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「終わりよければすべてよし」といえる終末

終末期ケアを考える長編ドキュメンタリー映画「終わりよければすべてよし」
ずっと見たいと思っていたこの映画が、来月の21日、豊田で上映されます。

監督は、福祉・介護を考えるドキュメンタリー映画を撮り続けてきた、羽田澄子監督。
日本での先進的な在宅医療や、オーストラリア、スウェーデンの外国での状況を取材し、安心して住み慣れた自宅で最後を迎えられるための終末期医療について問いかけます。

住み慣れた自宅で、畳の上で最後を迎えたい。
そんな願いは、日本の今の状況ではなかなか叶えられません。

「家族の負担になりたくない」
「苦しむ姿を見ていると、自宅での看取りなど不安でできない」
こうした本人や家族の思いの中で、最後は病院で迎えるというのが大多数です。

ところが、高齢社会が到来し、団塊の世代が高齢者になると一気に数が増えるため、「今の病院体制では最後の時を迎えるためにすべての高齢者を受け入れるのは困難になる」というのです。

厚生労働省の方針は、
「病院に入院せず、自宅(あるいは介護施設)で看取りを行って、死んでもらおう」
というもの。

こうした方針から、介護保険の改正時に、特別養護老人ホームで看取りまで行う施設には「看取り加算」という報酬が加わりましたし、認知症の人が暮らすグループホームでも、看取りができるよう、医療機関や訪問看護と連携をとった施設には加算がつくようになりました。
往診して在宅医療を24時間行う医療機関には、手厚い診療報酬もつけられました。

はたして
私たちは、どこで死を迎えたいのでしょう?

病院でさまざまな管につながれ、寝たきりで死んでいくのはつらい。
施設で死ぬのだって、すべての介護施設が看取りの体制がとれてるわけじゃない。
そもそも、介護施設での看取りって、どんなふうに? している施設があるの?
自宅が一番とは思うけど、在宅医療や在宅介護は十分受けられるの?

こうした諸々の思いや疑問に、羽田さんの映画が何らかのヒントを投げかけてくれるかもしれません。
自分がどうしたいかを考えるためにも、興味をおぼえた方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

「終わりよければすべてよし」上映会
○日時/3月21日(金) 午後6時30分〜8時45分
 (開演前にミニコンサートを予定)
○場所/豊田市民文化会館 小ホール
○チケット/1000円。全席自由。
○チケット販売場所/カフェレスト四季(豊田市民文化会館内)など

映画上映を主催する「わらびの会」が、案内をホームページに出しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
 映画の案内

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雑感あれこれ」カテゴリの記事

コメント

山下律子さま、こんにちは&はじめまして。
先日、竹内さんから転送されたあなたのメール、
委員の一人としてとても嬉しかったです。
ブログを拝見して、お若い(私より(^_-)-☆)方が、
介護をポリシーのひとつにして、おられること、大変
心強く思います。
やさしく「安らかな当たり前の老い」を、迎えらえる
のがほんとうの先進国だと思っていますので映画を
楽しみにしております。失礼いたしました。

投稿: ランタナ | 2008年2月 4日 (月) 09時00分

温かいコメント、ありがとうございます。

「老いても安心に暮らせるまちに」が、私のポリシーなのですが、
そもそも「介護」を良くしていくことにこだわり始めたきっかけが、
介護ヘルパーの実習で特養ホームに行き、そこで見た老いの行く末でした。

おむつ交換はカーテンもひかず、いやがるお年寄りには2人がかりでおさえつけて。
やせ細り、拘縮して固まってしまった足を広げる時に、「痛い、痛い」と泣かれた声が今も耳に残っています。
認知症の方の食事では、有名な「混ぜご飯」(おかゆにすべてのおかずを入れてかき混ぜ、トッピングに薬を振りかけて出来上がり)もこの目で見ました。
寝たきりのお年寄りの口に、ちぎったバナナを押し込みながら、「こんなになってまで生きてるなんてね。私はごめんだわ」と暴言を吐く職員と、その言葉に涙を流すお年寄りの顔・・・。
人間の尊厳はおろか、ひとりの人としても見てもらえない介護の現実。

こんなふうに死んでいくのは、絶対にごめんだと思いました。
それ以来、老いて、どうしたら幸せな死を迎えられるのかが、私のテーマです。

映画「終わりよければすべてよし」は、安らかで幸せな死を(豊かな生を)迎えるために、何が必要かを考えさせてくれるドキュメンタリーだと思います。
この映画の上映を企画してくださった皆様に感謝しつつ、映画を楽しみに見たいと思っています。

投稿: 山下りつこ | 2008年2月 4日 (月) 23時04分

りつこさん、と呼ばせてください。
昨日はあなたのお誕生日というのを
プロフィールを見て知っていたのに
おめでとうをいいそこねてムネンでした。

私も30年の家庭塾をやめて、一昨年から
へルパーをしております。福祉にとても
関心があり、海外へ旅したときうまくいけば
ナーシングホームにも訪問しています。
ホスピスのボランティアを3年半していました。

あなたの介護実習の現場はひどかったの
ですね。私は、お一人おひとりに合う人間的な
サービスをと、思って仕事しています。納得の
いかないことは、上司に質問し、解決していく
ようにしています。
上映当日に、お会いして少しでもお話できれば
嬉しいです。「Okubo」です。

投稿: ランタナ | 2008年2月 5日 (火) 14時22分

ランタナさま

介護の仕事をしておいでなのですね。
私はせっかくとったヘルパーの資格は眠らせたまま。
ボランティアで愛知県内の介護施設について訪問調査をして情報発信したり、
認知症の方が暮らすグループホームの外部評価員をしたりしています。

県内の特養ホームを調査して、わかったのですが、
介護実習で出会った特養は、特別ひどい施設ではありませんでした。
たぶん、あの頃の水準で、真ん中ぐらいの位置づけでしょう。
ごく一部の頑張って人間らしい暮らしを支えている特養を除けば、
あの人権無視の介護は、ごく標準的な状況にすぎませんでした。
(私が実習に行ったのは、まだ措置の頃でしたしね)

介護保険で入居が措置から契約に変わり、利用者や家族が自由に選べるようになり、
特養ホームもずいぶん変わってきました。
今年も県内の特養ホームを調査していますが、変化を実感しています。

お年寄りご本人が主役になる、自宅での介護。
それを支えるランタナさまのお話も、ぜひゆっくり聞きたいです。

上映当日に、お話しできるといいですね。


投稿: 山下りつこ | 2008年2月 5日 (火) 21時28分

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