« あにゃ♪ | トップページ | ソフト食体験記 »

回想法に取り組む「高浜安立荘」

回想法に取り組む「高浜安立荘」
回想法に取り組む「高浜安立荘」
『日本一 認知症の方に優しい施設になろう』を合い言葉に、回想法に取り組んでいるのが、愛知県高浜市にある特別養護老人ホーム「高浜安立荘」だ。

高浜安立荘は入居者100人、ショートステイ20人、デイサービス35人のサービスを行う介護施設だが、地域のお年寄りが通ってくるデイサービスも含め、利用者の大半が認知症を患っている。
そのため、施設としてのケアの目標を見直すにあたって、「認知症の方に優しい施設」をめざすことになったという。

認知症は症状がすすむと、自分の思いを言葉に出して表現することが苦手になり、他人とコミュニケーションをとることが難しくなってくる。
そのために以前は「何もわからない人」と誤解されてきたが、口に出せないだけで、感情は豊かに息づいている。
また近い記憶から失われていく反面、子どもの頃などの昔の記憶は、いきいきと残っている。

「回想法」は、昔の思い出をきっかけとして、認知症の方とコミュニケーションをとり、元気になってもらうことをめざした認知症ケアだ。

高浜安立荘では、昔の思い出を語る環境を整えようと、平成19年3月に、昭和の町並みを再現した「昭和横町」(写真)を施設の2階に設置。回想法で使う昔の道具や家具は、地元の老人クラブなどに呼びかけて、家で使われないまま眠っていたものを寄付してもらったそうだ。
「認知症のお年寄りは、昔の話が大好き。だれからも否定されない、一番楽しかった時代を形にしようと、昭和横町を作りました」と、制野司施設長は作った経緯を話してくれた。

昭和横町には、昔のタンスやちゃぶ台、テレビが並ぶ居間や、駄菓子屋が作られている。壁一面の風景は、昔の高浜市の白黒写真を引き延ばしたもの。銭湯を再現した風呂の壁には富士山の絵が描かれ、尋常小学校の廊下を模したデイサービスの共用部分など、利用者の生活空間そのものが、懐かしい昭和の風景の中に作られている。

回想法は研修を受けたスタッフが担当。お年寄りが若い頃使っていた昔の道具などを話のきっかけに、昔の思い出話を引き出していく。若いスタッフには、見たことも使い方もわからない道具もあり、「これはこうして使うんだよ」と、認知症のお年寄りから教えてもらう場面もしばしば。
ふだんは話をしようとせず、コミュニケーションをとることが難しかった方が、いきいきと話し始めたり、「この人、こんなによくしゃべれるんだ」と、スタッフが驚くことも多いという。

「昔の思い出を語る時は、その方が主人公なんです。ふだんは注目されることがない方も、自分が一番輝いていた素晴らしい時代に戻って、語り始めます。回想法を始めてから、利用者の表情がずいぶん変わってきました。認知症の進行を抑える効果も出てきているようです」と、施設長は、回想法を始めてからの変化を話してくれた。

回想法に取り組むことで、少しずつスタッフもお年寄りのことを理解し、心がつながる喜びを感じている。


|

« あにゃ♪ | トップページ | ソフト食体験記 »

介護施設見学レポート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215645/41127719

この記事へのトラックバック一覧です: 回想法に取り組む「高浜安立荘」:

« あにゃ♪ | トップページ | ソフト食体験記 »