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世帯分離で介護費用の負担を下げる

特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険の施設で食費・ホテルコスト(居住費)が自己負担となってから、施設入所はお金がかかるという誤解が広まっているような気がする。

もちろん、収入の多い場合(第4段階にあたる場合)は、ユニットケア&全室個室の新型特養に入ると、食費と居住費だけで月に10数万円かかるが、収入が国民年金しかない場合など(第2〜3段階)は、第2段階(住民税非課税世帯)で約3万6千円。第3段階で約6万9千円の負担ですむ。

ただ、注意しなければならないのは、利用者負担額の決め方が、世帯ごとの総収入で判断されるということ。
年金が少なくて、子どもの扶養家族になっている場合は、一番負担額が高い第4段階と認定されてしまうのだ。

こうした場合は、世帯分離をして、本人の収入のみで利用額を算定してもらえば、本来の区分に戻るため、6万円以上負担額が下がる。
(なお、入所していなくても、ショートステイでも食費・居住費を日割りで負担しているので、世帯分離で介護費用の負担を減らすことができる)

世帯分離で介護費用の負担を減らすことができることは、勉強会や講演会で機会があるたびに話してきたが、まだまだ知らない人が多い。
と思っていたら、雑誌「プレジデント」のサイトで世帯分離で負担を減らす方法を詳しく紹介している記事を見つけたので、下に紹介!
抜粋だけ紹介するので、詳しくは下記のホームページを参照ください。

老親の面倒 → 連結会計
月々8万円節約できる「連結外し」とは

---------------------------(ここから抜粋を引用)------------------

「ほとんど収入のない親御さんや、成人後も働いていない息子や娘を養っているなら、簡単な手続きで保険や医療費を大きく減らせるかもしれません」
福祉の現場に精通する杉並区議の太田哲二氏が勧めるのは、住民票を分ける「世帯分離」という方法だ。
扶養家族が病院や介護施設を利用している場合、月に数万円の節約が可能だという。
「『世帯分離』というと大げさに聞こえますが、役所の窓口で『世帯を分離してください』と頼むだけでよいのです」
費用は無料。
戸籍に変化はなく、税法上も親の所得税の扶養者控除はそのまま使える。

「保険料負担金も、収入の少ない世帯では軽く済みます。収入のない親御さんは、世帯を分けることで『低所得の一人世帯』となり、その結果、介護保険料や国民健康保険の保険料が減額されるのです。さらに、病気で入院したり老人保健施設に入所した場合の負担額も安くなります」(太田氏)

東京都杉並区に住む自営業の40歳男性(妻あり、子供なし、年収400万円。住宅ローン3000万円)が75歳の母親を養っているとしよう。
国民健康保険に加入済みですでに父親は亡く、母親は年40万円程度の老齢基礎年金が唯一の収入だ。

多くの市町村では、社会保険料を世帯所得別に分類して算出する。
杉並区の場合、介護保険料は7段階(図1)。
母親が同世帯の場合は「第4段階」、年額5万400円の負担がかかる。
ところが世帯を分離すれば、母親は「第2段階」に移る。
住民税には公的年金等控除が120万円あるので、母親の課税所得はゼロ。
住民税非課税世帯となるから、介護保険料は基準年額×0.5の2万5200円に減るのだ。

さらに違いが大きいのが介護施設である。
先の例で母親が老人保健施設に入居すると、施設サービス費の自己負担分1割と、居住費(室料+光熱費)、食費、日常生活費が必要となるが、このうち居住費と食費は世帯所得別に4段階の限度額が定められている。
施設サービス費が月30万円、「従来型個室」と規定される部屋に入居し、日常生活費は5000円とすると、同一世帯の場合、「住民税課税世帯=第4段階」なので、居住費は5万円、食費は4万2000円となる。
施設サービス費の1割負担額が3万円、日常生活費5000円で、合計では1カ月に12万7000円もの出費となる。
が、世帯分離すると、区分が「区民税世帯非課税で合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下=第2段階」に移り、居住費1万5000円、食費1万2000円にそれぞれ減額され、月6万5000円の負担減。

世帯分離の手法は、これまで一部の福祉関係者にしか知られていなかった。
今も負担減の機会を逃している家庭が多数ある。
心当たりがあればすぐ住民票をチェックすることをお勧めしたい。

---------------------------(引用ここまで)-------------------------

長寿医療(後期高齢者医療)の保険料は、「個人ごとの負担を求める」ということで、扶養家族になっていて保険料負担がなかった人にも、新たな負担を求めている。(ただし半年間は凍結されて負担ゼロ)

「個人ごとの負担」を原則にするなら、介護保険料も世帯ごとでなく、個人の所得を基準に負担を求めるのが筋なのではないか。
それを政府がしないのであれば、防衛策として、個人が「世帯分離」で対抗するしかない。
賢い消費者として、行動したい。


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コメント

子育てと介護の時期が重なり不安でしたがこの記事を読んで、気持ちが楽になりました。いろんな情報を知ると知らないのでは生活に大きな差が出ますね・・・。情報ありがとうございます。good

投稿: | 2013年1月 6日 (日) 23時10分

介護の為、母と同居するようになりました。
母は非課税です。世帯分離してます。
私は会社員で離れて生活している時から
母を税金の扶養控除扱いにしています。
そして、母が特養に入所する事となり半年経過しました。
年末に会社に提出する給与所得者の扶養控除申告書の書き方
についてですが地元の税務署では、扶養対象者の住所欄に特養の住所を記入して、その他に○と言われ、国税局では特養費用負担減免と扶養控除の両方は無理なので、自分の名前だけ書いて出すように言われました。
老人福祉法や所得税法にてらしあわせると、条件をみたしていれば大丈夫のような事がネットで見ました。どうなんでしょうか?


投稿: | 2014年11月 1日 (土) 17時25分

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日本の高齢化現象に伴い、老人ホームの需要が急速に高まってきています。現在は老人ホームや介護事業でも様々なサービスが展開されているために、選び方さえ間違わなければ、老後の快適生活も難しいものではなくなりました。老後の不安をなくすために、老人ホームについて情報を集めるのも、いいかも知れません。老人ホームのサービスとして、ペットと暮らせる施設や温泉付きの施設など、入居者の生活が潤うためのサービスがあるようです。入居費用を心配される方も多く見えるようですが、老人ホームに入居する際に使える介護保険など、保険情... [続きを読む]

受信: 2008年4月14日 (月) 20時42分

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