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小規模多機能ホームは、なぜ増えないか? /「小規模多機能ホーム方南」見学報告その3

昨日に引き続き、小規模多機能ホーム方南の見学報告です。

今日は、施設長さんから聞いた、小規模多機能ホームの難しさと今後の課題について報告します。

東京都には、今、22カ所の小規模多機能ホームがあるそうですが、これは、最初の期待数からいうと、かなり少ない数です。
「方南」がある杉並区には、小規模多機能ホームは1カ所だけ。
区としては、20くらいまで増やしたいという意向を持っているそうですが、なかなか手を挙げる介護事業者がないのが現状です。

これは、民間の営利企業が参入できるかわりに、もうけ主義の良くない業者が入ってこないように、介護報酬をかなり低く抑えているのが原因だといわれています。
私が住んでいる愛知県、特に名古屋市では、大手の企業が小規模多機能ホームに参入しましたが、通常の介護報酬ではもうけがでないためなのか、「泊まり(ショートステイ)」を利用する場合は、一日一万円かかるという設定をしているところもあります。
(食費と宿泊費は、施設と利用者との自由契約ですので、金額は自由に設定できます)

「方南」は、宿泊1150円、食費は三食1380円 という、東京では最低価格でがんばっています。
(そのかわり、やはり赤字覚悟というお話でした)

もう一つの問題点は、必要とされるスタッフの基準の厳しさ。
たとえ泊まる人がいなくても、毎日、必ず、夜勤と宿直で夜間に2人おかなくてはいけませんし、ケアマネジャーと看護師も一人ずつ必ず必要です。
また昼間の時間帯は、利用者3人に対して1人の介護スタッフの配置が義務づけ。
「方南」では、午前9時〜午後6時まで、この3対1のスタッフを入れているため、人件費比率がすごく高くなっています。
(特別養護老人ホームなど、介護施設でも「3対1」の人員配置が義務づけですが、昼間に実質的に「3対1」というわけではありません。だから、昼間でも10対1、夜間は25対1くらいしか、スタッフがいない施設が大半です)

おかなくてはいけない職員の人員基準が厳しいのに、介護報酬が少ないため、小規模多機能ホーム単独では、まずやっていけないといわれています。
利用者からは使いやすい介護サービスなのに、増えないのは、そんな理由があるからのようです。

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