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分権時代の地方議会改革〜改革派首長からの提言

分権時代の地方議会改革〜改革派首長からの提言
東京財団 地方自治体のガバナンス研究の公開研究会に行ってきました。

タイトルは、「分権時代の地方議会改革〜改革派首長からの提言」
改革派首長として高名な、橋本大二郎氏(前高知県知事)、木下敏之氏(前佐賀市長)、石田芳弘氏(前犬山市長)などが、これからの地方議会がどうあるべきかという提言を行いました。
(写真でマイクを手にしているのが橋本氏、その隣が石田氏です)

東京財団「地方自治体のガバナンス研究」では、約一年間にわたって、国内外の自治体の運営実態についての調査研究を行ってきました。
内容としては、改革派首長へのロングインタビュー、欧州(イギリス、フランス、スウェーデンなど)の自治体調査などと、その分析です。
こうした調査研究に基づいた政策提言を冊子にまとめられ、今回の研究会で資料として配られました。
(研究報告書と政策提言は、http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=295)で見られます)

いろいろ刺激的な内容だったのですが、印象に残った所を紹介します。

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日本は、国の政治は「議員内閣制(多数政党が総理大臣を選出する)」ですが、地方自治体は二元代表制をとっています。
つまり、自治体の首長と、議会を構成する議員は、それぞれ住民が選挙で選ぶわけです。

この二元代表制でどんなことが起こるか、どんな問題があるか、というのが今回の研究会のメインテーマでした。

まず、現状として指摘されたのが、
議会の形骸化 です。
日本の多くの自治体では、首長と議会が一体化し緊張感がない状況にあります。
首長は式典出席に追われ、議会は役所組織が立案した政策を形式的に議決するのみ。
政策議論は住民から見えるところで行われず、住民の立場に立った行政サービスが十分に提供されているかどうかは疑問です。

こうした状況を打開しようと登場したのが、「改革派首長」と呼ばれる人たちでしたが、
住民との直接的な関係を重視し、積極的に行政改革を行おうとすると、議会から「事前の根回しがない」「議会軽視」と、反発が出て、議案が否決されてなかなか改革が進まないという状況が起こったと、3人の首長経験者から異口同音に発言がありました。

本来、二元代表制がめざすべき政治は、執行機関と議会が互いに議案を出し合い、両案を比較検討しながらよりよい制度や予算案を作りあげる状態だと思われます。
そうした状態にならないのは、議会に問題があるのでしょうか?

議会のもつ権限として、
○予算の増額修正
○条例を議会自ら作る
○住民の意見を聴くために、公聴会を開催する
などがありますが、現状としては、ほとんど行われていません。
議会の中で、自治体があるべき方向性を議員同士が話し合い、首長に提案するということも、まず行われていないのが現状です。

では、議員は何をしているかというと、
○住民からの個別の要求(自分の身の回りで困ったことを解決してほしい)を実現する→役場職員への口利きという形で行われる
○執行機関への過剰なチェック(反対行動)
など、およそ建設的とはいいがたい行動をしています。

では、外国の地方自治体では、どうなのでしょうか?
実は、欧州での標準は、議院内閣制(一元代表制) なのです。

たとえばイギリスでは、
住民は3年任期の議員を選びます。
選ばれた議員のうち、3分の1が内閣を作り、内閣を構成する議員が首長を選出。
つまり、市議会が同時に行政権を持っているわけです。
選挙の前になると、保守党と労働党など、各政党がマニフェストをまとめた冊子(本)を出し、それが本屋に山積みにされ、住民はそれを買ってきて熱心に読むとのこと。
どの政党が多数党になるかによって、自分たちが払う固定資産税などの税金や、生活にかかわる政策が変わってくるために、選挙=自分たちのことは自分たちで決める という意識が強いそうです。

この後、日本の地方自治体でも、今の二元代表制ではない、別の仕組みに変えた方が良いのではないか、という刺激的な提言が続くのですが、ここからの話は私の中でまだ報告できるほど整理がついていないので、今日はここまで。

ともあれ、地方自治を実現するためには、
「住民の意思を聞いて、それを政策に取り入れる」のが最も大事
という点に、異論はありません。
今後は、議員1人1人の行動としてだけでなく、
議会そのものとして、住民の意見を聴く場をどう作っていくか
が最も求められるのではないかと思いました。

主催した東京財団から、
「8月23日に名古屋大学で開催いたしました東京財団地方自治体のガバナンス研究公開研究会「分権時代の地方議会改革 -改革派首長からの提言-」のご報告を下記のURLでご覧ください。」
との案内がありましたので、下記にリンクしておきます。
【In 名古屋】地方自治体のガバナンス研究シンポジウム「分権時代の地方議会改革 −改革派首長からの提言−」


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