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縛らない介護

介護ライターとしての仕事のほかに、「介護サービス情報の公表」制度の調査員を行っている。
今日も介護療養型病院に調査に出かけたのだが、そこで聞いたのが、

「うちの病院は、身体拘束をいっさいしません」
という一言。
拘束禁止が義務化された2001年に、それまで患者を縛るのに使っていた拘束帯をすべて捨て、1年かけて、「縛らない介護」 を実現したのだそうだ。

「介護サービス情報の公表」制度では、調査情報が調査員が現地で確認する部分とされている。
その調査情報中に、必ず項目として出てくるのが、「身体拘束廃止についての取り組み」だ。

介護施設では、ベッドに体を縛り付けたり、柵で囲ってベッドから降りられないようにしたり、安全ベルトの名目で車いすから立ち上がれないよう固定したりなど、身体の自由を拘束することは、禁止されている。
ただ、命の危険にかかわる事態の時、どうしても拘束する(縛る)よりほかに、とるべき方法がない場合に限り、やむを得ず身体拘束することだけは認められている。
(ただしこの際も、家族の同意をとり、短時間の拘束に限ること。必ず記録をつけることが義務づけられている)

だが、実際に介護施設に調査に行ってみると、「身体拘束を行わない」という方針を貫いている施設は一部に限られ、多くの施設で「安全対策」を錦の御旗に、堂々と法で禁じられた身体拘束が行われていることを思い知らされる。

本人の意向を無視し、力で自由を奪うこと(縛って行動を制限すること)が、なぜ正当化される傾向がなくならないのだろう。
「身体拘束は、高齢者虐待であり、禁じられた行為である」
という認識を、ぜひすべての介護施設で共有してほしい。
身体拘束を廃止する努力もせずに、個別ケアとか、高齢者の尊厳とか、きれいごとの理念を説く施設を、私は信用していない。

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