった介護給付担当の職員さんは、
「使いたい介護サービスを、自分で直接予約しなければならないし、変更もすべて自分で行うなど、作業の大変さを伝えると、じゃあやめますという人がほとんどです」
と、話します。
それでも、
「個人的には自己作成はいいことだと思いますよ」と、前向きな姿勢だったため、
「では、どうして自己作成を自治体がすすめないのか」
を尋ねたところ
「自治体の担当職員の専門性がなかったりすると、自己作成したケアプランの中身の担保ができないのが一番問題ではないですか」
との答えが返ってきました。

自己作成の場合、給付管理は自治体が直接行いますが、作られたケアプランが適切かどうかチェックする体制ができている自治体はほとんどありません。
ケアプランの相談にのったり、より良い内容にするにはどうするかをアドバイスしてもらえる場が、行政の中に作れていないのが問題のようです。

こうした問題の解決法として、地域包括支援センターに、マイケアプランの支援やアドバイスをしてもらうという方法があります。
実際に、東京都府中市では、要支援1と要支援2の軽い人たちには、自己作成を勧め、府中市地域包括支援センターの職員がプラン作成の支援を行っています。

マイケアプランを作っている利用者本人にお話をうかがうと
「自分のことは、できるだけ自分でしよう」という前向きな思いに出会います。
ケアマネジャーにお任せでは、やってもらうのがあたりまえになりがちなのと、対照的な姿勢です。

自分のことは、自分が一番よく知っているのだから
自分の人生は、自分で決める!

そんな思いを大切にしていけるよう、
市町村の行政窓口で、マイケアプランの支援体制を整えていく。
今後の課題として、取り組まなければと思っています。

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