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特養ホーム「ぬく森」見学リポート

特養ホーム「ぬく森」見学リポート
犬山市にある、特別養護老人ホーム「ぬく森」に行ってきました。

平成10年にオープンした「ぬく森」は、2人部屋と4人部屋中心の従来型と、6〜8人の少人数を生活単位とするユニット型が混在する特養ホームです。
はじめは、従来型の特養ホームとして開設され、その後、併設のケアハウスにつながる形で、ユニット型特養ホームが造られたということで、全体が廊下で繋がっています。

全室個室のユニットは、全部で5ユニット。
これにショートステイのユニットが1つあり、全部で6ユニット。

それぞれのユニットには、調理ができるキッチンと食堂、居間があり、食事の時は、それぞれのキッチンでご飯を炊き、お味噌汁(お汁)を作っています。
おかずも食卓で取り分けるので、配膳用のお盆(トレー)に食事が並ぶという従来型の特養でよく見られる形でなく、ランチョンマットに食器を並べる、ごく普通の家庭の食卓風景。
食器も、入居のお年寄りが家から持ってきた、自分のご飯茶椀、湯飲み、はしなどを使います。

ここ数年でユニット型の特養ホームは増えてきましたが、今の基準では10人を1ユニットとするのが標準。
でも、「ぬく森」はユニット型が特養に取り入れられた初期に作られたこともあり、6人、7人の少人数を1ユニットとしています。
人数が少ない分、介護職員が一人一人の入居者について深く知ることができ、よりきめ細やかな個別対応ができる反面、運営的には厳しい状況だと聞きました。

複数部屋が中心の従来型特養の部分でも、いち早く、疑似ユニットケアを取り入れています。
40〜50人がひとつの大きな食堂で食べるのではなく、食事をする場所も小さく区切って、なるべく少人数のグループで食事をとる工夫をしています。
またお風呂も大浴場でなく、個浴で対応。
集団としてひとまとめにした介護ではなく、一人一人の状態や趣味・嗜好、歴史などを知った上で、個別ケアを行うようにしているとのこと。

従来行っていた、集団ケアから、ユニットケア(個別ケア)に変えたことで、施設の外に買い物に行ったり、散歩をしたりと、個別の希望にあわせた外出支援ができるようになり、職員も自分たちが行う介護に誇りをもてるようになってきたと聞きました。
「つきつめれば、人間の尊厳を守れるようになったということ」と、施設長さん。
「入居者一人ひとりの状態を見られるようになったのが、一番大きい」と、ユニットケアの良さを実感しているそうです。

問題は、国が求める個別ケアを行おうとすると、国の基準の介護人員では足りないこと。
基準は入居者3人に介護職員1人ですが、
「この人数では、個別ケアを行うのは、絶対にムリです!」
とのこと。
ぬく森では、1.9対1と、介護職員の数を基準よりかなり増やしていますが、これでギリギリ。
介護度の重い人が増え、胃ろうなどの医療的なケアが必要な入居者も増えるばかりという状況で、個別ケアを行うためには、人手が欠かせないのだと、話のはしばしから伺えました。

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