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自宅で住み続けるための地域での支え合いをどう作るか

来週の火曜日、9日に行う予定の一般質問で、
「自宅で住み続けるための地域での支え合いネットワーク整備について」
をテーマとして出しました。

世界でも初めての超高齢社会を迎える日本では、認知症の方や手助けが必要な方を支えるのに、すべて税金を使った公的システムで、というのには実現に難しい点があります。
スウェーデンやデンマークのように、税金に所得の半分以上を出しても良いというほどの国民的同意は、一足飛びでは得られないでしょうし、かといって困っている人は放置できない。
それなら、地域での「お互いさま」の関係性の中で、ちょっとずつできる力を発揮しあって、地域で安心して暮らせる仕組みを作っていってはどうだろう?
こうした“ご近所力”を高めるのが、今後は大切になってくると考えています。

岡崎市で、小学校区単位で「学区福祉委員会」を立ち上げ、地域の問題に取り組み始めていると聞き、詳しい話をうかがいに、先日、岡崎市社会福祉協議会に行ってきました。
そこで聞いた岡崎市の取り組みを報告します。

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お話を伺ったのは、地域福祉サービスセンターの松井康裕さん。
「地域福祉サービスセンター」は岡崎市社会福祉協議会の中にあり、65歳未満の人の相談にのっています。(65歳以上の人の相談は、在宅介護支援センターまたは地域包括支援センターが対応)

学区福祉委員会への取り組みは、孤独死防止という点からスタートしました。
およそ10年がかりで、小学校区ごとに学区福祉委員会を立ち上げてきて、現在、50学区のうち、44学区で学区福祉委員会が設置されました。
来年そうそうに、3学区で立ち上げ予定。
平成21年度中には、すべての学区で立ち上げを終えたいと話してみえました。

学区福祉委員会を立ち上げた目的は、
なるべく顔の見える小さなエリアで、“困ったときはお互いさま”の関係作りを行うこと。
住民同士がちょっとした支援をしあいことで、住み慣れた地域でだれもが安心して生活できるようになる。
そのために、学区で地域福祉に関心のある人が中心となって福祉委員会を組織し、自主的な活動を通して地域で必要な助け合いを行い、行政とも協働して住みよいまちづくりを実現することをめざしています。

では、学区福祉委員会のメンバーはどんな人がなるかというと、
総代会(東郷町でいう区・自治会組織)、民生委員、老人クラブ、防災組織(東郷町では消防団など)、地域住民、学校、医療機関、介護事業所、福祉施設、地域包括支援センターからの代表者が参加。
だいたい50〜100人が委員会メンバーとなる例が多いそうです。
この学区福祉委員会に、社会福祉協議会から担当者が2名派遣され、アドバイザーを務めています。
また行政職員も参加する体制を作っているところとか。

学区福祉委員会成立までの流れは、
説明会(社会福祉協議会が地域で実施)
→準備委員会(5〜8回開催。社協職員もオブザーバーで参加)
→学区福祉委員会設立

活動内容は、
広報紙の発行、福祉マップの作成(福祉委員や援助を必要とする人の状況、地域内の各種施設などをマップにおとし、日々の見守り活動やいざという時に役立てる)、高齢者などの話し相手、買い物、掃除の手伝い、緊急時の手助け、ゴミ出し援助、介護教室・健康教室の開催、会食会の開催など。
委員会で話し合い、地域で困っていること、課題などを出し合って、何をするかを決定していくそうです。

こうした活動の費用は、というと
参加している委員への報酬(人件費)はゼロ。
今のところ、無報酬のボランティア活動です。(ただし交通費は実費支給)

学区福祉委員会には、岡崎市社会福祉協議会から補助金が出ています。
内訳は、
1. 設立準備負担金…設立年度のみ10万円(準備委員会ができた段階で支給)
2. 運営費…基本額10万円+共同募金配分額(学区で集めた共同募金×35%)
3. 事業費補助金…当該年度において事業に要した金額(最大12万円)

以上で、多い学区で、年に50〜60万円くらいの予算がつくというお話でした。

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近隣での日常的な助け合い活動を呼びかけ、「福祉の主役は住民。“支え合い”の復権を」と、住民流福祉を提唱している先駆者に、木原孝久さんがいます。

木原さんの唱える「住民流宣言」は、なかなかにユニーク。
1〜20まであるのだけれど、長くなるので、4つだけ下に引用します。
全部読みたい方は、
住民流福祉総合研究所 のホームページでご覧ください。

--------------------(ここから引用です)---------------------

<1> 主役は住民
住民は宣言する-「福祉の主役は私たちだ」。
まずは住民の「支え合い」があり、それを補充する「サービス」がある。
何が福祉問題かは住民が決める。
勝手に問題を押し付けるな。
誰が何に取り組むかは住民が決める。
勝手に活動のやり方まで押し付けるな。

<2> 流儀は「支え合い」
善意の一方通行は許さない。
一方的サービスは、サービスの「受け慣れ」を助長し、自立を妨げる。
見返りを求めない「ボランティア」は、住民には不自然。
すべては「持ちつ持たれつ」。
明らかな対象者にも、活動の機会を与えよ。
どんな対象者も何か活動をしている。それを探し出せ。
明らかな活動者も、助けられの機会を探せ。

<3> 助けられも「活動」だ
「助け」はもちろん「福祉活動」。
「助けられ」もまた立派な「福祉活動」。
助けと助けられの協同で、ベストの福祉ができ上がる。
助け行為に評価や研修、手当が必要なように、助けられ行為にも当然、評価や研修、手当の支給を!
「地域に住む」とは、溢れる資源の中で生きること。

<4> 寝たきりこそボランティア
当事者の立場なら、「できれば助けられたくない」。
私が助けられるたびに、私の誇りは危機に瀕する。
だから、要介護の人ほど「ボランティアしたい」。
弱ってきたら「そろそろボランティア」、寝たきりになったら「本格的にボランティア」、認知症になったら「絶対、ボランティア」。

--------------------------(引用ここまで)------------------------

とりわけ、4の「寝たきりや認知症こそ、ボランティアを」という主張には共感します。

当事者の力、ご近所の底力を、どう引き出すか。
それが今後の福祉に求められてくると思います。

地域での助け合いネットワークを、東郷町でも少しずつでも作っていけるようにしていきたいですね。

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