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老い支度講座/どうする?! 入居時の身元保証人

老い支度を考える人のための、「ぬくぬく」老い支度講座。
今回は「どうする?! 入居時の身元保証人」と題して、身元保証や成年後見制度などについて考える勉強会でした。

参加者のうち、半分は地域包括支援センターの職員やケアマネジャーなど、相談にのる側の専門職だったこともあって、具体的に今困っている事例などの話も出て、充実した内容となりました。
興味がある人のために、講座で配ったレジュメを以下に載せておきますね。

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老い支度講座                      
どうする?! 入居時の身元保証人

(1)身元保証人はどうしても必要なの?
施設や病院に入院・入所の際に、身元引受人や身元保証人を求めることについて法的根拠はありません。
また、施設では「正当な理由」なく、施設サービスの提供を拒んではならないとされており、病院も「正当な理由」なく診療治療を拒んではならないことになっています。
身寄りがないのは、「正当な理由」にあたらないと考えられます。

身元保証人は、あくまで施設や病院の管理運営面からのニーズにより、便宜上求められるものです。

(2)身元保証人に求められる役割とは?
施設や病院は、「身元保証人」に何を求めているのでしょうか?

代表的な答えとしては、以下のもののようです。
・経済的な保証(金銭管理)
・病院対応の援助(入院や手術は本人及び家族の同意、身元保証が必要です)
・日常生活の援助(買い物や必要な支援)
・介護保険認定など行政対応
・緊急連絡先の確保
・本人の死後の問題への対応

こうした問題に対応できれば、身元保証人がいなくてもかまわないようです。

(3)認知症などで自分で判断することが難しい方には
認知症などで誰かの助けが必要になった場合には、「日常生活自立支援事業」と「成年後見制度」が使えます。

【日常生活自立支援事業】
軽い認知症で、まだ自分で契約できることが条件となります。
申込先は、名古屋市は「高齢者権利擁護センター」へ、名古屋市以外は社会福祉協議会が窓口です。

援助の内容は、
・ 預金の払い戻しなど、利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)
・ 定期的な訪問による生活変化の察知
  →必要なら福祉サービスの利用援助や行政手続きに関する援助をします。

【成年後見制度】
認知症などのために、自分で財産を管理したり、施設入所の契約を結ぶことが難しくなった時に、使うことができます。

使うためには、家庭裁判所への申し立てが必要です。
だれが成年後見人になるかは、最終的に家庭裁判所が選び、その報酬についても本人の年収や財産、後見人の働きの内容によって、裁判所が決定します。

成年後見人は、本人の意思を尊重し適切に代弁者となれることが求められます。
お金の管理をしますが、その使途についても本人のために限定され、不正が行われないかどうか、家庭裁判所が監督します。

(4)自分で判断・契約できる方には
成年後見制度の中に、「任意後見人」という制度があります。
自分の意思決定ができるうちに、だれに後見人を頼むか、どんな介護を望むかなどを決めておくことができるのが特徴。
ただし、
この任意後見制度等を活用して身元保証と生活支援を行う民間団体もありますが、悪質なものは、本人の財産を不当に管理・搾取する団体もあります。
任意後見制度にはリスクもありますので、注意が必要です。

(5)身元保証を行う民間団体もあります
NPO法人 権利擁護支援「ぷらっとほーむ」
(名古屋市緑区鳴子町4丁目2番地 電話/052-899-3220)

「ぷらっとほーむ」は、福祉制度や施設入居を申し込む際の身元保証や、金銭管理、遺言作成など、身寄りのない高齢者を支援する団体です。
事務所があるのは、名古屋市緑区鳴子町の団地の中。立ち上げから3年ですが、利用者は100人以上。第二種社会福祉事業として名古屋市に登録しており、利用料はほぼ実費のみ。民生委員や弁護士、社会福祉士など、支援する協力会員により、24時間体制で利用者の相談にのっているそうです。

利用する人は必ず利用会員になることが規則なので、まず利用会員入会金5000円が必要。

(年会費は2400円。初年度は不要)
あとは頼む内容により、細かく料金が明示されています。
○代行業務(1件) 1500円

○金銭管理(訪問1時間) 1500円
○書類保管(月額) 1000円
○身元保証経費(月額) 2500円
(身元保証は、最初に委託基本料25万円が必要)

比較的高額な身元保証委託基本料については、減免制度が設けられています。
介護保険料の何段階かにあたるかで、3万円から25万円まで。本人の所得が少なくて非課税なら、9万円。所得金額200~400万円未満で、15万円。
ただし利用できるのは、名古屋市在住に限られます。

(6)成年後見制度の相談は、地域包括支援センターへ
高齢者のさまざまな困りごとや、権利擁護に取り組む窓口として、各市町村には地域包括支援センターが設けられています。
「身元保証人がいなくて施設や病院に入れない」という事態が起こったら、地域包括支援センターの窓口へ。
ここでは成人後見人制度を利用する手助けなどをしています。

①本人が認知症、昏睡状態等になり、支払い能力がなくなった時に、施設利用料や入院治療費の支払いは誰がしてくれるのか

②本人が亡くなった後、遺骨や遺品等は誰に引き渡せばいいのか

といった問題に対して、

①には任意後見人や法定後見人が対応できますし、
②には遺言により意思確認ができるので、理論上は後見人による対応が可能となります。
ちなみに、
本人に契約能力がある(認知症ではない)場合は、任意後見人が。
本人が認知症などで契約・判断ができない場合は、法定後見人が、支えることになります。


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コメント

ブログも勉強になります。ぷらっとほーむさんの内容などもとてもわかりやすく感謝です。他職種のメンバーの方々がどのようにまとまって活動してるのかなぁと思います。利用する側は安心なんだろうなぁ。現在、後見の活動をさせていただいて個人は気が楽ですがなんかとんちんかんなことしてないかなぁといつも感じながらしています。連携がとれる方々との協力を考えた方がいいのかと疑問を抱いて活動してます。貴ブログや情報誌をみると元気がでます。今後ともよろしくお願い致します。

投稿: びっき | 2012年5月29日 (火) 10時34分

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