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第1回認知症サポーター養成講座、終了しました

第1回認知症サポーター養成講座、終了しました
第1回認知症サポーター養成講座、終了しました
東郷町で初めての「認知症サポーター養成講座」。
今日、無事に終わりました。

参加者は、22人。
講師は、町役場介護保険課の本田さん(キャラバン・メイト)と、介護からの現場報告をしていただく、老人保健施設「和合の里」の川端さん。
予定時刻を30分以上オーバーしましたが、どの参加者も熱心に最後まで講師の言葉に聞き入り、「認知症の方が困っていたら地域で助けよう」との思いを共有しました。

講座の前半は、本田さんによる「認知症の基礎知識」の講義でした。(写真下)
おおまかな内容は、以下のとおりです。

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皆さんに知っておいていただきたいのは、
認知症は脳の「病気」だ
ということです。
認知症は年を取ったらだれでもなる可能性のある病気で、なったからといって、恥ずかしがったり、隠したりする必要はありません。

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために、さまざまな障害が起こり、生活する上で支障が出ている状態を指します。
認知症を引き起こす病気は、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく、アルツハイマー病、レビー小体病などと、脳の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなる、脳梗塞や脳出血などがあります。

認知症になると、次のような症状が出てきます。
①記憶障害(新しいことが覚えられない、近い記憶から失っていくなど)
②見当識障害(時間や場所がわからない。重度になると周囲の人との関係がわからないなど)
③理解・判断力の障害(二つ以上のことが一度にできない。自動販売機や駅の自動改札、全自動洗濯機が使えないなど)
④実行機能障害(スーパーで何を買えばいいかわからなくなる。料理の手順がわからないなど)
⑤感情表現の変化(その場の状況が読めず、掛けられた言葉を誤解して突然怒り出すなど)

以上の五つが脳の機能障害によっておこる、認知症のおもな症状です。
よく知られている「もの盗られ妄想」や「排泄の失敗」は、上にあげた症状に対して、まわりがうまく対応できないなどから派生する周辺症状で、ケアの仕方によってはおさまることもあります。

認知症になったら「何もわからなくなる」というのは誤解です。
本人は認知症になった(もの忘れをしたり、道がわからなくなったりする)ことを自覚していて、「これからどうなるのだろう?」と心配で、心細くて、恐怖を抱いて苦しんでいます。
隣人や知人が認知症になったとしても、その人でなくなるわけではありません。
認知症という病気のせいで、困っていることに手を貸してあげれば、ふつうに笑顔で暮らせるのです。

もしも、近くにいる人が「認知症かもしれない」と思ったら、
一番大切なことは、
専門の病院に連れていって、早期診断・早期治療を行うことです。
なぜなら、認知症を引き起こしている原因の病気によっては、治るものもあるからです。
また、アルツハイマー病であれば、アリセプトという薬を飲めば、進行を遅らせ、自宅でふつうに暮らせる期間を延ばすことができます。
あと3年ほどで、アルツハイマー病を直すことができるワクチンが完成するかもしれない、という医療の進歩も期待されています。

認知症になったら、一刻も早く専門の病院に行くように、ぜひ、すすめてあげてください。
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後半は、「和合の里」と隣接したグループホーム「和合の家」で、認知症の方の介護をしている川端さんから、実際の事例をもとに、認知症の方への接し方についてアドバイスがありました。

ちょっと長くなりますが、紹介された事例を少しだけ、以下に紹介します。
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農業をずっとしてきたAさんの場合。
朝早く起きて、他人の畑から農作物を収穫して、自宅の庭に積み上げてしまうということが続き(本人は認知症のために他人の畑を自分の畑と誤解してのこと)、自宅から施設に入りました。
夜も寝ない、昼はすたすた歩いて自宅に帰ってしまうAさんでしたが、施設の庭にある畑を自由に世話してもらうことで、すっかり落ち着きました。
今では、りっぱな大根やキュウリを収穫し、上手に料理して皆に喜ばれています。

認知症でも、料理が得意だった方は、ちょっとした手助けや声かけで、おいしい料理を作れます。
キュウリの酢の物を作ろうと決まった日のこと、Bさんに料理をお願いしました。
キュウリを切ろうとして、Bさんは手を止めて聞きます。「どのくらいに切ったらいい?」
介護スタッフが、「このくらいの薄切りにして」と、目の前でやってみせると、「よし、わかった」と、すばらしい手さばきで切ってくれます。

でも、安心したスタッフが、次の指示をせずに、うっかりその場を離れてしまったら、
Bさんは薄切りにしたキュウリを前に「これからどうしよう?」と困り顔。
「もっと切るのかな」と、さらにキュウリを千切りにします。
(この時点で、キュウリの酢の物を作るということは忘れています)
それでもスタッフは戻ってきません。迷ったBさんは、千切りのキュウリをさらに切って、細かいみじん切りにしてしまいました。

そこに戻ってきたスタッフは、見事なみじん切りにされたキュウリを見て、自分の失敗に気づきます。
家族だったら、「こんなにしちゃって、どうするの?! 酢の物にするって言ったでしょう!」と、びっくりして思わず怒ってしまうかもしれません。
でもスタッフは介護のプロですから、怒ってはいけないし、Bさんが間違えたということを知って落ち込んでしまうのを避けなくてはいけないと知っています。
だから、その場で大笑い。
「よくこんなに細かく切れたねぇ!これなら、噛まなくたって食べられるし、すごいよ!」とBさんに声をかけます。
Bさんも内心は「失敗しちゃったかな、どうしよう」と思っていましたが、スタッフと一緒に笑い、みじん切りのキュウリはポテトサラダに入り、大成功の料理となりました。

認知症の方は、手順がわからなくなるので、一人では料理がうまく作れなくなります。
でも、次はどうしよう?と迷った時に、スタッフが上手に声かけすれば、家事経験の少ないスタッフより、よほど上手に料理できるのです。

認知症になっても、何もかもできなくなるわけではありません。
まわりの人が、できない部分や、困っている部分を手助けすれば、畑作業や料理など、長年の経験を生かして、若いスタッフがかなわないほど、上手にやってのけます。
ふつうの人と、何の変わりもないことを、ぜひ知って欲しいと思います。
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認知症になった時、安心して、住み慣れたまちに住み続けられるかどうかは、周りの人がどう支えるかで決まります。

今日、白土で誕生した22人の認知症サポーターは、
「認知症の方が町で困っていたら、手助けしたい」という思いで、講座を修了しました。

講座を修了したサポーターは、認知症の方を応援する印の「オレンジリング」を持っています。
オレンジリングを手につけた「認知症の応援団」が、町のあちこちで見かけられるようになったら、今よりも、もっともっと、認知症の方にやさしい町に変わるでしょう。

これからも機会をつかまえては、「認知症サポーター養成講座」を開催していきたいと、新たな目標ができた1日でした。

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