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一般質問報告②認知症サポーターを活用するために

昨日に引き続き、12月議会での「山下りつこ」の一般質問報告です。

②認知症サポーターを活用して、認知症の方と家族をいかに支えるか

福井県若狭町では、病院の医師や保健センターと連携しながら、認知症サポーター養成講座と認知症の早期発見を結びつけた活動を行い、成果を上げています。
サポーター養成の対象を高齢者以外にも広げ、町の中学1年生を対象にした講演や町民向けフォーラムを実施。
その効果として、孫が同居する祖父母の認知症の初期症状に気づいて病院に受診をすすめたり、地域でサポーターが増えるにつれ、「本人も認知症という病気で苦しんでおり、ちょっとした手助けでずいぶん暮らしやすくなる」という理解が拡がり、家族に認知症の人がいることを隠す人がだんだんと減ってきているといいます。

【山下】
愛知県高浜市でも、サポーター養成講座を小・中学校で実施することを決めた。東郷町でも、学校で実施する意向はありませんか?

【福祉部長】
現在のところ、講師役となるキャラバンメイトの養成が一番の課題だと考えています。サポーター講座をどう実施していくかもはっきり決まっておりませんので、今の段階では、学校での実施は考えておりません。

【山下】
認知症サポーターの養成に医師の協力を得て、早期発見と早期受診に結びつける体制づくりについては、どうお考えですか?

【福祉部長】
医師会側からのアプローチがないこともあり、これからの課題として息の長い取り組みになるかと思います。

認知症徘徊SOSネットワークについて

認知症の方は、時、場所、人の順に認知機能がおとろえ、外に出て道がわからなくなり、自宅に帰れないことがあります。
だからといって、鍵を掛けて閉じこめては、「監禁されている。外に出してもらえない」という思いを認知症の方に抱かせ、そのストレスから認知症を悪化させてしまいます。
自宅で家族が留守のうちに外に出てしまわないようにと、外から鍵をかけて外出したところ、家が火事になって認知症のお年寄りが亡くなったという事故も起こっています。
安心して認知症の方が自由に外出できるようにする支援策として、まちの中で認知症の方を見つけたら連絡したり、手助けしたりする「徘徊SOSネットワーク」の設置が必要です。

福岡県大牟田市では、数年前から「認知症の方の徘徊行方不明」という深刻な問題に対して、地域で行方不明になった方を警察、消防、市役所、介護サービス事業所、民生委員、タクシー運転手、学校など、市民が協力して探す「大牟田市ほっと・安心(徘徊)ネットワークをつくり、毎年1回「徘徊模擬訓練」を行うというユニークな取り組みを行っています。
地域のネットワークの力で、「認知症の人が安心して自由に歩けるまちづくり」を作り上げ、これからの支援のあり方を示しています。

【山下】
東郷町では、警察、消防、地域住人などによる徘徊SOSネットワークの設置については、どう考えていますか?

【福祉部長】
徘徊のみられる認知症高齢者を介護する家族の方は、たいへんなご苦労をなさってみえるかと思います。
町といたしましても、家族が安心して介護できる環境を整備するとともに、日常生活の不安を軽減し、円滑な家族救助・援助を行うことが必要と考え、「徘徊高齢者家族支援事業実施要項」を定めています。
事業内容は、高齢者が行方不明になった時、家族の依頼に応じ、高齢者が所持する専用端末機と、消防本部に設置する位置情報システムなどを利用して、高齢者の位置を確認し、早期に保護するというものです。
平成15年以降の利用者はございませんが、潜在的にニーズはあると思われますので、システム利用のPRを強化してまいりたいと思います。

【山下】
専用端末機の利用は、介護施設でも取り入れているところがあります。
お守りに入れて、「いつも身につけていてね」とお願いしたり、よく着ていく服に縫いつけたりと、いろいろ工夫はしているそうですが、認知症の方が外出時に身につけているとはかぎらないと、現場から実効性の難しさを聞いています。
人による見守りネットワークも必要かと思いますので、設置の方向で検討してみてはいかがでしょう。

【福祉部長】
今後の課題として、考えて参りたいと思います。

家族支援のための見守りボランティアについて

東郷町では、在宅で300人以上の認知症高齢者が暮らしています。
しかし、介護保険のヘルパーができる援助は家事か介護に限られ、認知症の見守りはサービスに入っていません。
また家事援助でヘルパーが入り、見守りを行う場合はコストが高く、1回1時間ほどと時間も限られています。
介護度が低くても、常時見守りな必要な認知症高齢者は多く、家族は目を離すことができず、過重な負担で在宅介護が続けられず施設への入所に至ったり、無理を続けて家族崩壊や虐待につながるという悲劇も起こっています。

北海道本別町では、住民ボランティアが認知症高齢者の見守りや話し相手をする「やすらぎ支援事業」を2002年度にスタートさせました。
支援員は町が開催する3日間の養成研修を修了して登録し、利用者負担1時間100円で、やすらぎ支援員に自宅に来てもらうことができます。

【山下】
家族の負担を少しでも減らすために、家族支援のための「見守りボランティア」を養成し、派遣する「認知症高齢者家族やすらぎ支援事業」を実施する意向はないですか?

【福祉部長】
東郷町でも家族介護支援事業は行っていますが、町が見守りにあたるボランティアを養成して派遣するという所までは至っていません。
本町としては、平成16年から「家族支援プログラム」として、介護者に対して認知症の知識習得・個別相談・仲間づくりを目的として講座を開催しています。
認知症サポーターの養成もこれからという段階ですので、今後の取り組みということで考えていく必要もあるのかなと思っています。

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認知症の方が、自由に安全に外出できるまちづくりを進めるための「徘徊SOSネットワーク」や、ボランティアが認知症の方の話し相手や見守りを行う「認知症高齢者家族やすらぎ支援事業」は、福祉先進地が行っている事業です。

新規事業を一度の一般質問で開始させることは、もとより無理な話。
それは承知の上で、認知症にまつわる町の課題と、それに対する先進地の取り組みを、行政に認識していただきたくて、あえて質疑に出しました。
今後の取り組み課題として、息長くやっていきたいと思います。


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